はじめに
近年、仮想通貨（暗号資産）の利用が広がる中で、安全に資産を管理できるウォレットの重要性はますます高まっています。本稿では、スマートフォン向けウォレット「Trust Wallet」を使って LEO トークン（UNUS SED LEO） を保管・送信する方法を詳しく解説します。あわせて、LEO の価格推移（歴史的な最安値・最高値）、および日本国内取引所 bitFlyer（ビットフライヤー） における特徴と強み・弱みを整理します。
LEO（UNUS SED LEO）とは
LEO（正式名称：UNUS SED LEO）は、iFinex 社（Bitfinex や Tether の関連企業）が発行するユーティリティトークンです。CoinPost によれば、LEO トークンは Bitfinex 取引所において取引手数料の割引などのユーティリティを持ち、毎月のグループ収益の一部を使って市場から買い戻し（バーン）される仕組みがあります。
また、LEO のバーンメカニズムにより供給量が抑制されるため、長期保有者には価値を保ちつつ増える可能性があるとの見方もあります。
Trust Wallet による LEO の保管および送金
Trust Wallet の基本と初期設定
Trust Wallet はスマートフォン向けのマルチ通貨ウォレットで、ERC-20 トークンなど多数のトークンに対応しています。最初にアプリをインストールした後、ウォレットを作成し、シードフレーズ（バックアップ用のフレーズ） を安全な場所に記録しておくことが重要です。
シードフレーズをバックアップしておかなければ、スマホを紛失した際に資産を復元できなくなるリスクがあります。
LEO（UNUS SED LEO）を Trust Wallet に追加する
Trust Wallet を開いたら、「トークンを追加」または「カスタムトークンを追加」という項目から、LEO トークンを登録します。具体的には、LEO のコントラクトアドレスを入力してカスタムトークンとして追加する必要があります。Trust Wallet は ERC-20 準拠のトークンをサポートしているため、LEO も問題なく扱えます。
トークンを追加後、ウォレット内に LEO の残高が表示されるようになり、送金や受け取りが可能です。
LEO の受け取り（入金）
LEO を他の取引所やウォレットから Trust Wallet に送る際には、まず Trust Wallet で「受け取り（入金）」をタップし、LEO のアドレス（ウォレットアドレス）をコピーまたは QR コードで取得します。
そのアドレスを送金元の取引所の出金画面に入力し、必要な数量を指定して送金手続きを行います。
送金にはガス代（トランザクション手数料）がかかりますので、ERC-20 ネットワーク（イーサリアム）の手数料を確認した上で適切な金額を設定する必要があります。
LEO の送金（出金）
Trust Wallet から別のアドレスへ LEO を送金するには、「送金（出金）」を選択し、送金先アドレスと数量を入力します。
ガス代を考慮しながらトランザクションを確認し、問題がなければ「確認（送金実行）」をタップして送信します。トランザクションがブロックチェーン上で承認されるまでには時間がかかることもあります。
また、送金先のアドレスが正しいか必ず二重に確認してください。誤ったアドレスに送ってしまうと資産を失うリスクがあります。
セキュリティとバックアップ
Trust Wallet を使う際には、セキュリティ対策が非常に重要です。以下のポイントは特に注意が必要です：
- シードフレーズを紙などのオフライン媒体に記録し、安全な場所に保管
- スマホに PIN コードや生体認証（指紋・Face ID）を設定
- アプリの定期アップデートを行い、最新のセキュリティ強化を受ける
- 不審なリンクやフィッシングに警戒する
これにより、ウォレットの紛失や不正アクセスのリスクを大幅に軽減できます。
LEO トークンの価格履歴（歴史的最安値・最高値）
LEO（UNUS SED LEO）はこれまで価格の変動が大きく、発行以来さまざまなフェーズを経ています。
- 最安値（All-Time Low）：CoinGecko によれば、LEO の過去最低価格は $0.7999（約 2019 年 12 月）です。
- 最高値（All-Time High）：同じく CoinGecko では、LEO の過去最高値は $10.14（2025 年 3 月頃）との記録があります。
- また、CoinLore のデータによれば、LEO が最も低かったのは $0.8105（2019年12月）、最高値は $9.93（2025年3月）と報告されています。
- 他のプラットフォーム（CoinCodex）でも、最高値は $10.07、最低値は $0.8028 とされており、いずれも数ドルの範囲を大きく超えた上昇履歴が確認されます。
