はじめに：SUI（スイ）とは
SUI は、Mysten Labs によって開発された次世代のレイヤー1ブロックチェーンのネイティブトークンです。Sui ブロックチェーンはオブジェクト指向モデルと Move 言語 を採用し、高速な並列実行や即時最終性などを実現するアーキテクチャが特徴です。
SUI はトランザクション手数料の支払い、ステーキング、ガバナンス参加など多用途で使われ、エコシステム内の DeFi（分散型金融）や NFT、ゲームなどさまざまなユースケースが広がっています。
Trust Wallet による SUI の使用・保管・送信
Trust Wallet での SUI 対応状況
Trust Wallet は Sui ブロックチェーンおよび SUI トークンを公式にサポートしています。公式サイトには「Sui ウォレット」のページがあり、安全に SUI を管理する機能が提供されていることが明記されています。
さらに、2025年5月には Trust Wallet において SUI 同チェーンおよびクロスチェーンのスワップ機能 が追加されました。これにより、SUI トークン同士のスワップだけでなく、他チェーン（例：Ethereum や BNB Chain など）との資産交換も可能です。
ステーキングにも対応しており、Trust Wallet アプリから SUI をバリデーターへ委任して報酬を得ることが可能です。
SUI を Trust Wallet に追加・管理する手順
スマートフォンで Trust Wallet アプリを開き、「トークンを追加（Add Token）」から SUI を有効化します。Trust Wallet の Sui ウォレット画面には、受け取りアドレス、残高、ステーキング情報が表示されます。
SUI の受け取りには「受け取る（Receive）」を選択し、アドレスを他のウォレットや取引所に提供します。このアドレスは Sui ネットワーク専用であるため、送金元のネットワークが間違っていないかを確認する必要があります。
また、秘密鍵やリカバリーフレーズ（シードフレーズ）はユーザー自身が管理する必要があります。Trust Wallet ではセキュリティスキャナーや暗号化バックアップ機能が備えられており、これらを活用して資産保護を強化できます。
SUI の送信方法（Trust Wallet → 他ウォレット／取引所）
Trust Wallet で送金したい場合、以下の流れになります：
- Trust Wallet で SUI を選択
- 「送信（Send）」をタップ
- 送金先アドレスを入力（または QR コード読み取り）
- 送金額を指定
- ガス代（手数料）を確認し、最終確認後に送信を実行
送金後は、Sui ネットワークのブロックエクスプローラーでトランザクションを確認することが望ましいです。特に送金先アドレスのミスやネットワーク混雑による遅延を避けるため、細心の注意が必要です。
SUI のステーキング（委任）
Trust Wallet では、SUI をステーキングしてネットワークに参加することができます。アプリ内のステーキング画面でバリデーターを選び、委任量を決めてステーキングを開始します。
ステーキング報酬は、選んだバリデーターや委任量、報酬率などによって変わります。ユーザーは報酬の見積もりをウォレット上で確認できる場合があります。
ただし、ステーキング解除（アンステーク）時にはトランザクション手数料やタイミングの影響が出る可能性があり、実際にアンステークに失敗した、またはガスが不足して処理が通らなかったという報告もあります。
注意すべきリスク・トラブル
Trust Wallet を使って SUI を扱う際には、いくつかのリスクや注意点があります。
まず、送金やステーキングでガス代が不足するとトランザクションが失敗するリスクがあります。実際にステーキングで手数料やガスが足りずに操作が失敗したという報告が存在します。
また、ウォレットの残高表示が不安定になるというユーザー報告もあり、「SUI の残高が一時的に 0.00 と表示されたが、リフレッシュすると戻った」との事例があります。
さらに、ステーキング解除（アンステーク）の失敗や手続きに苦労するケースが報告されており、別のウォレット（例：Slush Wallet）に秘密鍵を移して操作するというアドバイスもあります。
不正トークンの取り扱いにも注意が必要です。Reddit では「未認識（unrecognized）」の SUI トークンがウォレットに表示されるケースがあり、中には詐欺トークンの可能性があるとの警告があります。
SUI（スイ）の価格履歴：過去最安値と最高値
過去最安値（ATL）
SUI の過去最安値（All-Time Low）は、Bybit のデータによると 約 $0.364846（米ドル） と報告されています。
これは Sui トークンが公に出回り始めた初期段階、または流動性が低かった時期を反映している可能性があります。
過去最高値（ATH）
SUI の史上最高値は Bybit のデータで 約 $5.35 とされており、2025年1月初旬に到達しました。
Bitget の報道でも、SUI が最高値を更新したという記録があります。
価格変動の背景と要因
SUI の価格はその技術的特性や生態系成長、需給バランス、トークン供給の状況など複数の要因によって上下しています。
