はじめに：LPT（Livepeer）とは
LPT は Livepeer（ライブピア） プロジェクトのネイティブトークンです。Livepeer は動画ストリーミングの分散型インフラを構築するためのプロトコルで、オーケストレーター（ノード提供者）とデリゲーター（参加者）が協力して映像のエンコードやトランスコードを行う仕組みを持っています。これにより、従来の中央集権的なストリーミングサービスに比べてコスト効率やスケーラビリティの面で有利になる可能性があります。
LPT トークンは、オーケストレーターがステーキング（委任／担保）するために使われるほか、ガバナンスや報酬のために使用される重要なユーティリティトークンです。
LPT の価格履歴：過去最安値・最高値
LPT の価格変動を過去にさかのぼって見ると、かなりのボラティリティがあることが明らかです。
CoinGecko のデータによれば、LPT の 過去最高値（ATH）は約 99.03 米ドル で、これは 2021年11月9日に記録された値です。
一方、過去最安値（ATL）は約 0.3541 米ドル で、2019年10月26日に記録されています。
CoinMarketCap の情報でも、LPT の流通供給量（Circulating Supply）は約 46.79 百万 LPT とされており、価格変動の歴史と合わせてその資産規模を理解するうえで参考になります。
さらに、OKX の過去データなどを見ても、LPT は日々変動が激しく、現在（2025年時点）でも日単位で数ドルから数セントのレンジで推移することがあることが確認できます。
このように、LPT はかつて非常な高値を記録したが、その後かなり調整されており、投資・保有を考える際には歴史的なピークとボトムの両方をよく理解しておくことが重要です。
Trust Wallet による LPT の保管と送金
Trust Wallet の概要
Trust Wallet はスマートフォン向けの自己管理型ウォレットで、ユーザー自身が秘密鍵（リカバリーフレーズ）を保持します。この形態により、取引所に資産を預けるリスク（取引所のハッキングや破綻など）を回避しつつ、自らの資産をコントロールすることが可能です。
また、Trust Wallet は Ethereum ベースのトークン（ERC‑20）を含む多くのチェーン・トークンに対応しており、LPT（ERC‑20 トークン）を扱うことができます。
LPT の受け取り（保管）
Trust Wallet 内で LPT を受け取るには、アプリを開きウォレット画面から「トークンを追加」を選びます。もし LPT がデフォルトのトークンリストにない場合は、LPT のコントラクトアドレスを指定してカスタムトークンとして追加することが可能です。
トークンを追加した後、「受け取る（Receive）」ボタンをタップすると、あなたの LPT アドレスと QR コードが表示されます。そのアドレスを取引所や他のウォレットに伝えることで、LPT を Trust Wallet へ送金してもらえます。
送金が実行されると、トランザクションが完了した後にウォレットの残高に LPT が反映されます。
LPT の送金（出金）
LPT を送金する際は、Trust Wallet で LPT を選択し、「送信（Send）」をタップします。送り先のアドレスを入力、または QR コードをスキャンし、送りたい数量を指定します。
ERC‑20 トークンであるため、送金には Ethereum ネットワークのガス代（手数料）が必要です。送金前にガス代を確認して最適なレベルを選ぶことが重要です。
内容を確認して送信を確定すると、トランザクションが発行され、ブロックチェーン上で処理が進行します。送金後は Trust Wallet のトランザクション履歴から進捗を確認でき、完了すれば残高が更新されます。
セキュリティ上の注意点
Trust Wallet を利用する際には、以下のようなセキュリティ対策が重要です。
リカバリーフレーズ（シードフレーズ）は非常に重要な情報です。紙などに記録し、オフラインで安全な場所に保管し、決して第三者と共有しないようにしてください。
送金時に送金先アドレスを入力ミスするリスクを減らすために、QR コードのスキャンを利用するのが望ましいです。
不特定多数が利用する公共 Wi‑Fi から送金操作を行うのはリスクが高いため、可能であれば信頼性の高いネットワークや VPN を使用してください。
Trust Wallet アプリは定期的にアップデートし、既知の脆弱性対策を維持するようにしましょう。
bitFlyer（ビットフライヤー）取引所について
基本概要
bitFlyer（ビットフライヤー）は日本国内でも大手の暗号資産取引所で、多くのユーザーに利用されています。日本円での入出金が可能で、暗号資産の売買や保管を行うプラットフォームとして高い信頼性があります。
取引方式としては、ユーザーと bitFlyer が直接取引する「販売所」と、マーケット形式の注文方式を提供しており、利用者の取引スタイルに応じて選択できます。
