はじめに：Chainlink（LINK）とは
Chainlink（チェーンリンク）は、分散型オラクルネットワークとして設計されたブロックチェーンプロジェクトです。スマートコントラクトが現実世界のデータ（天気、為替、市場データなど）を安全に取得できるようにすることで、ブロックチェーンとオフチェーンの世界をつなぐ役割を果たします。 LINK トークンは、ノードオペレーターに対する報酬として支払われるほか、ネットワークへの参加やステーキングなどにも用いられます。
Chainlink は Ethereum ネットワーク上で ERC‑20（技術的には ERC‑677 相当）として発行されており、さまざまなウォレットや取引所でサポートされています。
Trust Wallet による LINK の管理・送信
Trust Wallet とは
Trust Wallet は非カストディアル型（自己管理型）のウォレットで、秘密鍵やリカバリーフレーズをユーザー自身が保有します。これにより、自分の資産を強くコントロールできます。
Trust Wallet は多くのブロックチェーンとトークンをサポートしており、その中に ERC‑20 トークン形式の LINK も含まれます。
LINK を Trust Wallet に追加／管理する方法
スマートフォンで Trust Wallet アプリを起動し、ウォレット画面で「トークンを追加（Add Tokens）」を選択します。その中から Chainlink（LINK） を検索し、表示された場合は有効化します。
LINK を受け取るには、「受け取る（Receive）」機能でアドレスを表示し、そのアドレスをコピーして送金元（取引所や別ウォレット）に提供します。
Trust Wallet で得られるアドレスは Ethereum アドレス（ERC‑20 互換）であるため、送金元が ERC‑20 LINK に対応していることを確認する必要があります。 bitFlyer も LINK の送付について ERC‑20 ネットワークを使うよう案内しています。
ウォレットのセキュリティを確保するため、リカバリーフレーズ（復元フレーズ）は必ず取得し、安全な場所に保管してください。不適切に管理すると、資産を失うリスクがあります。
LINK の送信方法（Trust Wallet → 他ウォレット／取引所）
Trust Wallet で LINK を送金するには、まずウォレットを開き、LINK を選択します。「送信（Send）」をタップし、送金先のアドレスを入力または QR コードで読み取ります。次に送金額を指定し、送金内容を確認してから送信を実行します。
送信後は、トランザクションが Ethereum ネットワーク上で処理されるまで時間がかかることがありますので、履歴画面や Etherscan などのブロックチェーンエクスプローラーで確認するとよいでしょう。
注意すべき点として、Trust Wallet を通じて不正な操作をされたという報告もあります。あるユーザーは「wallet drainer によって LINK が抜き取られた」と述べており、Trust Wallet のウォレット管理には慎重さが必要です。
LINK（チェーンリンク）の価格歴史：過去最安値と最高値
歴史的な価格レンジ
Chainlink（LINK）の過去価格動向を見ると、市場の初期から現在に至るまで大きな変動がありました。
CoinMarketCap のデータによれば、LINK の 過去最安値（ATL）は 2017年9月23日に 約 $0.1263 で記録されました。
一方、史上最高値（ATH）は 2021年5月10日に $52.88（あるいは約 $52.70）あたりまで上昇しました。
また、CoinMarketCap の日本円換算価格チャートでも、最高値は 約 ¥8,308、最安値は 約 ¥19.84 と報告されています。
価格変動の背景要因
この大きな価格変動の背景には、Chainlink が提供するオラクル機能への需要、DeFi エコシステムでの応用、スマートコントラクトとの統合、ノード報酬システムなどがあります。特に 2021 年の高騰は、DeFi ブームおよび Chainlink のネットワーク拡張への期待が強まった時期と重なっています。
その後の価格調整には、マクロ経済要因、市場全体の調整、未消化の供給ロックアップの解放などが影響していると見られています。例えば、Grayscale Chainlink Trust の資料によれば、大量の LINK が四半期ごとにアンロックされており、市場への供給変化が価格に影響を与えてきた可能性があります。
bitFlyer（ビットフライヤー）取引所における LINK の取り扱い
bitFlyer の LINK 扱い開始と特徴
bitFlyer（ビットフライヤー）は、2021年11月に LINK（チェーンリンク） の取り扱いを発表し、同年12月中には販売所での取引を開始しました。
公式のコラムでも、Chainlink を 「実世界のデータをスマートコントラクトに接続する分散型サービス」として紹介しています。
また、LINK 取扱開始を記念したキャンペーンも実施されており、一定額以上の購入者に抽選で賞金が贈られるなど、プロモーションも行われました。
入金・送金に関する注意点
