NEAR（ニアー）とは — 基本概要
NEAR Protocol（ネアー・プロトコル、ティッカー：NEAR）は、高性能なレイヤー1（Layer 1）ブロックチェーンです。スケーラビリティを重視した設計がされており、高速なトランザクション処理と開発者にとって使いやすい環境を提供することを目的としています。NEAR は Nightshade（ナイトシェード） というシャーディング技術を採用し、効率的なスケーリングを実現しています。
NEAR トークンは、ネットワーク上で以下のような役割を果たします：
- トランザクション手数料の支払い
- ステーキングによるノード報酬
- ガバナンス（プロトコル仕様の提案・投票への参加）
- 開発者やユーザーへのインセンティブ
NEAR の価格履歴 — 過去最安値と最高値
NEAR の長期的な価格を振り返ると、非常に大きな変動レンジを経験してきたことが確認できます。
- 最高価格（All‑Time High / ATH）
NEAR の過去最高値は $20.44（2022年1月16日） に記録されました。 - 最安価格（All‑Time Low / ATL）
最安値としては $0.5267～$0.5268（2020年11月4日） が報告されています。 - 最近の価格推移
2025年11月時点では、NEAR の価格は約 $2.30～$2.60 あたりで推移しており、過去の ATH から大きく下落している状況です。 - 価格変動の背景要因
1. ステーキングと供給設計：NEAR はステーキングを重視しており、報酬用に一定量がステークされて流通量への影響があります。
2. マクロ経済と暗号資産市場の影響：ビットコインやイーサリアムなど大手資産のトレンドが NEAR にも波及しやすい。
3. ネットワークの採用：NEAR 上での dApp（分散型アプリ）構築、NFT や DeFi 活用など、エコシステムの成長が価格に影響します。
4. 投資家のセンチメント：将来のスケーラビリティやガバナンスへの期待感が、資金流入・流出を左右する要素となります。
Trust Wallet による NEAR の管理
以下は、Trust Wallet を使って NEAR を保管・管理する際の手順およびポイントです。
Trust Wallet とは
Trust Wallet（トラスト・ウォレット）は、スマートフォン向けの非カストディアルウォレットで、ユーザーが秘密鍵を自身で保有できます。マルチチェーン対応であり、多くのトークンを扱うことが可能です。
NEAR を Trust Wallet に追加・保管する手順
- ウォレットの準備
スマートフォンで Trust Wallet アプリを起動。新しくウォレットを作成するか、既存のウォレットを復元します。 - トークンの追加
資産一覧画面で「＋（トークン追加）」を選択し、「NEAR」または「Near Protocol」と入力して検索。見つかった NEAR トークンを有効化します。 - 受け取りアドレスを取得
NEAR を選び、「受け取る（Receive）」をタップ。表示されたウォレットアドレスをコピーし、取引所などからそのアドレスへ送金します。 - バックアップ
ウォレット作成時に表示されるリカバリーフレーズ（ニーモニック）や秘密鍵を、安全なオフライン環境（紙媒体など）に保管します。
運用時の注意点
- 送金手数料
NEAR の送金にはネットワーク手数料がかかる場合があります。送金前に見積もりを取り、十分な残高を残しておくことが重要です。 - ステーキング
NEAR をステーキングしてノード運営に参加することで報酬が得られますが、ステーキング先やロック期間、報酬率を慎重に選ぶ必要があります。 - セキュリティ
アドレス入力ミスを防ぐため、送金先アドレスはペースト後に必ず確認してください。不正なサイトやウォレットとの接続には注意が必要です。
Trust Wallet から取引所への送金（NEAR の出金）
Trust Wallet に保有している NEAR を取引所に出金または別ウォレットに送金する手順は、以下のとおりです。
- 出金先アドレスを確認
送金先（取引所または別ウォレット）で NEAR の入金アドレスを取得します。ネットワークが正しいかを必ず確認してください。 - 送金準備
Trust Wallet アプリで NEAR を選択 → 「送金（Send）」 → 送金先アドレスを貼り付け → 送金量を入力します。 - 手数料の確認
送金時にかかるネットワーク手数料を見積もり、送金後に残すべき NEAR の量を把握します。 - 送金実行
アドレス、数量、手数料を慎重に確認し、問題なければトランザクションを送信します。 - トランザクション確認
送金後にトランザクション ID（TXID）を取得し、NEAR ブロックチェーン対応のエクスプローラーで状態を確認します。
bitFlyer における NEAR の取扱状況
bitFlyer（ビットフライヤー）は日本国内で大手の仮想通貨取引所ですが、現時点で NEAR（Near Protocol）の取り扱いは bitFlyer の公式発表や通貨一覧から確認されていないようです。bitFlyer の事業紹介には「アルトコイン販売所」や「Lightning FX などの提供」があるものの、NEAR の記載はありません。
したがって、NEAR を売買または出金するには、bitFlyer 以外の取引所（例：Bybit、Binance など）を利用するのが現実的です。たとえば Bybit では NEAR の取り扱いがあり、入出金が可能です。
送金先を選ぶ際には、入金アドレスが正しいネットワーク（NEAR ネットワーク）に対応しているかを必ず確認してください。
リスクおよび注意点
NEAR を Trust Wallet で運用する場合、以下のようなリスクや注意点があります。
- 価格変動リスク
NEAR は過去に ATH 付近まで上昇した後、大幅に下落しており、価格の変動リスクが大きい資産です。中長期保有やトレーダー戦略を慎重に検討する必要があります。 - 送金手数料リスク
ネットワークによっては送金にかかる手数料が高くなる可能性があります。小額送金ではコストが割高になる場合もあります。 - ステーキングリスク
ステーキングにはメリットがありますが、ロック期間、報酬率、ノードの信頼性などを慎重に評価する必要があります。 - 取引所非対応リスク
bitFlyer のような主要取引所で NEAR が未対応の場合、流動性や出金ルートが制限される可能性があります。 - セキュリティリスク
秘密鍵やリカバリーフレーズの管理を怠ると、資産を失う危険があります。また、不正なウォレットやフィッシングのリスクにも注意が必要です。
将来性とまとめ
- 技術面の強み：NEAR Protocol はシャーディング技術「Nightshade」によって高いスケーラビリティを実現し、将来的な Web3 プラットフォームとしての可能性を持っています。
- トークンユーティリティ：NEAR トークンは、手数料支払い、ステーキング報酬、ガバナンスへの参加など、多様な用途を持つ有用な資産です。
- 価格レンジ：過去の最高値は $20.44、最安値は $0.5267 と非常に幅があります。現在の価格はこのレンジから大きく離れていますが、将来的な上昇余地がある一方、リスクも無視できません。
- ウォレット戦略：Trust Wallet を利用することで自己管理されたウォレットに NEAR を安全に保管できますが、送金およびステーキング時には手数料やセキュリティを重視した運用が重要です。
- 取引戦略：bitFlyer では NEAR の取り扱いが確認されていないため、他取引所（海外または国内の対応取引所）を利用した入手・出金戦略が現実的です。
- リスク管理：価格変動、ステーキング、流動性、セキュリティなど、複数のリスク要因を理解した上で、長期保有かトレードか、自身の投資方針を明確にしておくことが不可欠です。
