SUI（スイ）とは
SUI（スイ）は、Mysten Labs によって開発されたレイヤー1（基盤層）ブロックチェーンのネイティブトークンであり、高速処理と拡張性、そして効率的なスマートコントラクト実行を目指す設計が特徴です。Sui ブロックチェーンは、「Move」言語を使ったオブジェクト中心モデルを採用しており、並列実行やサブ秒の最終性を実現するアーキテクチャを持っています。
SUI はトランザクション手数料の支払い、ステーキング、ネットワーク運営への参加などに使われるユーティリティトークンです。
SUI の価格履歴：過去最低と最高
SUI の価格はローンチ以来、かなり変動がありました。以下は主要な歴史的価格ポイントです。
- 過去最低価格（All-Time Low）：約 0.3643 米ドル。これは 2023年10月19日ごろの記録とされています。
- 過去最高価格（All-Time High）：5.35 米ドル。2025年1月4〜6日ごろにこの高値を記録しました。
これを見ると、SUI は比較的高いボラティリティ（価格変動幅）を持つトークンであることがわかります。
Trust Wallet による SUI の保管と送金
Trust Wallet の概要
Trust Wallet はスマートフォン向けの非カストディアルウォレットで、ユーザー自身が秘密鍵（復元フレーズ）を管理するタイプのウォレットです。これにより、自分の資産を完全にコントロールできる設計です。
SUI の保管
まず Trust Wallet をスマートフォンにインストールし、新しいウォレットを作成する際には必ず復元フレーズ（シードフレーズ）を安全な場所に保管してください。これはウォレットの唯一のバックアップとなるため、紛失や漏洩には十分注意する必要があります。
次に、Trust Wallet 内で SUI を表示させるには、必要に応じてカスタムトークンとして追加します。ウォレットの「トークンを追加」機能を使って、正しい Sui ネットワーク（たとえば Sui メインネット）を選択し、コントラクトアドレスや小数桁 (decimals) などを入力します。
SUI を受け取るには、ウォレット内で「受け取る（Receive）」を選び、表示された SUI アドレスを他の取引所やウォレットに伝えます。そのアドレス宛に SUI を送金してもらうことで、Trust Wallet に保有量が反映されます。
SUI の送金
SUI を送金する際には、ホストアドレス（送金先）を正確に入力します。アドレスの誤入力は資産喪失の重大なリスクになるため、注意が必要です。
送金時にはネットワーク手数料（ガス代）も確認します。Sui ネットワークの混雑状況やウォレット側の設定によって、費用や速度が変動することがあります。送金額、手数料、送信先アドレスを最終確認したうえで「送信（Send）」を実行します。
Trust Wallet を使って SUI をステーキング（委任）する機能がある場合には、ウォレット内からバリデーターを選定して委任を行い、報酬を得ることが可能です。ただしステーキングを解除する際には時間がかかる可能性があるため、資金の流動性計画を立てておくことが重要です。
秘密鍵（復元フレーズ）管理の観点では、スマホ自体のセキュリティ（パスコード、OS の更新、アプリのロック機能など）も強化しておくべきです。
Coincheck（コインチェック）取引所と SUI の関係
Coincheck の概要
Coincheck は日本国内でよく知られた暗号資産取引所で、ユーザー数も多く、初心者にも使いやすいスマホアプリとウェブインターフェースを提供しています。日本円での入金・出金や複数銘柄の売買が可能です。
Coincheck の取り扱い通貨数は 2025年11月時点で 35種類とされており、主要アルトコインからマイナー通貨まで幅広くカバーしています。
Coincheck における SUI の取り扱い
重要な点として、2025年時点で Coincheck では SUI（スイ）を取り扱っていません。
Coincheck 自身の通貨リストにも SUI が含まれていないほか、公式説明でも「現時点で取り扱いなし」と明示されています。
つまり、Coincheck のアカウントだけでは SUI を購入・売却・保管することができず、SUI を扱いたい場合は別の取引所（国内外）を利用する必要があります。
Trust Wallet と Coincheck の比較（SUI 保有・運用視点）
Trust Wallet の強み
Trust Wallet は完全自己管理型ウォレットであり、秘密鍵をユーザー自身が所有するため、資産へのアクセスを全面的にコントロールできます。SUI のようなトークンを保管・ステーキングしつつ運用したい場合に非常に適しています。ネットワークの選択肢や手数料を柔軟に調整できる点も魅力です。
また、Trust Wallet から直接ステーキングを行えば、報酬を得ながらネットワークの運営に貢献できます。長期ホルダーにとっては利便性と報酬性を兼ね備えた選択肢です。
さらに、自己管理型ウォレットの特性上、取引所ハッキングなど中央集権リスクを低減できます。資産の安全性（適切に管理すれば）は取引所預けに比べて高めです。
Trust Wallet の弱み
