MetaMask（メタマスク）は、暗号資産全体の中でも最も広く利用されているウォレットの一つであり、Ethereum（イーサリアム）の広大なエコシステムへアクセスすることができます。その主な利点は、幅広い対応力とDApp（分散型アプリケーション）との統合、ソフトウェア開発キット（SDK）、そして多彩な機能にあります。本ガイドでは、MetaMaskウォレットの使い方について、知っておくべきすべてを解説します。
【重要なポイント】
► MetaMaskは、Ethereum互換のウォレットとして広く利用されており、ユーザーが分散型アプリケーション（DApp）と直接やり取りしたり、暗号資産を管理することができます。
► ユーザーはアプリから直接、DAppへの接続、トランザクションの管理、トークンスワップやステーキングなどの操作を簡単に行うことができます。
► MetaMaskは、悪意あるコントラクトを検知するトランザクションシミュレーション、MEV保護機能、マルチアカウント管理などの高度なセキュリティ機能を備えています。
► 開発者はMetaMaskのSDKを利用することで、人気のフレームワークやモバイルプラットフォームに対応したアプリ統合が可能です。
■ MetaMaskが必要な理由
MetaMaskを使う前に、その背後にある仕組みを理解しておくことが重要です。ブロックチェーン技術が誕生した当初は、ピアツーピアの決済システムを目的とした非常に限定的なものでした。しかし、時間の経過とともにブロックチェーン開発は多様化し、現在では巨大なエコシステムへと発展しています。
Ethereumは単なる暗号資産の送受信にとどまらず、「汎用的なプラットフォーム」として設計されました。スマートコントラクトをデータブロック上で実行できることで、その柔軟性は単なる決済システムをはるかに超えるものとなりました。
これにより、ブロックチェーン技術による分散性と高いセキュリティを活かした、法的・金融的契約のデジタル化と自動化が可能になりました。つまり、Ethereumは分散型金融（DeFi）を生み出したのです。
DeFiは複数のスマートコントラクトによって構成された分散型アプリケーション（dApp）の集合体であり、従来の銀行システムを介さずに、貸付・借入などあらゆる金融サービスをデジタル上で実現できます。さらに、マーケットプレイスやゲームなどもEthereum上で稼働させることが可能です。
これらのアプリケーションを利用するためにはウォレットが必要です。しかも、単なるウォレットではなく、Ethereum互換であり、各種トークン規格やEVM互換ネットワーク（テストネットを含む）に対応し、トランザクション署名およびライトクライアントとして機能できるウォレットが必要です。
そのすべてを実現するのがMetaMaskです。
ステップ1:MetaMaskをダウンロードする
1. イーサリアムの豊富な DApps エコシステムにアクセスするための最初のステップは、公式 Web サイトから MetaMask 拡張機能をダウンロードすることです。一般的なプラットフォーム(Windows、iOS、Android)のサポートが表示されます。それに対応して、プラットフォームに応じて、MetaMask はブラウザ拡張機能またはモバイル アプリのいずれかになります。
2. MetaMask をお気に入りのブラウザにインストールしたら、「開始する」プロンプトをクリックして「ウォレットを作成」をクリックします。
これはインストールの重要な部分であり、資金にアクセスするための秘密鍵を作成します。結局のところ、暗号ウォレットには実際の資金が保管されていません。ブロックチェーンへのアクセスを許可する秘密鍵のみを保持します。
ステップ 2: ウォレットを保護する
「ウォレットの作成」をクリックすると、MetaMaskアプリ自体のパスワードを作成するように求められます。最も重要な部分は、バックアップフレーズを作成するように求められた後です。シード フレーズとも呼ばれるこの 12 語の安全フレーズを使用すると、デバイスを紛失した場合でもウォレットを取り戻すことができます。
デバイスとその上のすべてのデータを紛失した場合は、シード フレーズで「ウォレットのインポート」を選択して暗号資産を回復します。シードフレーズは、録音した順序で入力します。
したがって、12 単語のシード フレーズは別のアイテムとして、紙またはパスワード マネージャーに安全に保管するようにしてください。シードフレーズを誰とも共有しないでください。暗号通貨の世界に慣れていない場合は、まずこれらの暗号通貨セキュリティのヒントトップ 10 を読んでください。
