MetaMask と Trust Wallet は、最も人気の高い非カストディアル型暗号資産ウォレットの2つです。どちらもユーザー自身が資産を完全に管理できる点で優れていますが、「どちらを選ぶべきか」で悩む方も多いでしょう。
本記事では、両者の特徴・機能・安全性・使いやすさなどを徹底比較し、あなたに最適なウォレットを見つけるための指針を提供します。
MetaMask と Trust Wallet：比較概要
| 特徴 | MetaMask | Trust Wallet |
|---|---|---|
| 対応ブロックチェーン | 主にEthereumを中心に、BSC、PolygonなどEVM互換ネットワークをサポート | Ethereum、BSC、Solanaなど多数のチェーンをサポート |
| プラットフォーム | ブラウザ拡張機能、モバイルアプリ（iOS / Android） | ブラウザ拡張機能、モバイルアプリ（iOS / Android） |
| 内蔵トークンスワップ | あり（アプリ内スワップ機能） | あり（複数チェーン対応のスワップ機能） |
| NFT対応 | 主にEthereum系NFTをサポート | 複数ブロックチェーンのNFTをサポート |
| DApp連携 | ブラウザ拡張・モバイルブラウザで強力に対応 | モバイル内蔵のDAppブラウザで対応 |
| ステーキング | ETHステーキングに対応 | 複数資産のステーキングをサポート |
| セキュリティ | オープンソース、秘密鍵をユーザーが管理 | オープンソース、秘密鍵をユーザーが管理 |
| 使いやすさ | 高機能だがマルチチェーン設定はやや上級者向け | 初心者にも扱いやすく、多チェーン対応が簡単 |
| 手数料 | ネットワーク手数料＋スワップ手数料あり | ネットワーク手数料＋スワップ手数料あり |
対応ブロックチェーン
MetaMask はもともと Ethereum 専用ウォレットとして誕生しましたが、現在は Binance Smart Chain (BSC)、Polygon、Avalanche などの EVM 互換ネットワークにも対応しています。ただし、これらを利用するにはユーザーがネットワークを手動で追加する必要があります。
一方、Trust Wallet は初期設定のままで Ethereum、BSC、Solana など多数のチェーンに対応しています。複数ネットワークを自動的に利用したい場合、Trust Wallet の方が便利です。
プラットフォームとアクセス性
MetaMask は Chrome、Firefox、Edge、Brave 向けのブラウザ拡張機能を提供しており、デスクトップ上で DApp（分散型アプリケーション）と連携するのに最適です。また、iOS / Android 用のモバイルアプリも利用可能です。
Trust Wallet も同様にブラウザ拡張機能とモバイルアプリを提供していますが、特にモバイルアプリは内蔵 DApp ブラウザ機能が強力で、スマートフォンでの利用を重視するユーザーにはより適しています。
内蔵トークンスワップ機能
両ウォレットともにアプリ内でのトークンスワップをサポートしています。
MetaMask は主に Ethereum ベースのトークンに対応していますが、Trust Wallet は Ethereum だけでなく BSC やその他のネットワークにも対応しているため、より幅広い資産を一括管理できます。
スワップの利便性やネットワークの多様性を重視するなら、Trust Wallet が優れています。
NFT 対応
MetaMask と Trust Wallet の両方が NFT に対応していますが、ユーザー体験には違いがあります。
MetaMask は主に Ethereum ベースの NFT に最適化されており、他のネットワーク上のコレクション管理はやや制限されます。
Trust Wallet は複数チェーン（Ethereum、BSC、Solanaなど）の NFT を一括管理でき、インターフェースも直感的です。複数ネットワークで NFT を収集・表示したい場合、Trust Wallet の方が利便性が高いでしょう。
DApp との統合
MetaMask はブラウザ拡張機能を通じてデスクトップ上の Web3 アプリと直接連携できます。そのため、PCを利用してDeFiやNFTマーケットプレイスを利用するユーザーに特に人気があります。
Trust Wallet も DApp との統合機能を備えていますが、スマートフォンから直接アクセスできる点が特徴です。モバイル利用を中心に考えるなら、Trust Wallet のほうが直感的で操作しやすい設計になっています。
ステーキングとパッシブインカム
Trust Wallet の大きな魅力は、複数の暗号資産に対してアプリ内で直接ステーキングができることです。BNB、Tezos (XTZ)、Cosmos (ATOM) などを保有しているユーザーは、簡単に年利報酬を得ることが可能です。
MetaMask でもステーキング機能は提供されていますが、対象は主に Ethereum に限られています。アプリ内のステーキングプールや流動性ステーキングも利用できますが、資産の種類は限定的です。
セキュリティ
MetaMask と Trust Wallet はいずれも非カストディアル型であり、秘密鍵は完全にユーザーが管理します。どちらもオープンソースで、開発コミュニティによるコード監査が行われており、信頼性は高いと言えます。
ただし、両ウォレットともフィッシング詐欺には注意が必要です。公式サイト以外のリンクや不審なメッセージにウォレット情報を入力しないよう徹底することが重要です。
使いやすさ
MetaMask は機能面で非常に充実していますが、ネットワークを手動追加する必要があり、初心者には少し難しく感じる場合があります。
Trust Wallet は初期設定のままで複数ネットワークをサポートしており、より簡単にマルチチェーン運用を行えます。直感的なUIにより、暗号資産初心者にも最適です。
手数料
MetaMask と Trust Wallet の両方で、取引時にネットワーク手数料（ガス代）が発生します。また、スワップ機能を利用する際には追加の交換手数料がかかります。
コスト面では両者に大きな差はありません。
結論：どちらを選ぶべきか？
両ウォレットはそれぞれに強みがあり、用途によって最適な選択が異なります。
- MetaMask は、デスクトップ環境で頻繁に DApp に接続するユーザーや、Ethereum・EVM系ネットワークを中心に利用する方におすすめです。
- Trust Wallet は、モバイル中心での利用を好み、複数チェーン対応やステーキング機能、NFT管理の利便性を重視するユーザーに最適です。
どちらを選んでも安全性と利便性は高く、最終的には「どのような目的で暗号資産を管理するか」によって決めるのが良いでしょう。
MetaMask はEthereumエコシステムを深く活用したい上級ユーザーに、
Trust Wallet は簡単かつ多機能なモバイルウォレットを求める全てのユーザーに、理想的な選択肢です。
