はじめに
暗号資産（仮想通貨）のエコシステムは日々進化しており、スマートコントラクトプラットフォームやレイヤー 1 ブロックチェーンのトークンが注目を集めています。その中でも CORE（CORE DAO） は、性能とスケーラビリティを志向した EVM 互換レイヤー 1 ブロックチェーンとして評価されてきました。こうしたトークンを安全に保管・運用するには、適切なウォレットが不可欠です。本稿では、Trust Wallet による CORE の保管・送金方法、CORE の価格履歴、そして日本国内取引所 bitFlyer（ビットフライヤー） の特徴と両者の比較を詳しく解説します。
CORE（CORE DAO トークン）とは
CORE は「Core DAO（コア・ダオ）」プロジェクトのネイティブトークンです。Core DAO は、高性能な EVM（Ethereum Virtual Machine）互換レイヤー 1 ブロックチェーンとして設計されており、スケーラビリティ、コスト効率、セキュリティに配慮した仕組みを特徴としています。
CORE の総供給量は約 21 億トークン（2.1 B CORE）で、循環供給量と発行スケジュールが定められています。
そのトークンエコノミーにおいては、ネットワーク参加者（バリデータ、ステーカーなど）のインセンティブ設計がなされており、分散型ガバナンス（DAO）モデルを通じてコミュニティが意思決定に関わる仕組みが構築されています。
また、CORE プロジェクトは Bitcoin エコシステムとの接点も持つとの解説もあり、特有の価値提案を持つトークンとして注目されています。
CORE の価格履歴：過去最低値・最高値
CORE の過去価格を見ると、非常に大きな価格変動を経験してきたことがわかります。
- 過去最高値（All-Time High）：CoinGecko によると、CORE は 2023年2月8日に 約 6.14 USD を記録しました。
- 過去最低値（All-Time Low）：同じく CoinGecko によれば、2025年10月10日に 約 0.1173 USD が最低値と報告されています。
また、CoinMarketCap のデータでも、CORE の過去最安値が $0.1095 程度とされており、現在価格（あるいは最近価格）から大きく乖離している時期があったことが確認されます。
このような変動幅（最高値から最安値までの差）が非常に大きいことは、CORE が高リスク・高リターンの投資対象であることを示しています。
Trust Wallet による CORE の保管・送金
スマートフォン向けウォレットの Trust Wallet（トラスト・ウォレット） は、ユーザーが秘密鍵を自己管理できるノンカストディアルなウォレットであり、多くのトークンに対応しています。以下では、Trust Wallet で CORE を安全に保管し、必要に応じて送金する方法と注意点を解説します。
Trust Wallet のセットアップ
まずは Trust Wallet をスマートフォンにインストールします（iOS または Android）。アプリを初めて起動する際には、「新しいウォレットを作成」か「既存ウォレットを復元」の選択肢が表示されます。
ウォレットを作成する場合、シードフレーズ（リカバリーフレーズ）が表示されます。これは非常に重要な情報であり、安全な場所に紙などでバックアップし、第三者に知られないよう保管する必要があります。
CORE トークンをウォレットに追加
Trust Wallet に CORE がデフォルトで表示されていない場合は、「トークンを追加」からカスタムトークンを登録します。具体的には、CORE のコントラクトアドレス（Core DAO トークンのスマートコントラクトアドレス）を入力し、トークンシンボルを「CORE」、小数点以下の桁数（デシマル）などを正しく設定します。
正しく追加されると、Trust Wallet の資産一覧に CORE が表示され、現在保有している量を確認できるようになります。
CORE の受け取り（入金）
CORE を Trust Wallet に受け取るためには、以下の手順を踏みます。
- Trust Wallet を起動し、CORE を選択（または追加済みの CORE をタップ）。
- 「受け取る（Receive）」をタップ。
- 表示されたアドレス（CORE 用アドレス）をコピー。
- 送金元（例えば取引所や他ウォレット）でこのアドレスを入力して送金。
- ネットワーク（チェーン）とアドレスが正しいことを必ず確認。誤ったネットワークやアドレスに送金すると資産を失うリスクがあります。
CORE の送金（出金）
Trust Wallet から CORE を送る手順も重要です。
- Trust Wallet で CORE を選択 → 「送信（Send）」をタップ。
- 送付先アドレスを入力（取引所、他ウォレットなど）。
- 送金量を指定。必要に応じてネットワーク手数料を確認。CORE のチェーンによってはガス代が発生する可能性があります。
- 入力内容（アドレス、数量、手数料など）を最終的に確認。特にアドレスはコピペだけでなく目視でもチェックすることが重要です。
- 承認してトランザクションを発行。トランザクション識別子（TXID）が表示される場合は控えておくとよいでしょう。
セキュリティおよびリスク管理
- シードフレーズの保護：オフラインの安全な場所（紙、金庫など）に保管し、第三者に知られないようにする。
- アドレス確認の徹底：送金時には必ずアドレスを二重に確認。誤ったアドレスへの送金は取り戻せない可能性があります。
- ネットワークの選定：CORE が動作しているチェーン（例：Core ネットワーク）を理解し、適切なガス設定を使用。
