AB（AB トークン）とは
AB トークン（通貨記号：AB）は、もともと「Newton Project（ニュートン・プロジェクト）」として知られていたブロジェクトがリブランディングして誕生した暗号資産です。Newton プロジェクトはコミュニティ主導の経済基盤を目指しており、AB となった現在は異種チェーン（異なるブロックチェーン）構造、実世界資産（Real‑World Assets、RWA）との統合、最適化されたトークノミクスなどを戦略として掲げています。
AB トークンはガス代（トランザクション手数料）支払い、スマートコントラクト実行、またはガバナンス参加に使われるネイティブトークンとして設計されており、プラットフォーム全体の持続可能性とスケーラビリティを支える重要な役割を担っています。
総供給量としてはおよそ 98.82 B（98億8200万）AB が発行されており、流通供給量もそれに近いスケールです。
AB の価格歴史：過去最低値と最高値
AB トークンはその歴史の中で大きな価格変動を経験しています。
CoinLore のデータによれば、AB の 過去最高値（All‑Time High / ATH） は 0.008437 米ドル に達したことがあります。
また、同じ情報源によると過去最低値は 0.005295 米ドル 程度であり、その後変動を続けてきたことが示されています。
一方、CoinMarketCap の情報では、2025年3月21日に 0.01729 米ドル という高値が記録されていたというデータがあり、同サイトでは 最低値 を 0.00002173 米ドル と見積もっているとのことです。
このように、情報源によって ATH や ATL の具体的な値には違いがありますが、いずれにせよ AB はかなりのボラティリティを持つトークンであると言えます。
価格変動の背景には、プロジェクトの成長期待、流動性変化、マーケットの参加状況などが影響している可能性が高く、投機的要素が強い一方で中長期的なユースケースへの期待も併存しています。
Trust Wallet による AB の保管（ストレージ）
Trust Wallet（トラストウォレット）は多くのブロックチェーンやトークンをサポートしており、AB トークンを保管する際にも非常に有用な選択肢となります。
まず、スマートフォンに Trust Wallet アプリをインストールし、新規ウォレットの作成または既存ウォレットの復元を行います。ウォレット作成時に表示される リカバリーフレーズ（シードフレーズ） は非常に重要であり、紛失しないようにオフラインで安全な場所に保存する必要があります。
次に、Trust Wallet の「資産（Assets）」画面でトークンの追加を行います。AB がリストにない場合は「カスタムトークンを追加（Import Custom Token）」の機能を使い、対応ネットワーク（通常は Ethereum 相当、または AB のネイティブチェーンに基づくチェーン）を選択します。正しいコントラクトアドレスを入力することが不可欠であり、誤ったアドレスを使うと偽トークンを追加してしまうリスクがあります。信頼できる情報源からコントラクトアドレスを確認しましょう。
トークン名（Name：AB）、シンボル（Symbol: AB）、小数点以下桁数（Decimals）を入力し、インポートを完了させると、Trust Wallet の資産画面に AB が表示されます。そこから残高確認が可能です。
Trust Wallet で保管する利点は、ユーザーが秘密鍵を完全に管理できる点です。自己管理型ウォレットであるため、取引所に預けるのとは異なり第三者のリスク（取引所破綻、ハッキングなど）から資産を比較的独立して保護できます。
ただし、その自由には責任も伴います。スマートフォン紛失やアプリの不正アクセスに備えて、パスワードやバイオ認証の設定、定期的なバックアップなどを徹底する必要があります。
Trust Wallet から AB を送信する方法
Trust Wallet から AB トークンを他のウォレットや取引所へ送信する際には、以下の手順で行うのが一般的です。
まず、Trust Wallet アプリを開き、資産画面で AB を選択します。その画面で「送信（Send）」をタップし、送付先アドレスを入力または QR コードで読み取ります。送信先アドレスが正しいかを慎重に確認することが非常に重要です。
次に、送信したい AB の数量を入力します。続いてネットワーク手数料（ガス代）を確認し、必要に応じてトランザクション速度（例：高速／中速／低速）を選択します。ガス代が高すぎるとコストがかさむため、送金タイミングを見極めるのも一つのポイントです。
送金内容を最終確認したら、「確認（Confirm）」をタップしてトランザクションを実行します。送金後に発行されるトランザクションハッシュ（TxHash）を使って、ブロックチェーンエクスプローラ（たとえば Etherscan など）で送金状況を確認するのが安全です。「成功（Success）」と表示されていれば送金は完了しています。
送金のリスクとしては、誤ったアドレスの入力、ガス代の変動、ネットワーク混雑などが挙げられます。特に大口の送金や初めて送るアドレスには慎重を期すべきです。
bitFlyer（ビットフライヤー）取引所の紹介
bitFlyer（ビットフライヤー）は日本国内を代表する暗号資産（仮想通貨）取引所です。2014年に設立され、金融庁登録済みの仮想通貨交換業者として運営されています。
bitFlyer にはシンプルな売買ができる「販売所（Buy/Sell）」と、より高機能なトレーダー向け「Lightning（Lightning 取引所）」の２形態が存在します。
