はじめに：AXS とは何か
AXS は、Axie Infinity のネイティブ・ユーティリティ・ガバナンストークンです。Axie Infinity はブロックチェーンゲームで、有力な Play‑to‑Earn（プレイして稼ぐ）エコシステムを持ち、ユーザーは NFT の「アクシー（Axie）」を育成・バトルさせることで報酬を得られます。AXS を保有することで、ステーキングへの参加、ガバナンス投票、さらにはプレイヤー報酬を受け取ることが可能です。
Axie Infinity の運営元である Sky Mavis は、ネットワークの成長やコミュニティの拡大を強く重視しており、AXS トークンはゲームエコノミーの中心を担う重要な役割を果たします。加えて、Axie NFT マーケットプレイスでの取引やアクシーの繁殖にも AXS が関与しており、ただのガバナンストークンに留まらないユーティリティを持っています。
AXS の価格変動履歴：過去最安値と最高値
AXS の価格は歴史的に大きな浮き沈みを経験しており、そのボラティリティは注目に値します。
- 過去最高値（ATH） に関しては、TokenAlphabet のデータやその他複数の情報源で およそ 164.90 USD（2021年11月6日） と報告されています。
- 過去最安値（ATL） は、TokenAlphabet によれば 0.1237 USD（2020年11月6日） という非常に低い水準が記録されています。
- 現在の価格は CoinMarketCap において 約 1.11 USD であり、時価総額や循環供給量もそこから算出可能です。
- 最新の取引所データ（Phemex）では、AXS の価格が 1.42 USD 前後で推移しており、24時間および週間での変動も観測されています。
これらの価格履歴を見てみると、AXS はかつて非常に高いピークを迎え、その後大幅な調整を受けて低い水準に落ち着いたことが分かります。一方で、その間にも価格変動や投資機会が継続しており、長期投資や戦略的な運用の対象として考えられます。
Trust Wallet による AXS の保管および送金方法
Trust Wallet を使って AXS を管理する場合、いくつかの基本ステップがあります。
まず、スマートフォンに Trust Wallet アプリ をインストールし、新しいウォレットを作成します。ウォレット作成時に表示される シードフレーズ（復元フレーズ） は、紙などオフライン媒体に必ず記録し、安全な場所に保管してください。このフレーズがなければ、紛失時やスマホの機種変更時にウォレットを復元できなくなるリスクがあります。
次に、Trust Wallet に AXS トークンを追加します。「トークンを追加」機能を使い “AXS” を検索します。もし表示されない場合は、「カスタムトークンを追加」機能で AXS のコントラクトアドレスを入力してください。コントラクトアドレスは信頼性の高い情報源（Etherscan など）から取得してください。
AXS を受け取るには、Trust Wallet 内で AXS を選択し「受け取る（Receive）」をタップします。表示されたアドレスをコピーし、取引所や他のウォレットからそのアドレス宛に送金します。送金時には正しいネットワーク（ERC‑20 など）を選択しているかを確認する必要があります。
AXS を送金（出金）するには、「送る（Send）」を選び、宛先アドレス、送金量、ガス代を入力します。ERC‑20 トークンとして送る場合には、ガス代のために十分なイーサ（ETH）がウォレットにあるかを事前に確認してください。初回送金時には、小額を使って テスト送金 を行い、アドレスやガス設定が正しいかどうかを確認する習慣をつけると安全です。
セキュリティ強化のため、Trust Wallet には PIN コードの設定や生体認証（指紋・顔認証など）の導入が可能です。これにより、不正アクセスリスクを低減できます。加えて、定期的なバックアップ（ウォレットの復元テストを含む）を行い、シードフレーズが正確に機能しているかを確認しておくとよいでしょう。
bitFlyer（ビットフライヤー）取引所の紹介と AXS の取り扱い
bitFlyer は日本を代表する暗号資産取引所のひとつで、販売所形式と板取引（Lightning）を提供しています。金融庁登録業者であり、資金保護やサポート体制も整っているため、日本国内ユーザーにとって非常な信頼性があります。
2024年2月5日、bitFlyer は新規暗号資産として アクシーインフィニティ（AXS） の取り扱いを開始することを正式に発表しました。
この発表により、AXS を bitFlyer の販売所形式で購入・売却できるようになったため、日本国内ユーザーにとってアクセスしやすくなっています。
bitFlyer の「契約締結前交付書面（暗号資産現物取引）」にも AXS に関する説明が記載されており、ERC‑20 ネットワークのみが送金対応であると明示されています。
つまり、bitFlyer で入手した AXS を Trust Wallet など外部ウォレットに送金する際には、必ず ERC‑20 ネットワークを選択する必要があるという重要な注意点があるわけです。
