はじめに — PYTHとは
Pyth Network（PYTH）は、高速で信頼性の高いオラクル（価格フィード）ネットワークを提供するプロジェクトです。多くの大手取引所やマーケットメイカー、金融機関がデータ提供者として参加し、リアルタイムの価格情報をブロックチェーンに供給します。
PYTHトークンは、主にガバナンス用途に用いられ、ネットワークの重要なパラメータ（例：オラクル手数料、報酬制度など）をガバナンス投票で決定する際の根幹をなすトークンです。
PYTHの歴史価格：最安値と最高値
PYTHは、その価格変動において大きな波を経験しています。以下、代表的な歴史的価格を整理します。
- 史上最高値（ATH）
CoinGecko のデータによれば、PYTHの全盛期（All-Time High）は 2024年3月16日 に 約 1.20 USD に到達していました。
CoinMarketCap でも同時期に 約 1.15 USD を記録しており、かなり高いピークを迎えていたことがわかります。 - 史上最安値（ATL）
CoinGecko のデータでは、最安は 2025年10月10日 に 約 0.06672 USD という水準が示されています。
一方、CoinMarketCap でも最安値として 0.05635 USD が報じられている日があります。 - その他の価格レンジ
CoinLore の集計によれば、2025年には平均価格が比較的低迷しており、技術的・需給面でのボラティリティが依然として高い状態が続いています。
また、CoinCheckup のチャートでも、過去52週間のレンジが 0.05823 USD ～ 0.5520 USD とかなり幅があることが確認されています。
このように、PYTHはかつて非常に高い価格を記録したものの、現在はそのピークから大きく下落し、歴史的な安値圏に近づいたタイミングもあります。
Trust Wallet による PYTH の保管と送金
Trust Wallet での保管（ウォレットとしての利用）
Trust Wallet は非カストディアル型ウォレットであり、ユーザーが秘密鍵を自分で管理できます。そのため、PYTH を保管する際の安全性やコントロール性の高さが大きな魅力です。
PYTH は Solana（SPL）トークンとして存在する場合が多く、Trust Wallet は Solana チェーンをサポートしているため、PYTH を受け取って保管することが可能です。
ただし、一部ユーザーからは Trust Wallet 上で PYTH を送金しようとすると「Pending（保留）」状態が長時間続くという報告があります。たとえば、Reddit には「Trust Wallet から PYTH（Sol チェーン）を送ると Pending が2日以上続いた」という投稿があります。
このような問題の原因として、Solana ネットワークの混雑や手数料不足などが考えられます。
Trust Wallet からの送金
PYTH を Trust Wallet から他のウォレットや取引所に送る場合は、以下のような流れになります（一般的な操作フロー）：
- Trust Wallet アプリを開き、Solana ネットワークを選択。
- 保有している PYTH（Sol トークン）をタップ。
- 「送信（Send）」を選択し、送金先アドレスを入力または QR コードをスキャン。
- 送金量を入力し、トランザクション手数料を確認（Sol ネットワークのガス代など）。
- 確認して送信を実行。
注意点として、Solana ネットワークの送金手数料（ガス代）が常に一定ではないため、ネットワークの混雑状況などを見ながら送金タイミングを選ぶことが重要です。また、送金先アドレスが正しい Sol チェーンのものかを確認しないと資産を失うリスクがあります。
さらに、PYTH のステーキングを行う場合は、SOL が必要になることもあります。Reddit などでは、ステーキング時に「準備していた SOL がガス代をカバーしきれず失敗した」という報告もあります。
bitFlyer（ビットフライヤー）取引所の紹介と PYTH の扱い
bitFlyer の概要
bitFlyer（ビットフライヤー）は日本を代表する暗号資産取引所の一つで、2014年に設立されました。取引所は日本国内の法令順守（金融庁登録など）を前提に運営されており、多くの利用者に信頼されています。
bitFlyer の主な強みには以下のような点があります：
- 少額からの取引が可能（1円からの購入ができるとの報告あり）。
- 取引所（Lightning）形式では流動性が高く、スプレッドや手数料を抑えた取引が行える。
- 入出金に関して日本円および暗号資産双方で利用可能。日本円出金には一定の制限があるが、利用ガイドが整備されている。
- セキュリティ・信頼性において日本国内で高い評価を得ている。
bitFlyer における PYTH の取り扱い
しかし、現時点（2025年11月）での bitFlyer の公式取り扱い仮想通貨リストを見ると、PYTH（Pyth Network）は上場銘柄には含まれていないようです。
- bitFlyer の「当社が取扱う仮想通貨」リストにおいて、PYTH は記載されていません。
- さらに、bitFlyer が発表している新規通貨リストや IEO 関連資料にも PYTH の名前は確認されていません（例：最新の欧州向けトークン追加発表資料にも PYTH は含まれていない）。
