Ethereum（ETH）とは
Ethereum（イーサリアム、通貨シンボル：ETH）は、スマートコントラクトを実行できる分散型ブロックチェーンプラットフォームのネイティブ通貨です。Vitalik Buterin（ヴィタリック・ブテリン）らが提案したこの仕組みは、アプリケーション（DApps）、分散型金融（DeFi）、NFT など多様な用途を支える基盤として成長してきました。ETH はガス代（トランザクション手数料）やステーキングのために使われるほか、資産としても幅広く保有されます。
ETH の価格履歴：過去最低と最高
ETH の価格はその歴史の中で大きく変動してきました。過去の重要なポイントを振り返ると、投資や長期保有の判断材料として非常に参考になります。
ETH の 過去最低価格（All-Time Low） は、2015年10月ごろに記録された 約 0.4457 米ドル とされています。
一方、過去最高価格（All-Time High） は最近に更新されており、2025年8月頃には 約 4,955 米ドル に達したとのデータがあります。
この大きな価格変動を見ると、ETH は初期から非常に高い成長ポテンシャルを示しながらも、ボラティリティ（価格変動リスク）が大きい資産であることが分かります。
Trust Wallet を使った ETH の保管と送金
Trust Wallet とは
Trust Wallet（トラストウォレット）は、スマートフォン向けの自己管理型ウォレットです。ユーザー自身が秘密鍵（復元フレーズ）を管理し、資産のコントロールを自分で行える点が大きな特徴です。ETH を含む多くの暗号資産に対応しており、直感的な UI で初心者にも使いやすい設計です。
ETH の保管（受け取り）
- ウォレット作成
Trust Wallet をスマホにインストールし、新規ウォレットを作成するときに復元フレーズ（シードフレーズ）が表示されます。これを紙に書いて安全な場所に保管することが不可欠です。 - ETH アドレスの確認
アプリ内で ETH を選択し、「受け取る（Receive）」をタップすると、自分の Ethereum アドレス（ERC-20 チェーン）が表示されます。このアドレスを使って他の取引所やウォレットから ETH を送ってもらうことができます。 - ネットワークの確認
送金時には正しいネットワーク（通常は Ethereum メインネット）を選ぶ必要があります。誤ったネットワークに送金すると資産が失われる可能性があるため、送金前にアドレスとネットワークを慎重に確認してください。
ETH の送金（出金）
- 送金画面で入力
Trust Wallet の ETH ウォレットで「送信（Send）」をタップし、相手のアドレスと送金額を入力します。 - ガス代（手数料）の設定
Ethereum ネットワークを使ったトランザクションでは、「ガス代（Gas）」が必要です。ガス代はネットワークの混雑状況によって変動するため、送金前に適切な設定を確認してください。 - 送金の確認
送金先アドレス、送金額、ガス代を最終チェックし、問題がなければ送信を実行します。トランザクションが成功すると、ブロックチェーンに記録され、相手に ETH が届きます。
セキュリティ管理
自己管理型ウォレットのため、秘密鍵（復元フレーズ）の管理が最も重要です。スマホ自体にもロックをかけ、OS やアプリを最新に保つなどセキュリティ対策を徹底するべきです。また、不正アクセスのリスクを下げるため、フィッシングや怪しいリンクには注意が必要です。過去には Trust Wallet がハッキング被害に遭ったとの報告もあり、注意が求められます。
Coincheck（コインチェック）での ETH 取り扱い
Coincheck とは
Coincheck（コインチェック）は日本国内で広く使われている暗号資産取引所です。日本円での入出金が容易で、スマホアプリやウェブサイトから簡単に ETH を購入・管理できます。取り扱い通貨数も豊富で、ETH をはじめとした主要暗号資産をサポートしています。
Coincheck での ETH の購入・取引
Coincheck では ETH を「販売所（コインチェックとの直接売買）」で購入することができます。
また、Coincheck が提供する取引所サービス（板取引）でも ETH が取り扱われており、より市場価格に近い取引が可能です。
入金方法は日本円の銀行振込などが使え、ETH の注文や売買がアプリ上で直感的に行えます。