セキュリティ・ガバナンス体制
bitFlyer は顧客資産の保護を重要視しており、マルチシグネチャ（複数署名）ウォレットやコールドウォレット（オフライン保管）などを活用しています。また、顧客資産と取引所運営資産を分別管理することで透明性と安全性を確保しています。
さらに、本人確認（KYC）を含むコンプライアンス体制を整備し、不正行為やマネーロンダリングの防止に努めています。情報セキュリティに関する基本方針も明文化されており、ユーザー資産と個人情報の保護が優先される構造が整っています。
LPT の取り扱い状況
重要な点として、現時点で bitFlyer に LPT（Livepeer トークン）が上場・取扱われているという公表情報は確認できないようです。bitFlyer の公式取扱通貨リストや上場案内を確認しても、LPT の取り扱いを示す発表は見当たりません。
そのため、LPT を売買・出入金したい場合には bitFlyer ではなく、LPT をサポートする他の取引所を利用することが現実的な選択肢となります。
Trust Wallet と bitFlyer の比較：長所・注意点
Trust Wallet（自己管理型ウォレット）の強みと課題
Trust Wallet の強みは、資産を完全に自己管理できる点にあります。秘密鍵をユーザー自身が保持することで、取引所リスクから資産を切り離して保管できます。多くのトークンやチェーンに対応するため、LPT のような ERC‑20 トークンも一つのアプリで管理できます。
送金・受け取り、スワップ、dApp 利用など、モバイルアプリとしての利便性も高く、日常的な資産管理や Web3 活用に適しています。
しかし自己管理型は責任が大きく、リカバリーフレーズを紛失すると資産を取り戻すのは非常に困難です。加えて、送金時のガス代が発生するため、ネットワーク混雑時には送金コストが高くなり得ます。トラブル発生時にはサポートが限定的な場合もあるため、自分で問題解決する能力が求められます。
bitFlyer（取引所型）の強みと限界
bitFlyer の強みは、日本国内での信頼性と利便性です。日本円による取引が容易で、取引所・販売所の双方を提供しており、ユーザーの取引スタイルに応じた利用が可能です。セキュリティ面でもマルチシグやコールドウォレット、資産分別管理などを導入し、ユーザー資産の保護に注力しています。
ただし、LPT のようなトークンが上場していない場合、取引・保管の選択肢としては使えない可能性があります。加えて、取引所に資産を預けるという性質上、常に取引所リスクを伴います。出金手数料や最低出金額などの制限も考慮する必要があります。
LPT 運用における戦略と注意ポイント
LPT を運用する際には、自分の目的やリスク許容度に応じた戦略を立てることが重要です。
まず、長期保有（ホールド） を目的とする場合には、Trust Wallet に LPT を移して自己管理するのが有効です。これにより取引所リスクを軽減し、Livepeer の技術発展やネットワーク拡大を見据えたホールド運用が可能です。
一方、取引（売買）目的 であれば、LPT を取り扱っている取引所を利用する必要があります。bitFlyer での取り扱いが現時点で確認されていないため、LPT をサポートする他の取引所（例：Binance、OKX、Gate など）をうまく活用することが考えられます。
分散管理 の観点からは、LPT の一部を Trust Wallet に、残りを取引所に預けるというハイブリッド戦略が有効です。こうすることで、取引所リスクと自己管理リスクの両方をバランスよく分散できます。
送金コストも重要な要素です。ERC‑20 トークンである LPT を送金する際には、ガス代を見て最適なタイミングを選ぶことでコストを節約できます。特に大口送金を計画する際は、一度に送る量と手数料のバランスを慎重に検討するべきです。
さらに、Livepeer プロジェクト自体の進展にも注目すべきです。たとえばストリーミングノード数の増加、報酬制度の変更、ガバナンス提案などがあれば、LPT の需要や価値に影響を与え得ます。定期的に情報を追い、自分の運用方針を見直すことが望ましいです。
結論
LPT（Livepeer トークン）は、分散型動画ストリーミングインフラを支える重要なユーティリティトークンです。過去には約 99 米ドルという高値をつけた一方で、最安値は数十セントまで落ちたことがあり、高いボラティリティを特徴としています。
Trust Wallet を利用して LPT を自己管理することで、資産のコントロール性と安全性を高めつつ、自らの運用戦略に応じたホールドが可能です。一方で、bitFlyer のような国内取引所は信頼性や利便性に優れていますが、LPT の取り扱いが確認されていない現状では活用の幅は限られています。
LPT を保有・運用していくには、保有目的、リスク許容度、送金コスト、セキュリティ対策などを総合的に検討し、自分に最適な戦略を構築することが非常に重要です。