bitFlyer では、外部から LINK を預け入れる際には ERC-20 ネットワーク を選択する必要があると明記されています。
異なるネットワーク（たとえば BEP‑20 など）を選ぶと、bitFlyer のアカウントに反映されないリスクがあるため、送金前に必ずネットワークを確認することが重要です。
手数料・取引条件
bitFlyer のチャートページでは、LINK の日本円建て価格が表示されており、24時間の最安～最高価格なども確認可能です。
また、販売所形式で扱われるため、スプレッド（買値と売値の差）が発生する場合があります。プロモーションや取扱開始当初は高い注目を集めていたこともあり、新規ユーザーや取引経験の浅いユーザーにとってはコストの理解が重要となります。
Trust Wallet と bitFlyer の比較：LINK 運用の観点から
Trust Wallet のメリット（LINK を扱う場合）
Trust Wallet は自己管理型ウォレットであるため、LINK を保管する際に取引所リスクを回避できます。秘密鍵を自分で管理することで、資産の安全性を高められます。
さらに、Trust Wallet は多数のトークン（ERC‑20 トークンを含む）に対応しており、LINK もその対象です。これにより他の暗号資産と一緒にウォレットでポートフォリオを管理できます。
また、Trust Wallet は簡潔で直感的な UI が特徴で、初心者でも LINK の残高確認や送金を比較的容易に行えます。公式ガイドでも、Trust Wallet 内での LINK 残高確認方法が紹介されています。
Trust Wallet のデメリット・リスク（LINK を扱う場合）
- ウォレットの操作ミスや悪意あるアプリとの接続により LINK が取り出されるリスクがある。実際、Trust Wallet を使っていたユーザーが “wallet drainer” によって LINK を失ったという報告があります。
- LINK は ERC‑20 トークンとして管理されるため、送金時には必ず正しいネットワークを選択しないと資産を失う可能性がある。
- スマートコントラクトやステーキング（もしあれば）との連携には別途知識が必要で、初心者にはやや敷居が高い場合がある。
bitFlyer のメリット（LINK を取引所で扱う場合）
bitFlyer は日本国内で信頼性が高い大手取引所であり、法令遵守の観点でも安心感があります。
LINK を販売所形式で購入できるため、日本円で比較的簡単に LINK を取得可能です。
また、資産を取引所に預けておくことで、売買のタイミングを取りやすく、流動性を活かした運用ができます。さらに、キャンペーンなどで LINK 取扱開始時には優遇があったことから、利用者にとっての参入コストが低かった時期もあります。
bitFlyer のデメリット・リスク（LINK 運用の観点から）
- 販売所形式の取引ではスプレッドがあり、実際の購入コストが高めになる可能性がある。
- LINK を取引所に預ける形になるため、取引所リスク（たとえばセキュリティインシデントや運営リスク）が発生しうる。
- ERC‑20 ネットワークを誤って選択して送金すると、資産が反映されない可能性がある。bitFlyer でもこの点を明確に注意喚起しています。
総合的な考察と運用戦略
LINK（Chainlink）は実世界データとスマートコントラクトをつなぐ重要な役割を果たすプロジェクトであり、そのトークン（LINK）も長期的なユーティリティがあります。そのため、運用方法を慎重に考えることが重要です。
長期保有（ホールド）を目的とする場合、Trust Wallet のような自己管理型ウォレットを使って LINK を保管するのは非常に有効です。秘密鍵を自分で管理できるため、取引所リスクを回避し、安全性を高められます。
一方、頻繁に売買したり、日本円で LINK を購入・売却したりしたい場合は、bitFlyer のような取引所を利用するのが現実的です。ただしコスト（スプレッド）や送金ネットワークには注意が必要です。
また、資産を分散させる戦略も有効です。例えば、一部を Trust Wallet に保管し、取引や売買を目的とする残りを bitFlyer に置くという使い分けを行えば、リスクと利便性のバランスを取れます。
さらに、LINK の価格変動リスクを考慮しながら、将来的なオラクル需要や DeFi への展開、ステーキングやロックアップの状況などを継続的にモニタリングすることが望ましいです。
結び
Chainlink（LINK）は、スマートコントラクトとオフチェーンデータをつなぐ強力な技術インフラを持つ暗号資産であり、そのユーティリティは今後も大きな可能性を秘めています。Trust Wallet を使えば LINK を自己管理しつつ安全に保管・送信できますが、操作ミスやセキュリティリスクには十分な注意が必要です。
bitFlyer は日本国内の信頼性ある取引所として LINK を取り扱っており、日本円での売買をスムーズに行いたいユーザーにとって便利な選択肢となります。ただし販売所形式のスプレッドや送金ネットワークの確認など、コストやリスクにも注意が必要です。
最終的には、自分の運用目的（ホールド・取引・送金など）を明確にし、それに応じて Trust Wallet と bitFlyer を適切に使い分けることが賢明です。