Coincheck による ETH の保管と送金
Coincheck 上に ETH を保有している場合、ウォレットとして資産を管理できます。ただし、取引所に資産を預けている状態であり、ハッキングや取引所リスクは存在します。
ETH を別のウォレット（例：Trust Wallet）に送金する場合には、Coincheck の出金機能を使います。送金時には出金手数料やガス代が発生する可能性があるため注意が必要です。
また、Coincheck では ETH を一定量預けるだけで報酬を得られる ステーキングサービス を提供しています。2025年1月には ETH を対象としたステーキングが開始されました。
Trust Wallet と Coincheck の比較：ETH 運用の観点から
Trust Wallet の強み
Trust Wallet は自己管理型ウォレットであり、秘密鍵を自分で持つことで資産への完全なコントロールが可能です。取引所における集中リスクを避けられる点は大きなメリットです。
ETH の送金・受け取りも柔軟で、ガス代を自分で調整したり、ネットワーク選択が可能な点も利便性があります。さらに、Trust Wallet で ETH をスワップしたり、DeFi アプリと連携して運用することも可能です。
ただし、自己管理型のウォレットはセキュリティ責任が高く、復元フレーズの管理を怠ると資産を取り戻せなくなるリスクがあります。また、送金時にガス代を適切に設定しないと高額となる可能性があります。
Coincheck の強み
Coincheck は日本円との入出金が容易なため、暗号資産初心者にとって非常に使いやすい取引所です。ETH の売買や入金・出金が簡単にでき、アプリも直感的な操作性があります。
ステーキング機能を備えており、ETH を預けるだけで報酬を受け取ることができる点も魅力です。取引所で保有することで流動性を確保しつつ、運用の選択肢を広げられる運用スタイルが可能です。
一方で、取引所に資産を預ける形になるため、ハッキングや取引所の運営リスクがあります。加えて、出金時や送金時に手数料が発生することがあるため、コスト面で注意が必要です。
運用シナリオ例
ETH をどのように保有・運用すべきかは、目的によって異なります。
長期保有を目的とする場合、Trust Wallet を使って自分でウォレットを管理し、ETH を安全に保管するのが有利です。自分でコントロールできる資産管理は、取引所リスクを避けたいホルダーに最適です。
短期トレードや円への出金用途が中心であれば、Coincheck を使って ETH を売買・保有するのが便利です。日本円との変換が容易で、すぐに取引所に出し入れできるメリットがあります。
また、ハイブリッド運用も有効です。ETH の一部を Coincheck に置き、売買や円転用途に使いながら、残りを Trust Wallet に移して長期保有や DeFi 運用に回す戦略が取れるとバランスが良いでしょう。
注意すべきリスク
ETH 運用にはいくつかのリスクがあります。まず、価格変動リスク。ETH は歴史的に大きな価格上昇を見せてきましたが、それと同時に変動幅も非常に大きいため、投資額や保有期間を慎重に考える必要があります。
ガス代リスクも無視できません。特にトランザクションを急ぐ場合やネットワークが混んでいる場合、ガス代が非常に高くなることがあります。
自己管理ウォレット（Trust Wallet）を使う場合、復元フレーズの管理ミスやスマホのセキュリティ不備が重大な損失につながる可能性があります。アプリの更新やバックアップ、パスワード管理を徹底するべきです。
取引所（Coincheck）に ETH を預ける場合は、取引所の信用リスクを常に考慮すべきです。万が一の際に資産を分散管理しておくなどの対策が望ましいです。
結論
Ethereum（ETH）はスマートコントラクトを支える中核的な暗号資産であり、長期保有・運用の対象として非常に魅力があります。Trust Wallet を利用すれば、自分自身で秘密鍵を管理し、資産のコントロール性を最大化できます。一方で、Coincheck を活用すれば日本円との売買、ステーキングなどを通じて利便性の高い運用が可能です。
どちらを選ぶかは、あなたの目的（長期保有／トレード／円転）やリスク許容度によって変わりますが、両者を併用するハイブリッド戦略も非常に有効です。ETH を運用する際は、価格変動、手数料、セキュリティリスクを十分に把握し、安全かつ効果的な資産運用を心がけてください。