日本円による入金・出金が可能で、銀行振込やネットバンキングを通じて資金をやり取りできる利便性があります。加えて、bitFlyer はセキュリティ面でも強固な体制を掲げており、創業以来ハッキング被害がないという主張をしています。
一方で、bitFlyer の取り扱い仮想通貨リストを見ると、AB トークンは取り扱われていないことが確認されます。bitFlyer の公式「当社が取扱う仮想通貨一覧」に AB の名称やシンボルは記載されていません。
つまり、AB を売買または預け入れるためには、bitFlyer 単独では対応が難しく、他の取引所やウォレットを併用する必要がある可能性が高いです。
Trust Wallet と bitFlyer の比較（AB トークンの観点から）
AB トークンを保有・運用・送受信する際に、Trust Wallet と bitFlyer をどのように使い分けるかを考えるにあたり、それぞれの特性を理解しておくことが重要です。
まず Trust Wallet の利点を挙げると、秘密鍵を完全にユーザー自身がコントロールできる点が最も大きな強みです。これにより、取引所に資産を預けるリスクを回避できます。さらに、ウォレット上で AB の残高を管理し、送金や受取を自由に行えるため、柔軟性があります。DeFi やスマートコントラクトを利用する場面でも、ウォレットを介して直接やり取りできる利点があります。
しかし欠点として、ガス代（ネットワーク手数料）が発生する点や、ウォレットのセキュリティはユーザー責任である点が挙げられます。特にリカバリーフレーズの管理を誤ると、資産を回復できなくなるリスクがあります。また、スマートフォンを失ったり操作をミスしたりすることも想定されるため、安全性の確保には注意が必要です。
一方、bitFlyer の利点は信頼性と使いやすさです。日本国内で長年運営されており、金融庁登録業者であることから安心感があります。日本円での入金・出金が可能なため、日本のユーザーにとって非常に使いやすい取引所です。加えて、ビットコインや主要なアルトコインを扱っており、取引ツールも整っています。
しかし、AB トークンのようなマイナーまたは特定トークンについては、bitFlyer で取り扱いがないという大きな制限があります。これにより AB に関しては、bitFlyer だけで完結する運用は難しいという現実があります。さらに、取引所を利用する際にはハッキングリスクや運営リスクの懸念も無視できません。
運用戦略：Trust Wallet 主導 + 他取引所併用
AB トークンを効率的かつ安全に運用するためには、Trust Wallet を中心に据えながら、必要に応じて他の取引所を併用する戦略が現実的です。
まず AB を取り扱っている海外取引所（Binance、Bitget、その他対応プラットフォーム）で購入を行い、その後 Trust Wallet に送金して保管します。これにより、ウォレットでの自己管理を実現しつつ、流動性や売買の柔軟性を確保できます。
長期保有を考える場合、ウォレットに AB を置いたまま、将来のプロトコル参加やガバナンスへの関与を視野に入れることが可能です。一方で利益確定や資金化を目的とする場合、取引所へ一部を戻して売却、または別のトークンに交換するという方法も取れます。
セキュリティを強化するため、送金前にはアドレス確認、ガス代設定、バックアップ（リカバリーフレーズの保存）を徹底することが重要です。また、スマートフォンのロックやアプリロック、定期的なウォレット状態のチェックも忘れてはいけません。
リスクおよび注意点
AB トークンを扱う上で、以下のようなリスクと注意事項があります。
価格変動リスク：AB は過去に大きな価格変動を経験しており、将来的にも大きな変動が起こる可能性があります。
ガス代・手数料：トークン送受信時にはネットワーク手数料がかかるため、送金タイミングや手数料設定に注意が必要です。
鍵管理リスク：Trust Wallet のような自己管理ウォレットを使う場合、リカバリーフレーズの紛失や漏洩によって資産を失う恐れがあります。
取引所リスク：AB を扱う取引所が必ずしも安全とは限らず、資金を預ける場合はその取引所の信頼性やセキュリティを十分に確認する必要があります。
法規制・税務リスク：暗号資産に対する法規制や税制度は地域によって異なり、将来的な変化も考慮する必要があります。特にガバナンストークンやユーティリティトークンの保有は、税務上の取り扱いを確認しておくべきです。
結論
AB トークンは、かつての Newton プロジェクトを起源としながら、大規模なビジョンを持つブロックチェーン・プロジェクトの中心となるトークンです。その価格は歴史的に大きく変動しており、投資には慎重な判断が求められます。
Trust Wallet を活用すれば、AB を自己管理型ウォレットで安全に保管し、自由に送受信できます。これは中央取引所に依存しない資産管理の強みを活かす方法です。一方、bitFlyer のような国内大手取引所は信頼性・利便性の面で優れていますが、残念ながら現時点では AB を取り扱っていない可能性が高いため、AB 特有の運用には直接的には適していません。
したがって、AB トークンを扱う際には Trust Wallet を中心に据えつつ、AB を扱う他の取引所を併用する戦略 が最も現実的で安全性と利便性を両立させるアプローチと言えるでしょう。投資を始める際は、価格変動やコスト、セキュリティ、法規制などのリスクを十分に理解した上で、小規模から段階的にポジションを構築することを強くおすすめします。
