HYPE（Hyperliquid）とは
HYPE は、分散型取引所（DEX） Hyperliquid（ハイパーリキッド） のネイティブトークンです。Hyperliquid は独自のレイヤー1 ブロックチェーンを持ち、高速かつ低コストで永久先物（満期のない先物）を取引できるプラットフォームを提供しています。
Hyperliquid のコンセンサスアルゴリズムとして HyperBFT を採用しており、高速なブロック生成とトランザクション処理を実現しています。
HYPE は、取引手数料の支払い、ネットワークのステーキング、ガバナンス要素などに使用されます。
総発行量は 10 億 HYPE とされており、2024年11月には主要なユーティリティトークンとして、アーリーアダプターへ大規模なエアドロップが実施されました。
HYPE の価格履歴（過去最低・最高）
HYPE は比較的新しいトークンであり、歴史が浅いため、極端に古い「最低価格」が公表されている情報は限定的です。しかし、重要なポイントを挙げると：
- エアドロップ時の初期取引価格には報告があり、「1トークンあたり約 3.57 米ドル」という水準が初期値として言及されていることがあります。
- HYPE はステーキングとネットワーク利用が進む中で価格が上昇し、2025年9月には 約 59.29 ドル の史上最高値を記録したとの報道があります。
- 一方で、価格変動が激しく、最近の報道ではネットワークアップデート（HyperEVM）の開始などによって “価格下落リスク” や供給過多に対する懸念も指摘されています。
また、将来を予想する記事などでは、価格の予測モデルとして「2025年の最安予想が約 34.53 米ドル、最高で約 84.28 米ドル」といった見通しが提示されるケースもあります。
Trust Wallet による HYPE の保管と送金
Trust Wallet（トラストウォレット）は、スマホ向けの非カストディアルウォレットで、ユーザー自身が秘密鍵（復元フレーズ）を管理するタイプのウォレットです。
HYPE を Trust Wallet に追加・保管する方法
- カスタムトークンとして追加
HYPE がウォレットのデフォルト表示にない場合、Trust Wallet ではカスタムトークンとして手動で追加できます。公式ガイドに従い、ネットワーク（たとえば Ethereum や Hyperliquid に対応するチェーン）、コントラクトアドレス、トークン名、シンボル、少数桁 (decimals) を入力して “Import” します。
- 安全性の確保
カスタムトークンを追加する際は、正確なトークンの契約アドレスを公式ソースや信頼できるブロックチェーンエクスプローラーで確認する必要があります。不正なトークンを追加すると詐欺や資産紛失のリスクがあります。
- ステーキング
HYPE トークンはステーキングに対応しており、Trust Wallet に保管したままステーク（委任）して報酬を得ることができます。ステーキングを通じてネットワークのセキュリティやコンセンサスに貢献できます。
HYPE の送金方法
- 送金先アドレスを準備
送金する際は、受取側のウォレットのアドレスを正確に入力します。特にカスタムトークンではアドレスを間違えると資産を失う可能性があるため注意が必要です。 - ネットワークと手数料を確認
送金時には適切なネットワーク（たとえば HYPE が存在するチェーン）を選び、ネットワーク手数料（ガス代）を確認します。手数料はネットワークの混雑状況などで変わる可能性があるため、都度チェックが推奨されます。 - 送信・確認
送金内容（アドレス、額、手数料など）を最終確認し、送信します。トランザクションがブロックチェーンに適切に反映されると、受取側に HYPE が届きます。
Coincheck（コインチェック）取引所と HYPE の関係
Coincheck（コインチェック）とは
Coincheck は日本国内の仮想通貨取引所で、マネックスグループの傘下にあり、金融庁登録済みの信頼性を持つサービスです。
日本円での入金・出金が容易で、初心者でも使いやすいスマホアプリやウェブ画面を提供しています。
取り扱い通貨数も多く、2025年5月時点で 35種類 の銘柄があるとの情報があります。
HYPE と Coincheck
調査によれば、現時点（最新情報）では Coincheck において HYPE トークンの取り扱いはない と考えられています。