一方で、復元フレーズ（シードフレーズ）を紛失・漏洩すると資産を回復できないリスクがあります。自己管理型ウォレットはその分、ユーザーの責任が大きいため、セキュリティ対策が不可欠です。
また、ウォレットに問題が生じた際（アプリが不調、スマホ故障など）は、取引所のようなサポート体制が必ずしも十分ではないことがあります。初心者にはややハードルがある運用形態とも言えます。
ステーキングを行う場合、ステーク解除（アンステーク）に時間がかかることがあるため、流動性確保の設計を怠ると資金がしばらく拘束される可能性があります。
Coincheck の強み（SUI に関して間接的な観点も含めて）
Coincheck は日本円との間で暗号資産を売買できる非常に便利な取引所です。日本国内での入出金が容易で、ユーザーが日本円を使って取引を開始しやすい点が強みです。
また、Coincheck は金融庁に登録された信頼性のある取引所で、セキュリティや規制対応が整っています。初心者にとって安心して使えるプラットフォームであることが大きなメリットです。
加えて、Coincheck には「貸暗号資産サービス」「積み立てサービス」「取引所／販売所の選択肢」など、多様な機能があります。たとえ SUI を直接扱っていなくても、他の暗号資産を Coincheck で売買・管理し、その資産を使って外部取引所に送金し SUI を購入する運用が可能です。
Coincheck の弱み（SUI の運用を考える場合）
最も明確な弱みは、現在 SUI を取り扱っていない点です。これにより Coincheck だけでは SUI を直接買えず、SUI 保有を目的とするユーザーには不便です。
また、資産を取引所に預ける形になるため、ハッキングや運営リスクなど中央集権リスクがあります。自己管理型ウォレットと比べると、取引所に資産を預ける際のリスクが増す点には注意が必要です。
さらに、Coincheck の販売所形式にはスプレッドが含まれやすいため、実質的なコストが表面価格より高くなる可能性があります。
高度な DeFi 活用、ステーキング、トークン運用などを考えると、Coincheck 単体だけでは十分な柔軟性を持たないこともあります。
運用シナリオと提案
SUI を運用・保有するにあたって考えられる戦略には、いくつかパターンがあります。
長期保有およびステーキングを目的とする場合、Trust Wallet を使って SUI を自己管理し、ステークして報酬を得る方法が最適です。このアプローチでは、資産のコントロールを最大限保持しつつ、ネットワーク参加によるメリットも享受できます。
一方で、まず国内で資金を用意したり他の暗号資産を売買したりする場として Coincheck を活用し、その資産を外部取引所（SUI を扱っているもの）へ送金して SUI を取得する方法も現実的です。Coincheck で日本円を仮想通貨に換えてから、より多様なトークンの運用に移るステップとして使うことができます。
ハイブリッド戦略としては、Coincheck を日本円変換と資産出入用のゲートウェイとし、Trust Wallet で SUI の保有およびステーキングを行う併用型運用がバランスの取れた選択です。
注意点とリスク
SUI を扱うにあたって注意すべきリスクはいくつかあります。
まず、価格変動リスクです。SUI は過去に大きく上昇・下落を経験しており、将来的にも大きな変動が続く可能性があります。
次に、ネットワーク手数料（ガス代）やトランザクションコスト。Sui ネットワークで送金を行う場合、手数料や混雑状況によってコストが変わる可能性があります。
ステーキングを行う際は、アンステーク（ステーク解除）に時間がかかる可能性があり、その間は資金を動かせないことがありますので、流動性をどう確保するかを運用前に考える必要があります。
また、ウォレット管理リスクも重要です。Trust Wallet などの自己管理型ウォレットを使う場合、復元フレーズの安全な保管、スマホのセキュリティ（パスコード、OS 更新、アプリのロックなど）を徹底することが不可欠です。
最後に、取引所を使って資産を預ける場合は、取引所の信用リスク（ハッキング、運営不正など）を常に意識し、一極集中させず分散管理を行うことが望ましいでしょう。
結論
SUI（スイ）は、高速かつ拡張性の高いレイヤー1ブロックチェーン「Sui ネットワーク」のネイティブトークンであり、その性能や将来性に注目が集まっています。信頼性の高い自己管理型ウォレットである Trust Wallet を使えば、SUI の保管やステーキングを自分でコントロールしながら運用できます。
一方、Coincheck などの国内取引所は現時点で SUI を取り扱っていないため、SUI を直接取引・保管する用途には向きません。ただし、日本円から他の暗号資産を取得し、外部取引所に送金して SUI を買う流れを作ることは十分に現実的です。
最適な戦略は、あなたの目的やリスク許容度によって変わります。長期ホールドとステーキング志向であれば Trust Wallet 中心、入出金や日本円との連携を重視するなら Coincheck を一部活用、というハイブリッド運用がバランスの良い選択肢です。
SUI を運用する際には、価格変動、手数料、ウォレットおよび取引所のリスクをしっかりと見極め、安全かつ効果的な運用を心がけてください。
