近年、暗号資産市場はかつてないスピードで拡大を続けていますが、その一方でサイバー攻撃も増加しています。ブロックチェーン技術は高い安全性を提供しますが、ハッカーたちは常に新たな手法で資金を盗み出そうとしています。
このような背景から、信頼できる暗号資産ウォレットを選ぶことは、かつてないほど重要になっています。
Trust Walletは、その中でも安全性と機能性を兼ね備えた代表的なウォレットです。では、Trust Walletはどのように機能し、本当に信頼できる選択肢なのでしょうか。
この記事では、Trust Walletの特徴、メリット・デメリット、セキュリティ、使い方などを徹底的に解説します。
目次
- Trust Walletとは
- Trust Walletの仕組み
- 主な機能と利点
- Trust Walletの欠点
- Trust Walletは安全か
- Trust Walletの使い方
- Trust Walletからの出金方法
- まとめ
1. Trust Walletとは
Trust Walletは、100以上のブロックチェーンと1,000万種類以上のデジタル資産（ビットコイン、イーサリアム、ソラナ、カルダノ、ポリゴン、アバランチなど）をサポートする、非カストディアル型のトップクラス暗号資産ウォレットです。
このウォレットは2017年、ウクライナ出身の開発者ヴィクトル・ラドチェンコ（Viktor Radchenko）によって開発され、2018年にはBinance（バイナンス）によって買収されました。その後、グローバル展開を加速し、現在では全世界で8,000万人以上のユーザーが利用しています。
当初はモバイル専用でしたが、現在ではBrave、Chrome、Opera、Edgeなど主要ブラウザの拡張機能としても利用可能です。
Trust Walletは単なる資産保管ツールにとどまらず、暗号資産のステーキングを通じて利回りを得ることもできます。これにより、ユーザーは資産を安全に管理しながら増やすことが可能です。
2. Trust Walletの仕組み
Trust Walletは、ユーザーが自分の資産を完全に管理・保管・交換できるよう設計されています。非カストディアル方式のため、秘密鍵を保持しているのはユーザー本人のみであり、第三者がアクセスすることはできません。
さらに、Trust WalletにはWeb3ブラウザが統合されており、複数のブロックチェーン上のDApp（分散型アプリケーション）に直接アクセスできます。
UniswapやPancakeSwapなどのDeFiプラットフォーム、または最新のブロックチェーンゲームなど、さまざまなWeb3サービスを一つのアプリでシームレスに体験できます。
例えば、イールドファーミングや流動性プールへの参加など、複雑な操作もアプリ内で数回タップするだけで完了します。複数のアプリを切り替える手間がなく、直感的に利用できる設計です。
3. 主な特徴と利点
Trust Walletが人気を集める理由は、その豊富な機能と高い利便性にあります。
非カストディアルウォレット
ユーザーが自分の秘密鍵を完全に管理できる仕組みを採用。これにより、資産の安全性を自ら確保することが可能です。
SWIFT機能による高度な資産管理
Trust Walletには「SWIFT」と呼ばれるスマートコントラクトウォレット機能があります。これにより、200種類以上のトークンを安全かつ柔軟に取引でき、ワンタップでの送金や生体認証による保護も利用可能です。
対応チェーンにはArbitrum、BSC、Base、Optimism、Avalancheなどが含まれます。
ステーキングによる利回り獲得
Trust Walletでは、複数の暗号資産をステーキングして年利報酬を得ることができます。
たとえば、ETHをステーキングすると年率約6.0%、XTZで3.19%、ADAで2.0%、ATOMで6.12%の報酬を受け取ることが可能です。
無料で利用可能
Trust Walletのダウンロードや使用に費用はかかりません。支払うのはネットワーク手数料（ガス代）のみです。
強固なセキュリティ
PINコード、生体認証、12語のリカバリーフレーズなど、複数の保護層が備わっています。さらに、オープンソースのコードによって外部監査も可能であり、透明性と信頼性を確保しています。
4. Trust Walletのデメリット
どんな優れたツールにも課題は存在します。Trust Walletの主なデメリットは以下の通りです。
- デスクトップ機能が限定的：モバイル版と比べると、ブラウザ拡張機能版では一部機能が制限されています。
- サポート体制の不足：専用のカスタマーサポートチームが存在しないため、問題解決にはフォーラムやコミュニティを利用する必要があります。
- 詐欺・偽ウォレットの存在：Trust Walletを装った偽アプリやフィッシング詐欺には注意が必要です。公式サイト以外からのダウンロードは避けましょう。
- 二段階認証(2FA)が非対応：セキュリティ面で追加強化を希望するユーザーにとってはやや不便です。
5. Trust Walletは安全か
Trust Walletは、ユーザーが完全に秘密鍵を管理する非中央集権型ウォレットです。
この設計は安全性を高める一方で、バックアップや管理を怠ると資産を永久に失うリスクも伴います。
初期設定時に生成される12〜24語のリカバリーフレーズは、唯一の復元手段です。これを他人と共有したり、オンラインに保存したりすることは絶対に避けるべきです。
万一デバイスを紛失しても、このフレーズがあればウォレットを復元できます。Trust Walletは暗号化技術により、同一のリカバリーフレーズが生成されることはありません。
6. Trust Walletの使い方
受け取り
アプリを開き、「受け取る」をタップします。QRコードとウォレットアドレスが表示されるので、送金者に共有することで暗号資産を受け取ることができます。
また、「資産」タブから「カスタムトークンを追加」を選び、トークンのコントラクトアドレスを入力して任意の通貨を追加できます。
送金
「送信」をタップし、送金先のアドレスまたはQRコードを入力します。送金する通貨と金額を指定し、内容を確認して送信を完了します。
交換
「DApp」セクションに移動し、UniswapやPancakeSwapなどの分散型取引所（DEX）を選択します。「ウォレットを接続」をクリックして連携し、希望するトークンペアを選んでスワップを実行します。
7. Trust Walletからの出金方法
Trust Wallet自体は法定通貨（円・ドルなど）への直接出金には対応していません。
そのため、バイナンスやCoinbaseなど、法定通貨出金に対応した取引所を併用する必要があります。
出金手順は以下の通りです。
- Trust Walletから取引所へ資産を送金
- 取引所で暗号資産を売却し、法定通貨に換金
- 銀行口座を登録し、法定通貨を出金
これにより、Trust Walletで保管している暗号資産を現金化することが可能です。
8. まとめ
Trust Walletは、暗号資産の保管・管理・ステーキング・DAppアクセスなどを一つのアプリで完結できる、非常に優れた非カストディアルウォレットです。
高い安全性、直感的な操作性、豊富な資産対応力を備え、今後もWeb3時代の主要ツールとして存在感を高めていくでしょう。
ただし、デスクトップ機能の制限やサポート体制の弱さといった課題もあります。利用前にはこれらの点を十分に理解し、自分の運用スタイルに合った形で利用することが重要です。
Trust Walletは、適切に管理・活用すれば、暗号資産を安全かつ効率的に運用できる信頼性の高い選択肢といえます。
