HBAR（ヘデラ／Hedera Hashgraph）とは
HBAR は Hedera（ヘデラ）ネットワークのネイティブトークンです。Hedera は従来のブロックチェーンとは異なる ハッシュグラフ（Hashgraph） という分散型台帳技術を採用しています。ハッシュグラフは高スループットと低遅延を特色とし、多数のトランザクションを迅速に処理できる性能を持っています。
Hedera のガバナンスには Google や IBM などの大手企業が参加しており、信頼性の高い運営構造が注目を集めています。
HBAR の役割には、ネットワーク手数料の支払いやステーキング（報酬獲得）への参加、さらにはガバナンスへの貢献などがあります。
また、発行上限は 500 億枚とされており、供給量が固定されている点も特徴です。
HBAR の価格履歴（過去最低・最高）
HBAR の価格はこれまで大きく変動してきました。歴史的な価格を振り返ることで、投資・保有のリスクや魅力を理解できます。
- 過去最低（All-Time Low）：CoinLore のデータによれば、HBAR は 約 0.0369 米ドル を記録した時期がありました。
- 過去最高（All-Time High）：同じく CoinLore によると、約 0.5246 米ドル を 2021 年 9 月頃に記録しています。
- 最近の価格水準（たとえば KuCoin のデータ）では、1 HBAR あたり 0.21 米ドル前後で推移しているとの情報があります。
この変動範囲を見ると、HBAR はリスクとポテンシャルの両方が存在する資産であると言えます。
Coincheck（コインチェック）における HBAR の取り扱い状況
Coincheck（コインチェック）は日本を代表する暗号資産取引所の一つですが、現時点（2025年）で Coincheck の取り扱い銘柄一覧には HBAR は含まれていない ようです。Coincheck の公式ページによれば、取扱通貨は 35 種類があるとされていますが、その中に HBAR の名前は見当たりません。
つまり、Coincheck 上で HBAR を購入・売却・出金・入金を直接行う手段は提供されていない可能性が高いです。
Coincheck は初心者に非常に使いやすい UI や日本円入出金の利便性、さらには貸暗号資産サービスなどを備えています。 しかし、HBAR の運用対象としては現状では制限があると考えられます。
Trust Wallet（トラストウォレット）における HBAR の問題と代替手段
Trust Wallet の対応状況
- 複数の Reddit などのコミュニティ報告によると、Trust Wallet は HBAR をサポートしていない との指摘があります。
- 具体的には、Trust Wallet の資産リストに HBAR がなく、追加も難しいというコメントが多く見られます。
- また、「Trust Wallet で HBAR を扱いたいが無理」「HBAR は HashPack など専用ウォレットを使ったほうがよい」というアドバイスも複数のユーザーから出ています。
これらを踏まえると、Trust Wallet を使って HBAR を「安全かつ確実に保管／送金」する運用は現実的ではありません。
代替ウォレット
HBAR を保管・運用したい場合、以下のようなウォレットを検討する方が適切です。
- HashPack：Hedera ネットワークに特化したウォレットで、HBAR の受け取り・送信やステーキングがしやすい。
- MyHbarWallet：Web ベースで HBAR の管理が可能。秘密鍵やウォレットアドレスを自分で管理できる。
- Ledger（ハードウェアウォレット）：Ledger に対応アプリを導入し、オフラインでセキュアに HBAR を保管する。
これらのウォレットは Trust Wallet よりも HBAR との互換性が高く、実運用での安全性や利便性が優れると考えられます。
Trust Wallet と Coincheck の比較（HBAR 運用の観点から）
Trust Wallet の長所と短所（※ただし HBAR 非対応）
- 長所：一般的な扱い通貨では自己管理型ウォレットとして非常に優秀。秘密鍵の管理を自分ででき、取引所リスクを抑えられる。
- 短所：HBAR に関しては非対応であるため、保管や送金が事実上不可能。サポート外資産を扱おうとすると資産を失うリスクがある。
Coincheck の長所と短所（HBAR を含めた運用での観点）
- 長所：日本円との取引がしやすく、アプリの使いやすさが初心者に優しい。取り扱い通貨数が多い。貸暗号資産サービスなど運用の選択肢もある。
- 短所：現時点で HBAR を取り扱っていないため、HBAR の売買や保管には向かない。取引所に預ける形になるため、ハッキングなどのリスクもある。
運用シナリオと戦略
HBAR に投資・保有を考えている場合、以下のような運用戦略が考えられます。
まず、HBAR を取得したいなら HBAR を扱っている取引所（例えば海外取引所や国内でも HBAR 扱いがあるところ）で購入する必要があります。その後、安全に保管したい場合は HashPack や MyHbarWallet、Ledger などに移すのが望ましいです。
もし日本円での売買や資金の入出金も重視するなら、Coincheck などの取引所と併用する戦略も有効です。ただし Coincheck が HBAR を直接扱っていないため、まず別取引所で購入 → そこからウォレットへ送金、という流れになります。
長期保有（HODL）を目的とするなら、専用ウォレットで保管しつつ、ステーキングなどネットワーク参加型の運用も検討できます。反対に短期トレードを目的とするなら、取引所を活用して流動性を確保する方法が現実的です。
注意点とリスク
- ウォレット非対応リスク：Trust Wallet が HBAR をサポートしていないため、不適切なウォレットを使うと資産が届かなかったり失われたりする危険があります。
- 取引所リスク：取引所に HBAR を置いておく場合、ハッキング・運営リスクがある。資産を分散させる戦略が重要。
- 送金ミス：Hedera ネットワークのウォレットアドレスは正確に入力する必要がある。誤送金は重大なリスクとなる。
- 将来価格変動：HBAR は過去に大きな価格変動を経験しており、将来も変動リスクが高い。長期投資には慎重な計画が求められる。
結論
- Trust Wallet：現時点では HBAR をサポートしていないという報告が多数あり、HBAR の保管・送金には不適格。
- Coincheck：日本国内で使いやすい取引所だが、HBAR の取り扱いはないため直接運用には使えない。
- 適切な運用：HBAR を扱いたい場合は、Hedera 対応ウォレット（HashPack や MyHbarWallet など）やステーキング可能な専用ウォレットを使うのが推奨される。取引所を使うなら HBAR を扱っている別の取引所で購入し、必要に応じてウォレットに移す。
