WLD（Worldcoin）とは — 基本概要
Worldcoin（ワールドコイン） は、OpenAI のサム・アルトマン（Sam Altman）らが設立した Tools for Humanity によるプロジェクトで、生体認証（虹彩スキャン）を使って人間かどうかを検証する「Orb（オーブ）」デバイスが特徴です。
WLD は、その World（旧 Worldcoin）エコシステムのネイティブ・トークンとして発行されており、ガバナンス参加や報酬、識別されたユーザーへのインセンティブとして利用される設計です。
トークンは主に Ethereum（ERC‑20） や Optimism（OP） といったチェーン上で流通しており、総供給量は 100 億枚です。
WLD の価格履歴 — 過去最安値と最高値
WLD の価格は発行以来、非常に大きな変動を伴ってきました。
- 歴史最高値（ATH）
CoinLore のデータによると、WLD の過去最高値は $10.12（約 10.12 USD）（2024年3月頃）とされています。
また、CoinGecko によれば ATH は $11.74 という記録もあり、プロジェクトへの市場の期待が高かった時期があったことがわかります。 - 歴史最安値（ATL）
CoinGecko の履歴データでは、最安値が $0.5837（おおよそ 2025年4月）と示されています。
CoinLore も同様に、2025年4月時点で $0.6381 を最安として記録しています。 - 最近の価格動向
CoinMarketCap によれば、最近の WLD 価格は $0.6979（24時間レンジ $0.6867〜$0.724）付近を推移しています。
このような価格下落は、トークンのロック解除や市場全体のセンチメント、流動性の影響などが要因とみられています。Reddit 上でも、アンロックスケジュールや空売り圧力を懸念する声が見られます。 > “When token release … may cause dilution.”
Trust Wallet による WLD の管理
Trust Wallet とは
Trust Wallet（トラスト・ウォレット）はスマートフォン向けの非カストディアルウォレットで、ユーザーが秘密鍵を自己管理できるタイプのウォレットです。ERC‑20 など多くのトークンをサポートしており、WLD も安全に保管可能です。
WLD を Trust Wallet に追加・保管する手順
- ウォレットを準備
スマートフォンで Trust Wallet アプリを起動し、新しいウォレットを作成するか既存ウォレットに復元します。 - トークンを追加
資産一覧画面で「＋（トークン追加）」をタップし、「WLD」または「Worldcoin」と入力して検索。該当する WLD トークンを選んで有効化します。 - 受け取りアドレスの取得
WLD を選択 → 「受け取る（Receive）」をタップ → 表示されたアドレス（ERC‑20 など）をコピー。取引所などからこのアドレスに送金することで Trust Wallet に WLD を保管できます。 - 秘密鍵／リカバリーフレーズのバックアップ
ウォレット作成時に表示されるリカバリーフレーズ（ニーモニック）や秘密鍵を、安全なオフライン環境に厳重に保管してください。これらを失うと復元できず、資産を永久に失う恐れがあります。
運用時の注意点
- トランザクション手数料
WLD を送金する際には、Ethereum ネットワークを使ったガス代が必要になる可能性があります。送金前には見積もりを確認し、十分な残高を確保することが重要です。 - ガバナンス／ステーキング
WLD は将来的にガバナンス参加や報酬制度がある設計です。ただし、Trust Wallet から直接ステーキングできるかどうかはウォレットの機能と提携バリデーター次第です。 - セキュリティ管理
送金時にはアドレスを慎重に確認し、不正なウォレットやフィッシング詐欺に注意を払う必要があります。秘密鍵・リカバリーフレーズの管理も非常に重要です。
Trust Wallet から取引所への送金（WLD の出金方法）
Trust Wallet に保有している WLD を取引所や別ウォレットに送金するには、以下の手順が基本です。
- 送金先アドレスを確認
出金先（取引所またはウォレット）で WLD（ERC‑20 など）の入金アドレスを取得します。 - 送金準備
Trust Wallet を開き、WLD を選択 → 「送金（Send）」 → 送金先アドレスを貼り付け → 送金数量を入力。 - 手数料の確認
ガス代を見積もり、送金後にウォレットに残すべき WLD の量を考慮します。 - 最終確認および送金実行
アドレス、数量、手数料を慎重に確認し、問題がなければトランザクションを実行します。 - トランザクション確認
送金後にトランザクション ID（TXID）を取得し、Etherscan などのブロックチェーン・エクスプローラーでステータスを確認します。
bitFlyer における WLD の取扱状況
調査した範囲では、bitFlyer（ビットフライヤー）において WLD（Worldcoin）を取り扱っているという公表情報は確認できていません。bitFlyer の仮想通貨一覧や発表資料を確認しましたが、WLD の記載が見当たりません。
したがって、WLD の入手や取引を行うには、bitFlyer 以外の取引所（例えば Bybit、Binance、Kraken など） を利用する必要があります。実際、Bybit では WLD の価格と取引ペアが存在することが報じられています。
こうした取引所を通じて WLD を購入し、それを Trust Wallet に送金して保有・運用する戦略が現実的です。
リスクおよび注意点
WLD を Trust Wallet で運用する際には、以下のリスクと注意点を十分に把握しておく必要があります。
- 価格変動リスク
WLD は過去に最大で数ドルから急落した経緯があり、高いボラティリティを持つ資産です。短期保有、長期保有ともに慎重な戦略が必要です。 - トークン供給とアンロックリスク
WLD の総供給量は非常に大きく、将来的なアンロック（ロックが外れること）によって市場への供給が増え、売り圧が強まる可能性があります。 - 流動性リスクおよび取引所リスク
bitFlyer では取り扱いが確認されていないため、流動性や出金先に制限が出る可能性があります。 - セキュリティリスク
秘密鍵やリカバリーフレーズを適切に管理しないと、資産を失うリスクがあります。また、不正ウォレットへの送金などに注意が必要です。 - プライバシーおよび規制リスク
Worldcoin プロジェクトは虹彩スキャンによる認証を用いており、プライバシーに関する懸念や各国の規制リスクがあります。 > “Worldcoin faces regulatory scrutiny …”
将来性とまとめ
- 技術的・社会的価値：World（旧 Worldcoin）は、生体認証を通じてデジタル・アイデンティティ（World ID）を構築し、AI 時代における人間認証のユニークなインフラを提供しています。
- トークン用途：WLD 保有者はガバナンス参加や報酬を得る可能性があり、単なる投機通貨以上の役割が期待されています。
- 価格履歴：過去最高値は $10～$11 台、最安値は $0.58～$0.64 という非常に幅のあるレンジを経験しており、リスクとリターンが大きい資産です。
- ウォレット管理：Trust Wallet を使用すれば WLD を安全に保管・送金できますが、手数料やアドレス確認、セキュリティには十分な注意が必要です。
- 取引戦略：bitFlyer では取り扱いが確認されていないため、Bybit など対応取引所を活用して取引・出金を行うのが現実的です。
- リスク管理：価格変動、アンロック、プライバシー規制、秘密鍵管理など、複数のリスク要因を理解し、長期保有や参加戦略を慎重に設計することが重要です。