前述したように、MetaMaskを使用すると、ETHと数千のDeFiトークンの間で交換できます。ETHはDeFiエコシステム全体のマスター暗号通貨と見なすことができます。Uniswapや1inchのようなプロトコルはミニエコシステムであり、それぞれがガバナンスとネットワーク料金のためのトークンを持っています。
ステップ3:MetaMaskウォレットに資金を追加する
ただし、MetaMaskウォレットでトークンスワップやその他のことを開始する前に、資金が必要です。これは、最初に法定通貨をETHに変換する必要があることを意味します。MetaMaskウォレットには、デビット/クレジット、PayPal、銀行振込など、いくつかのオプションが用意されています。オンランプは地域によって異なるため、お住まいの地域を確認するのが最善です。
すでにETHのアカウントをお持ちの場合は、送信/受信セクションでMetaMaskに入金します。ウォレットをクリックすると、次のセクションが表示されます。
- MetaMaskウォレットの受信アドレスをコピーします
- 送信テキストボックスに受信アドレスを貼り付けます
- 暗号通貨取引所からMetaMaskウォレットへのETHの転送(送信)を実行します(受信)
MetaMaskウォレットをDAppsに接続する方法
DApps 自体はイーサリアム上で実行されるスマート コントラクトであることを忘れないでください。DAppsの表面レベルは、Webインターフェイスです。これは、イールドファーミングに使用される最も人気のある分散型取引所の1つであるUniswapに接続すると表示されます。
1. Uniswapにアクセスすると、右上隅に「接続」ボタンが表示されます。
2. MetaMaskをインストールすると、アカウントと対応するDAppの接続を求める確認通知が表示されます。
3. 「次へ」をクリックすると、dApp がウォレットの資金にアクセスできるようになります。その後、それらを使用して流動性プールにステーキングしたり、トークンを交換したりできます。
トランザクションの送信方法
トランザクションの送信は、ブロックチェーンと対話する最も基本的な部分です。MetaMask はトランザクションの送信の複雑さを難読化し、新しいユーザーでも簡単に送信できるようにします。
上のビデオは、最初から最後までトランザクションを完了するのに 1 分もかからないため、MetaMask を使用してトランザクションを送信することのシンプルさを強調しています。MetaMaskでトランザクションを送信する方法は次のとおりです。
- MetaMaskウォレットにサインインします。
- 「送信」を選択し、「宛先」ボックスに受信アドレスを貼り付けます。
- 送信する暗号通貨の量を入力します。
- 「確認」を選択して取引を完了します。
- トランザクションが「保留中」から「確認済み」に切り替わるまで待ちます。
この例では、テストネットを使用してイーサリアム (ETH) を送信しました。これは単に、実際の資金が使用されなかったことを意味します。ただし、プロセスは同じです。送信するトークンと、暗号通貨を送信するネットワークを選択することもできます。
よくある質問
メタマスクとは?
Metamask は、Web ブラウザから直接イーサリアム ブロックチェーンおよび分散型アプリケーション (DApps) との対話を容易にする、広く使用されている暗号通貨ウォレットおよびブラウザ拡張機能です。安全なブリッジとして機能し、ユーザーはイーサリアムベースの資産を管理し、さまざまな DApp でトランザクションを実行できるようになります。
Metamaskを設定するにはどうすればよいですか?
Metamaskを設定するには、Chrome、Firefox、またはBrave用のブラウザ拡張機能をインストールし、登録プロセスに従って新しいウォレットを作成します。セットアップ中に、ウォレット復元のバックアップとして機能する一意のシード フレーズを生成します。その後、イーサリアム (ETH) またはその他の互換性のあるトークンでウォレットに資金を入金できます。
Metamaskは安全に使用できますか?
Metamask は一般に安全であると考えられていますが、ユーザーは資産を保護するためにセキュリティのベスト プラクティスに従う必要があります。これには、ブラウザと拡張機能を最新の状態に保つこと、強力で一意のパスワードを使用すること、シード フレーズや秘密鍵を他の人と共有しないことが含まれます。さらに、潜在的な詐欺やフィッシング攻撃を避けるために、未知の DApp や Web サイトとやり取りするときは注意してください。