これにより、bitFlyer を使って AXS を日本円で購入し、その後 Trust Wallet に送って自己管理するという運用が成り立ちます。一方で、異なるネットワークを誤って選択すると資産喪失のリスクもあるため、慎重な操作が求められます。
Trust Wallet と bitFlyer の長所・短所（AXS の視点を含む）
AXS を扱う際、Trust Wallet と bitFlyer にはそれぞれ明確なメリットと制約があります。
Trust Wallet の利点は、非カストディアル型ウォレットであり、利用者自身が秘密鍵を管理できる点です。これにより、取引所に預けるリスク（ハッキング、運営リスクなど）を回避できます。また、多くの ERC‑20 トークンに対応しており、AXS のようなトークンを柔軟に保管できます。モバイルアプリでの送受金も直感的で、PIN コードや生体認証によって高いセキュリティを実現できます。
一方で欠点も存在します。トークン送金時にはガス代が発生し、ネットワークの混雑やガス価格の変動によってコストが増加する可能性があります。さらに、シードフレーズの管理がユーザーの責任であるため、紛失時の資産回復が難しくなります。Trust Wallet 単体では交換機能が限られており、AXS の購入や売却には別の取引所を併用する必要があります。
bitFlyer の強みは、日本国内での利用のしやすさと信頼性です。販売所形式により初心者でも簡単に購入でき、日本円での入出金がスムーズです。また、運営会社の信頼性やサポート体制も強固で、取引所を使った資産運用に安心感があります。
しかし、bitFlyer にも制約があります。ERC‑20 ネットワークのみの送金対応という仕様上、送金時に誤ったネットワークを選ぶと資産が失われるリスクがあります。さらに、取引所に資産を預けるという形態であるため、ハッキングや内部問題といったカストディリスクが常につきまとう点は無視できません。加えて、販売所形式ではスプレッド（買い価格と売り価格の差）が広がる可能性があり、取引コストも慎重に考慮する必要があります。
実践的な運用戦略とアドバイス：AXS をどう扱うか
AXS を運用する際には、まず自分の目的を明確に設定することが重要です。「長期保有（ホールド）」を目的とする場合、Trust Wallet に AXS を保管して自己管理を徹底するのが合理的です。これにより取引所リスクを軽減し、Axie エコシステムの成長を見据えた中長期投資が可能になります。
一方で「売買（トレード）」を目的とする場合、bitFlyer の販売所を活用して AXS を購入し、その後 Trust Wallet に転送して管理する戦略が考えられます。取引所選びの際には、流動性、手数料、入出金条件などを慎重に評価することが重要です。
送金時には必ず最初に テスト送金 を行い、アドレスやネットワークの選択が正しいかを確認しましょう。特に ERC‑20 を扱う場合には、ミスが資産喪失につながる可能性があるため、慎重な操作が求められます。
セキュリティ面では、Trust Wallet に PIN コードや生体認証を設定し、シードフレーズをオフラインで分散保管することが推奨されます。定期的にウォレットの復元テストを実施し、バックアップの有効性を確認する習慣を持つと安心です。大きな額を扱う場合には、ハードウェアウォレットとの併用を検討することも有益です。
さらに、Axie Infinity エコシステムの将来性を見極めるためには、ガバナンス投票、ステーキング状況、NFT マーケットプレイスの動向、ゲーム内経済などを継続的にウォッチすることが有効です。特にトークンのロックアップ（ベスティング）や供給量の増加は価格に大きな影響を与える可能性があるため、こうした情報の把握が重要です。
また、ポートフォリオ全体のリスク管理を考える場合、AXS のみへの集中投資を避け、他の暗号資産（NFT トークン、インフラ系トークン、ステーブルコインなど）と分散させるアプローチが推奨されます。
結論
AXS（Axie Infinity トークン）は、世界的に有名な NFT ゲーム Axie Infinity を支える重要なユーティリティ兼ガバナンス・トークンです。過去には非常な高値を記録した時期があったものの、その後は大きく調整され、現在は中・長期を見込んだ保有や戦略的な運用が注目される段階にあります。
Trust Wallet を活用することで、AXS を自己管理型ウォレットで安全に保管・送金でき、秘密鍵を自ら制御する自由を得られます。一方、bitFlyer は日本国内で信頼性の高い取引所ですが、ERC‑20 ネットワーク対応の制約や取引コストなどに注意が必要です。
AXS を運用する際には、自身の目的（ホールドかトレードか）、セキュリティ対策、将来性の評価、そしてリスク分散を重視した戦略を立てることが成功への鍵です。適切なウォレット管理と取引所選択を組み合わせれば、AXS のポテンシャルを最大限に活かすことが可能になるでしょう。