- また、bitFlyer における IEO やトークンの管理ページを確認しても、PYTH の取り扱い開始の公表はされていない状況です。
これらから、現時点で 日本国内の大手取引所である bitFlyer では PYTH を直接売買・保管・上場できない可能性が高いと考えられます。実際、MyForex の解説でも「日本国内の取引所では PYTH の取り扱いはない」とされています。
Trust Wallet と bitFlyer の比較 — PYTH／暗号資産全般における利点・欠点
以下、Trust Wallet（ウォレット）と bitFlyer（取引所）を、PYTH や暗号資産全般の観点から比較し、その長所・短所を整理します。
Trust Wallet の利点（メリット）
- 自己管理型ウォレット
秘密鍵をユーザー自身が管理できるため、セキュリティとコントロール性が高い。 - 複数チェーン対応
Trust Wallet は Solana など複数チェーンをサポート。PYTH のような SPL トークンも管理可能。 - 柔軟な送金
他ウォレットや取引所へ自由に送金が可能。送金時にはアドレスやチェーンを確認して適切に操作できる。 - プライバシー
資産を自分のウォレットに保管することで、取引所に預けるリスクを回避できる。
Trust Wallet の欠点（デメリット）
- ガス代・手数料の負担
送金ごとにネットワーク手数料が発生。特に Solana など混雑時は遅延やコスト増の可能性。 - 操作ミスのリスク
送金アドレスを間違えた場合、資産を失うリスクがある。 - ネットワーク不具合
一部ユーザー報告では、送金が “Pending” 状態のまま進まないケースがある。 - ステーキング時の要件
ステーキングには SOL が必要な場合がある。ガス代を賄うための SOL が足りないと送金やステーキングが失敗する可能性がある。
bitFlyer の利点（メリット）
- 法令順守・信頼性
金融庁登録などを踏まえた信頼できる取引所。日本国内での信頼度が高い。 - 取引の利便性
日本円対応、複数の注文方式（販売所・取引所）、入出金機能が整っており、初心者にも使いやすい。 - 流動性
特に bitFlyer Lightning（取引所形式）は流動性が高く、スプレッドが小さいことが多いため効率的な取引が可能。 - 少額投資対応
1円から仮想通貨を買えるという報告があり、小額から始めたい投資家に適している。
bitFlyer の欠点（デメリット）
- カストディアルリスク
資産を取引所に預ける形になるため、取引所のセキュリティや運営リスクを負う。 - 取扱通貨の制約
PYTH のような特定のアルトコインが上場していない可能性がある。現状、bitFlyer において PYTH の取り扱い実績は確認されていない。 - 手数料構造
販売所ではスプレッドがある場合があり、出金や入金にかかるコストも無視できない。 - 出金制限や時間
入出金に関して、制限時間や出金可能額の条件が設けられている点がある。
PYTH を扱う際の戦略と運用上の注意点
PYTH を保有・運用するにあたっては、以下のポイントを戦略に含めるとよいでしょう。
- 購入・保有目的を明確にする
- ガバナンス目的（長期保有）ならあえて自己管理ウォレットに置く。
- 短期取引や売買を目的とする場合は、取扱のある取引所（PYTH を扱う海外取引所など）を活用。
- 送金時のチェーン確認
- PYTH のトークン仕様（たとえば Solana SPL）を正しく把握し、アドレスのチェーンを誤らないよう確認。
- 送金前には少額をテスト送信し、正しく受け取られることを確認。
- ガス代とタイミング管理
- Solana ネットワークが混雑しているときは送金に時間がかかったり手数料が変動する可能性がある。
- ステーキング用に必要な SOL を事前に確保しておく。
- ウォレットのバックアップ
- Trust Wallet の復元フレーズ（シードフレーズ）を安全に保管する。
- 物理的に分散したバックアップを作成し、秘密鍵を失わないように注意。
- スキャム・偽トークンに注意
- PYTH に関しては過去に偽エアドロップやスキャムが報告されている。
- メールやリンクを介して秘密鍵を入力させようとするものには十分警戒が必要。
- トークン解放（アンロック）スケジュールを確認
- PYTH にはトークンアンロック（トークン解放）のスケジュールがあり、市場への供給増によって価格変動のリスクがある。
- 解放イベント時期を把握し、売買戦略を組み立てる。
結論
- Pyth Network（PYTH）は、高速かつ信頼性を重視したオラクルネットワークとして、DeFi やスマートコントラクトの重要なインフラとなるポテンシャルを持っている。
- 過去には約 1.20 USD という高値を記録したものの、その後大きく下落し、現在はより低価格帯で推移している。
- Trust Wallet を使えば自己管理型で安全に PYTH を保管・送金できるが、ネットワーク混雑やガス代、ステーキングのための SOL 確保など注意点もある。
- 一方、bitFlyer（ビットフライヤー） は日本国内で高い信頼性を持つ取引所だが、現時点では PYTH の取り扱いがない可能性が高いため、PYTH を取引するには他の海外取引所を使う必要がある。
- PYTH の運用では、トークンのアンロックスケジュールや送金チェーンの管理、セキュリティ対策などを戦略として慎重に組み立てることが望ましい。