このような価格推移は、LEO トークンが発行後の買い戻し（バーン）メカニズムや市場の需要によって価値を大きく伸ばしてきたことを反映しています。
bitFlyer（ビットフライヤー）取引所の紹介
基本概要
bitFlyer（ビットフライヤー）は、日本国内で非常に有名な暗号資産交換業者で、1995 年創業という長い歴史を持つわけではありませんが、2014 年に設立され、日本を代表する取引所の一つです。
金融庁登録業者であり、ユーザーに安全性の高い取引環境を提供している点が特徴です。
主なサービス
- 販売所（Over-the-Counter形式）：bitFlyer が保有する暗号資産を直接売買するサービス。初心者にも使いやすく、手数料は無料とされていますが、スプレッド（売買価格差）が存在するため実質のコストがかかることがあります。
- 取引所（bitFlyer Lightning）：板注文形式の取引が可能で、取引手数料が比較的低く抑えられています。
- クレジットカード決済：bitFlyer 発行のクレジットカードを利用した支払いで、ビットコイン還元を受けられるサービスがあります。
- 積立サービス：定期的に自動で暗号資産を購入する「つみたて」機能も提供されており、長期投資を志向するユーザーに適しています。
セキュリティ
bitFlyer は創業以来ハッキング被害報告がなく、高いセキュリティ体制を維持しているとされています。
また、契約締結前交付書面などを通じて、手数料やリスクの説明を明確に提供しており、透明性が高い運営を心がけています。
注意点・デメリット
- 販売所形式ではスプレッドが広めであるため、頻繁に売買をするトレーダーはコストに注意が必要です。
- レバレッジ取引などの高度なオプションは提供されているものの、取引量や流動性が限定される局面もあります。
- 日本円の入出金には銀行振込が必要な場合が多く、手続きに時間がかかることがあります。
Trust Wallet と bitFlyer：それぞれの強み・弱み比較
Trust Wallet の利点
- 自己管理型ウォレット：資産を自分でコントロールでき、取引所リスク（ハッキングや倒産など）を回避しやすい。
- 多数トークン対応：ERC-20 トークンをはじめ、多様な通貨を一つのアプリで管理できる。
- ユーザーフレンドリー：スマホアプリで直感的に入出金が可能。QR コードやアドレスのコピーも簡単。
- セキュリティ：シードフレーズのバックアップが可能で、生体認証や PIN などで保護できる。
Trust Wallet の弱み
- ガス代負担：送金時のガス代（特に ERC-20）をユーザーが負担する必要がある。
- 復元リスク：シードフレーズを紛失すると資産を復元できず、資産損失の可能性がある。
- 金融機能制限：ステーキングや貸出など取引所で提供されるサービスは利用できない（Trust Wallet 自体は取引所ではない）。
bitFlyer の利点
- 信頼性とセキュリティ：金融庁登録業者であり、創業以来ハッキング被害が報告されていない。
- 使いやすさ：日本語対応で、初心者でも直感的に操作可能。1 円から暗号資産を購入できる点も魅力。
- 多様なサービス：販売所・取引所・クレカ決済・積立と幅広く選択肢がある。
- 透明性：手数料構造やリスクについて明示されており、契約締結前の書面が整備されている。
bitFlyer の弱み
- コスト：販売所のスプレッドが広いことがあり、特に小口売買や頻繁な売買ではコストがかさむ。
- 制限：レバレッジや高度な金融商品は他の取引所と比べて選択肢が限られる可能性がある。
- 流動性：特定のアルトコインやマイナー通貨では流動性が十分でない場合がある。
- 出金・入金の手間：日本円の入出金には銀行振込などを利用する必要があり、即時性に制限がある。
結論および利用戦略の提案
LEO トークンを安全に保持しつつ取引機会を活用したい場合、Trust Wallet + bitFlyer の併用が有効な戦略です。
- 長期保有を目的とする LEO ホルダー：Trust Wallet によって自己管理を行い、バーンによる供給減少を狙う。
- 短期トレードや売買を目的とするユーザー：bitFlyer で売買しつつ、日本円の入出金や積立を活用。
- セキュリティを重視するユーザー：Trust Wallet でのバックアップを徹底し、リスク管理を強化。
また、LEO の価格が歴史的な高値・安値を経験している点から、価格のボラティリティには注意が必要です。取引を行う際には、過去の需要動向や市場ニュース、バーン予定などを定期的にチェックすることが望ましいでしょう。加えて、資産を分散することでリスクを分散し、潜在的な市場急変にも備える姿勢が重要です。
