はじめに：Convex Finance（CVX）とは
Convex Finance（コンベックス・ファイナンス）は、Curve Finance 上の流動性プロバイダー（LP）に対して、より効率的な利回りを提供する DeFi（分散型金融）プロトコルです。Curve で LP となっているユーザーは、通常 CRV（Curve のガバナンストークン）をステーキングしたり報酬を得たりしますが、Convex を経由することで、ステーキング・ロックなどを自分で複雑に操作する必要がなくなり、効率よく報酬を得ることができます。さらに、Convex は独自トークンである CVX を発行し、これをステーキングしたりロックしたりすることで、追加の報酬やガバナンス投票権を得られる仕組みがあります。
CVX はイーサリアム（Ethereum）上の ERC-20 トークンとして発行されており、DeFi エコシステムの中で重要な役割を果たしています。特に、Curve 上で流動性を提供する LP に対する報酬インセンティブの設計において、Convex は多くのユーザーから支持を得ています。
CVX の価格変動履歴（過去最安値と最高値）
CVX の価格はこれまで非常に変動が激しく、DeFi ブームや市場サイクルの影響を強く受けてきました。
- CoinMarketCapによれば、CVX の 最高値（ATH） は 2022年1月1日頃の約 62.69 USD です。
- 一方、最安値（ATL）については、CoinCodex のデータで 2025年10月10日前後に約 1.06 USD が記録されています。
- 他ソースでも同様に、CoinCheckup は ATL を 1.06 USD、ATH を 60.32 USD と報告しています。
- 信頼性のある相場情報を日本円で見ると、CoinMarketCap によれば過去最高値は 約 9,617円（USD 換算ベース）で、過去最安値は 約 113.56円 程度とされています。
このようなレンジで見ても、CVX はかつて非常に高い価格をつけていたものの、その後大幅に下落し、現在はかなり低い水準で推移していることが分かります。
Trust Wallet による CVX の保管（ストレージ）および送信方法
Trust Wallet はモバイル向けの非カストディアルウォレットであり、ERC-20 トークンを幅広くサポートしているため、CVX の管理にも非常に適しています。
- Trust Wallet の準備とトークン追加
- Trust Wallet をスマートフォンにインストールし、新しいウォレットを作成します。シードフレーズ（復元フレーズ）は必ずオフラインで安全に保管してください。
- Trust Wallet の設定画面に移動し、「トークンを追加」または「カスタムトークンを追加」を選びます。
- ネットワークを Ethereum（ERC-20）に設定し、CVX のコントラクトアドレスを入力することでトークンを追加します。コントラクトアドレスは公式や信頼できる情報源から正確に取得する必要があります。
- CVX の受け取り（入金）
- トークンを追加したら、Trust Wallet の CVX ページで「受け取る（Receive）」をタップします。
- 表示されたアドレスをコピーし、取引所や他のウォレットから CVX を送金します。ネットワークが Ethereum であることを必ず確認してください。
- CVX の送信（出金）
- Trust Wallet で CVX を選択し、「送る（Send）」をタップします。
- 宛先アドレス（送金先）、送金額、ガス代を正しく入力します。ERC-20 トークンの送金にはガス代（イーサリアムのガス料金）がかかります。
- 送金前には少額でテスト送金するのが安全です。必要な手数料を確保し、トランザクション内容を慎重に確認してから確定してください。
- セキュリティ対策
- シードフレーズを紙に書いて安全な場所に保管する（スマホや PC に保存するのはリスクがあります）。
- Trust Wallet に PIN や生体認証（指紋・顔認証など）を設定して不正アクセスを防ぎます。
- 大きな額を扱う際は、まず小額を送って正しく届くかを確認する習慣を持つと安心です。
bitFlyer（ビットフライヤー）取引所の紹介
次に、日本国内で広く利用されている仮想通貨取引所 bitFlyer（ビットフライヤー） について解説します。
- bitFlyer は東京都に本社を置く暗号資産交換業者で、2014年に設立されました。
- 同社は「販売所」「簡易取引所」「bitFlyer Lightning（プロ向け取引所）」といった取引形態を提供し、初心者から上級者まで対応可能です。
- 日本円の入出金ができる点、日本国内の法制度に準拠して運営されている点も大きな強みです。
- しかし、bitFlyer の 取り扱い通貨一覧 を公式サイトで見る限り、CVX（Convex Finance）はリストに含まれていません。
- つまり、日本国内の bitFlyer を使って CVX を購入・売却・入出金することは、現時点では難しい可能性が高いです。
Trust Wallet と bitFlyer の優長所・短所比較（CVX の観点も含む）
Trust Wallet のメリット・デメリット
メリット
- ユーザーが秘密鍵（シードフレーズ）を管理する非カストディアル型ウォレットであり、資産を自分でコントロールできる。
- ERC-20 トークンを含む多くのトークンをサポートしており、CVX のような DeFi トークンも保管可能。
- モバイルで使いやすく、送受金が簡単。
- PIN、生体認証、復元フレーズによるセキュリティ対策が可能。
デメリット
- トランザクションごとにガス代がかかる（特に ERC-20 トークンではガスコストが無視できない）。
- シードフレーズを失うとウォレットを復元できず、資産を取り戻せないリスクがある。
- 送金ミス（アドレス間違い、ネットワーク間違いなど）に注意が必要。
- Trust Wallet はあくまでウォレットであり、取引所機能は限定的。スワップや DEX を使わないと売買ができないケースがある。
bitFlyer のメリット・デメリット
メリット
- 日本国内の大手取引所であり、信頼性や規制対応がしっかりしている。
- 日本円（法定通貨）での入出金が簡単（銀行振込など）。
- 初心者にも扱いやすい販売所形式があり、小額からでも購入可能。
- bitFlyer Lightning など、高機能なプロ取引も可能。
デメリット
- 取り扱い銘柄に制限があり、CVX のような一部のアルトコインは取り扱われていない。
- 販売所形式ではスプレッド（売買価格差）が大きくなる可能性がある。
- 出金や取引時の手数料がかかる。
- 取引所に資産を預ける形になるため、理論上流出リスクは存在する。
総括と提案：CVX を扱う上での実際的な戦略
- CVX を保有・長期ステーク目的で使うなら、Trust Wallet をメインの保管先として非常に有力です。非カストディアルウォレットで安全に管理でき、必要なときには自分で送金を制御できます。
- 一方、bitFlyer では CVX の取扱がないため、日本国内で CVX を直接取引したり出入金したりするのは現時点では難しいです。そのため、CVX の購入・売却には 海外取引所（CEX）や分散型取引所（DEX） を活用する必要がある可能性が高いです。
- もし CVX の運用・ステーキングに関心があるなら、Convex の公式サイトや信頼できる DeFi ドキュメントを参照し、ロック／ステーク戦略を検討したほうがよいでしょう。
- 大きな資産を扱う場合は、Trust Wallet に送金する前に小額を使ったテスト送金を行い、正しいアドレスとガス費が設定されているかを確認する習慣をつけると安全性が高まります。