つまり、Coincheck では直接 HYPE の売買を行うことはできず、HYPE を取得したい場合には海外取引所や Hyperliquid のようなプラットフォームを利用する必要があります。
国内で仮想通貨を始める際、まず Coincheck などで BTC や ETH を購入し、それらを海外に送って HYPE を購入するという流れが一般的に紹介されています。
Trust Wallet と Coincheck の比較（HYPE 保有・運用の観点から）
Trust Wallet の強み
- 完全自己管理型：秘密鍵をユーザー自身が管理するため、資産コントロールが完全。
- 柔軟性：カスタムトークン (HYPE など) を追加でき、さまざまなネットワークに対応可能。
- ステーキング対応：HYPE をステーキングすることで報酬を得ながら、ネットワークに貢献できる。
- 送金の自由度：ネットワークと手数料を選んでトークンを送信可能。
Trust Wallet の弱み・リスク
- 秘密鍵リスク：シードフレーズをなくしたり漏れたりすると資産を失う可能性がある。
- カスタムトークンのリスク：正しくないコントラクトアドレスを追加すると誤ったトークンを管理するリスクあり。
- サポート制限：ウォレットトラブルがあっても、取引所のようなカスタマーサポートは限定的。
Coincheck の強み（取引所型）
- 国内円対応：日本円での入金・出金が容易で、国内ユーザーにとって便利。
- 信頼性：金融庁登録を受けた取引所として安全性が高い。
- 初心者向け：アプリが直感的で操作しやすく、暗号資産取引を始めやすい。
- 流動性：多くのユーザーが取引所を使うため、板取引が活発。
Coincheck の欠点（HYPE に関して特に）
- 取り扱いなし：HYPE は Coincheck で取り扱われていないため、Coincheck 上だけでは HYPE の売買ができない。
- カストディアル型リスク：資産を取引所に預ける構造なので、取引所のリスク（ハッキングなど）にさらされる可能性がある。
- 柔軟性の制限：ステーキングや DeFi 活用など、高度な運用は Coincheck 単体では実現できない。
総合評価および利用シナリオ
- HYPE を長期保有・ステークしたい場合：Trust Wallet が非常に適しています。自己管理型ウォレットであるため、資産を自由に操作でき、ステーキングによって報酬を得られます。
- 国内で仮想通貨を始めたい・元手を準備したい場合：Coincheck を使ってまず BTC や ETH を購入し、それを海外に送って HYPE を取得するという流れが現実的です。
- ハイブリッド戦略：Coincheck による日本円→仮想通貨のゲートウェイとしての利用と、Trust Wallet による HYPE の保管・運用を組み合わせることで、利便性と資産コントロールを両立させられます。
注意点・リスク
- ロックアップとアンロックのスケジュール
HYPE トークンには権利確定のスケジュールがあり、将来的に大量のトークンが市場に流出する可能性が指摘されています。特に大規模なアンロックは売り圧力を生むリスクがあります。
- ステーキング解除
ステーキングを行っている場合、解除（アンステーク）には手続きと時間がかかることがあるため、流動性の確保を事前に考える必要があります。 - プロジェクトリスク
Hyperliquid の技術ロードマップ（例えば HyperEVM の導入など）が計画どおり進まなかったり、競合他プロトコルとの競争が激化した場合には、価格にネガティブな影響が出る可能性があります。 - ウォレット管理リスク
Trust Wallet など自己管理型ウォレットを使う際には、復元フレーズ（シードフレーズ）を安全に保管し、第三者に漏らさないように徹底する必要があります。
結論
HYPE（Hyperliquid）は、オンチェーン永続先物取引の世界を支える非常に先進的なトークンであり、その保有・運用には魅力が多くあります。一方で、供給ロック・アンロックや市場リスクといった側面も無視できません。
Trust Wallet を使えば、HYPE を自己管理で保管し、ステーキングを通じてネットワークに貢献しながら報酬を得ることができます。国内の取引所としては Coincheck が非常に使いやすいものの、現時点では HYPE の取り扱いがないため、HYPE を運用するには海外プラットフォームとの組み合わせ運用が現実的です。
投資や運用を始める際には、ご自身のリスク許容度と目的（長期保有／ステーキング／トレード）を明確にし、それに応じたウォレット選びや資産配分を検討することをお勧めします。