- 送金コストへの備え：ガス代が高騰するタイミングを避ける、または最低限の手数料を見積もる。
- ウォレットのアップデート：Trust Wallet アプリのバージョンを最新に保ち、セキュリティ修正などを享受する。
bitFlyer（ビットフライヤー）取引所の紹介
日本を代表する暗号資産取引所のひとつである bitFlyer（ビットフライヤー） について、概要、信頼性、取扱通貨、そして入出金・送金に関する基本を解説します。
bitFlyer の基本情報と信頼性
bitFlyer は日本国内に拠点を置く暗号資産交換業者で、金融庁への登録も済んでおり、信頼性の高い取引プラットフォームとして広く認知されています。
また、bitFlyer の説明書面によれば、長年にわたってハッキング被害が報告されておらず、強固なセキュリティ対策を維持しています。
bitFlyer の取扱通貨
bitFlyer の公式「取扱仮想通貨一覧」によると、取り扱っている暗号資産は 39種類に及ぶと説明があります。
具体的には、ビットコイン（BTC）、イーサリアム（ETH）、ライトコイン（LTC）、ビットコインキャッシュ（BCH）、モナコイン（MONA）、XRP、BAT などが含まれます。
しかし、現時点で CORE（CORE DAO トークン） は bitFlyer の取扱通貨リストに含まれていないようです。
したがって、bitFlyer を通じて CORE を売買・預入・出金することは、直接は難しいか、または対応していない可能性が高いと考えられます。
入金・送金（預入・出金）手続き
bitFlyer で扱われている通貨（たとえば BTC）については、ユーザーは自身のアカウントに仮想通貨を預け入れたり、外部ウォレットに送金したりすることが可能です。公式 FAQ には、送金先アドレスリストの確認方法などが記載されています。
また、日本円の入金も可能で、ユーザーは銀行振込などを使って円を預け、取引所内で仮想通貨の売買を行うことができます。
規制・注意点
- bitFlyer は金融庁登録業者であり、暗号資産交換業として法規制を順守しています。
- 取引・送金を行う際には、アドレスの誤入力、取引手数料、送金速度などのリスクを確認する必要があります。公式でも注意喚起がなされています。
- また、国内取引所で扱っている通貨が限られているため、すべてのトークン（例：CORE）には対応していないケースがあります。
Trust Wallet と bitFlyer の比較：長所と短所
最後に、Trust Wallet と bitFlyer を比較し、それぞれの強みと弱みを整理します。
Trust Wallet の強み
- 自己管理型のウォレット：秘密鍵をユーザー自身が管理するため、取引所リスク（ハッキング・運営破綻など）を軽減できる。
- 多種トークン対応：EVM トークンやカスタムトークン（CORE など）を追加しやすい。
- モバイル利便性：スマートフォンでの送受金が直感的で、いつでも資産を確認できる。
- プライバシー：本人確認などが不要で、匿名性をある程度保てる。
- バックアップ機能：シードフレーズによる復元が可能。デバイス紛失時にも資産回復ができる。
Trust Wallet の弱み
- 自己責任が重い：シードフレーズの管理不備や紛失は致命的。
- 手数料コントロール：ガス代が高いネットワークでは送金コストが高騰。
- 設定ミスのリスク：カスタムトークン登録時に誤ったアドレスや桁数を入力すると資産が表示されない、あるいは失われる可能性がある。
- サポートが限定的：アプリのトラブルはユーザー自身で解決する必要がある。
bitFlyer の強み
- 高い信頼性：金融庁登録業者であり、セキュリティと法令順守に強みがある。
- 流動性：国内で多くのユーザーが利用しており、取引が活発。
- 日本円入出金が可能：銀行振込などで日本円を入金し、仮想通貨を購入できる。
- サポート・制度：法的整備（金融ADR 利用など）や問い合わせサポートが整っており、安心感がある。
bitFlyer の弱み
- 取扱通貨の制限：CORE のようなトークンを扱っていない場合がある。現に CORE は bitFlyer の通貨リストに存在しない。
- スプレッド・コスト：販売所形式の取引ではスプレッドが大きくなりがち。
- 出金リスク：送金時のアドレスミスや送金手数料、送金時間などのリスクがある。
- 操作性：初心者向けにはシンプルだが、高度なトレードや特殊なトークンの取扱には限界がある。
結論と提言
- CORE（CORE DAO トークン）は、EVM 互換の高性能レイヤー 1 ブロックチェーンという優れた設計を持つ一方で、価格変動が非常に大きいため、保有・運用には慎重なリスク管理が必要です。
- Trust Wallet は CORE のようなトークンを自己管理する上で非常に適したツールです。シードフレーズ管理や送金先アドレス確認などを徹底すれば、セキュリティを高く保ちながら運用できます。
- 一方、bitFlyer は日本国内で信頼性が高く、日本円での入出金ができる便利な取引所ですが、CORE を取り扱っていないという重大な制約があります。
- そのため、CORE を本格的に運用・取引したい場合は、まず Trust Wallet などの自己管理ウォレットで保有・送金を行い、CORE を扱っている海外取引所に送金して取引を行う方法が現実的です。ただし、その際には送金手数料（ガス代）、取引所の選定、税制リスクなどを十分調査・理解する必要があります。
- また、ウォレット使用時には常にセキュリティ対策を徹底し、バックアップなどの運用ルールを厳格に守ることで、資産の安全性を確保できます。