例えば、Cointelegraph の報道によれば、SUI はローンチ直後の上場価格から急落した時期があり、供給過多への懸念が価格調整の一因となった可能性があります。
一方で、Sui ブロックチェーン上でのトランザクション数が急増しているという報告もあり、ネットワーク利用が拡大していることが価格上昇を支える要因と考えられています。
今後の価格に関しても分析が多く、BTCC などでは長期的な成長ポテンシャルを評価する声があります。
bitFlyer（ビットフライヤー）取引所と SUI の関係
bitFlyer の基本情報
bitFlyer（ビットフライヤー）は日本を代表する仮想通貨取引所の一つであり、信頼性・セキュリティが高いことで知られています。ウォレット機能だけでなく、販売所や取引所のサービスを提供し、多くの国内ユーザーに利用されています。
SUI の取り扱い状況
現時点（2025年11月）で公開された情報を確認したところ、bitFlyer において SUI トークンを取り扱っているという公的アナウンスは見当たりません。bitFlyer の取り扱い通貨リストや過去の新規上場発表資料にも、SUI の記載は確認できません。
そのため、SUI を取引所で売買または入出金したい場合、bitFlyer 以外の取引所を利用する可能性が高いと見られます。
bitFlyer を使った SUI 運用の難しさ
SUI を扱いたいユーザーにとって、bitFlyer が対応していない場合は不便が生じます。具体的には、日本円を使って SUI を直接購入したり、bitFlyer に送金して保管したりすることができない可能性があります。
また、SUI を保有・運用したい場合には、対応取引所から Trust Wallet や他ウォレットに送る必要があり、送金時のネットワークの確認や手数料、アドレス管理などの手間がかかります。
Trust Wallet と bitFlyer の比較（SUI 運用の観点）
Trust Wallet の長所（SUI において）
Trust Wallet は自己管理型ウォレットであるため、SUI の場合も秘密鍵を自分で管理でき、取引所リスクを回避できます。
スワップ機能が組み込まれており、SUI トークン同士や他チェーン資産との交換が可能なため、利便性が高い。
ステーキングの機能があり、SUI を委任して報酬を得られる仕組みが提供されている。
セキュリティ機能（復元フレーズ、暗号化バックアップ、スキャナーなど）があり、安全性を確保しやすい。
Trust Wallet の短所・リスク（SUI）
ガス代不足やトランザクションの失敗が報告されており、安定した操作には注意が必要。
ステーキング解除が困難なケースや手続きが失敗する例がある。
残高表示が不安定になるバグや UI の不具合を経験したユーザーも存在する。
不明なトークン（詐欺トークン）がウォレットに表示される可能性があるため、トークンの識別に注意が必要。
bitFlyer の長所（一般的な観点）
日本国内の大手取引所であり、ユーザー数・信頼性が高い。
法定通貨（日本円）での入出金・売買がしやすく、初心者にとってアクセスが容易。
セキュリティ対策や規制対応が整っており、安心感が強い。
bitFlyer の短所（SUI 運用という観点では）
現時点で SUI を取り扱っていない可能性が高く、直接の売買・保管ができない。
仮に SUI を他取引所で購入し、bitFlyer へ送る運用をしようとしても、送金ミスや費用、チェーン確認などの手間が増す。
取引所に資産を預ける形式であるため、取引所リスク（ハッキングや経営リスクなど）が避けられない。
運用戦略と考察
SUI を運用する際には、まず自分の目的（ホールド、取引、ステーキングなど）を明確にすることが重要です。
長期保有＋ステーキングを目的とする場合は、Trust Wallet を使って SUI を保管しつつバリデーターに委任するスタイルが有効です。この方法であれば、資産の自己管理性を保ちながらネットワークへの貢献と報酬の獲得が可能です。
一方で、売買やトレードをメインに考えており、流動性や価格機会を活かしたい場合には、SUI を扱っている取引所を選ぶ必要があります。bitFlyer が対応していない現状では、国内外の他の取引所を併用する戦略が現実的です。
資産分散という観点からは、一部を自分のウォレット（Trust Wallet）に保管し、残りを取引所に置いておくというバランスが有効です。こうすることで安全性と流動性を両立できます。
また、SUI の価格には変動リスクがあります。過去の最安値・最高値を踏まえつつ、Sui ブロックチェーンの技術進展、トークン供給状況、ステーキング報酬、プロジェクトの成長を定期的にウォッチすることが望ましいです。
結び
SUI（スイ）は先進的な技術を持つレイヤー1ブロックチェーンのトークンとして、DeFi や NFT といったエコシステムで将来的な成長が期待されます。Trust Wallet を使えば、SUI を自己管理しながら安全に保管・送信・ステーキングが可能です。ただし、トランザクションの安定性やガス費、ステーキング解除の難しさなどには注意が必要です。
一方で、bitFlyer など国内取引所を使って SUI を運用する選択肢は現時点では限られており、代替取引所の利用を検討せざるを得ません。運用目的とリスクをよく考え、自分に合った戦略を構築することが重要です。
