はじめに — LDO（Lido DAO）とは
LDO は、リキッドステーキング・プロトコルを提供する Lido DAO のガバナンストークンです。Lido プロトコルは、Ethereum をはじめとした複数のチェーンに対してステーキングを提供しつつ、そのステーキング資産を流動性資産（例：stETH など）として扱えるようにします。これにより、ユーザーはステーキング報酬を得ながら、流動性を維持することが可能となります。LDO トークンはガバナンスへの参加や、Lido の運営方針を決める投票などに使われます。([turn0search8])
Lido は非常に大規模なプロトコルで、そのステーキング総額（TVL：Total Value Locked）は非常に高く、DeFi におけるステーキング基盤として重要な位置を占めています。
LDO の歴史的な価格 — 最低価格と最高価格
LDO の価格は過去に大きな変動を経験しています。以下は主な歴史価格です。
- 史上最高値（ATH）
LDO の最高価格は、2021年8月20日に 7.30 USD を記録しました。 - 史上最安値（ATL）
最安値としては 0.4061 USD 前後を記録した時期があり、CoinGecko などでも確認されています。 - 現在の価格帯
執筆時点での LDO の価格は CoinGecko によれば 約 0.67 USD 程度。 - 供給量
LDO の循環供給量はおよそ 8.9億枚、最大供給量は 10億 LDO とされています。
これらのデータから、LDO はピーク時には非常に高い評価を受けていたものの、現在はそのピークから大きく下落しており、価格変動リスクがかなり大きい資産であることがわかります。
Trust Wallet による LDO の保管と送金
Trust Wallet の概要
Trust Wallet は、スマートフォン向けの非カストディアルウォレットです。秘密鍵（リカバリーフレーズ）はユーザー自身が管理し、ウォレットにアクセスできるため、自分の資産を自分でコントロールできます。多数のブロックチェーンをサポートしており、Ethereum ネットワークにおける ERC-20 トークンも扱えます。
LDO は ERC-20 トークンであるため、Trust Wallet で保管・送信が可能です。
LDO の受け取り（保管）
Trust Wallet を使って LDO を受け取るには、まずアプリ上で Ethereum ネットワークを選択し、LDO をウォレットに追加します。もし一覧に見当たらない場合は、カスタムトークンとして LDO のコントラクトアドレスを登録することができます。
その後、ウォレットの「受け取る（Receive）」を選び、自分の LDO アドレスをコピーして、送金元（取引所など）に設定します。
トークン受け取り時には、ネットワークが Ethereum であることを必ず確認してください。誤ったチェーンを使用すると資金を失うリスクがあります。
LDO の送金
Trust Wallet から他のウォレットや取引所に LDO を送金する場合は、以下の手順が一般的です。
- Trust Wallet を起動し、Ethereum ネットワークを選択
- LDO トークンを選んで「送信（Send）」をタップ
- 送金先アドレスを入力、または QR コードをスキャン
- 送金量を入力し、手数料（ガス代）を確認
- 内容を確認し、送金を確定する
注意点として、Ethereum ネットワークのガス代は時期や状況によって変動します。特にガスが高騰しているタイミングには、送金コストが増える可能性があります。大きな金額を送る際や初めて送金する場合は、まず少額でテスト送金を行ってから本番を行うのが安全です。
セキュリティおよびリスク
Trust Wallet を通じて LDO を扱う際には、以下の点に注意することが重要です。
- 復元フレーズ（シードフレーズ）は安全な場所にオフラインで保管し、紛失や漏洩を避ける。
- Trust Wallet アプリおよびスマートフォン OS は常に最新版に更新する。
- フィッシングサイトや偽アプリに注意し、信頼できるソースからのみ操作を行う。
- 送金時にはアドレスの入力ミスを防ぐため、QR コードを使う、あるいは少額でテスト送金をする。
- 大きな送金や重要な操作を行う際は、ガス代の確認、ネットワークの混雑状況などを事前にチェックする。
bitFlyer（ビットフライヤー）取引所について
bitFlyer の基本概要
bitFlyer（ビットフライヤー）は日本国内で非常に知名度の高い暗号資産取引所です。日本円での入出金が可能であり、金融庁への登録も済んでいるため、信頼性の面で多くのユーザーに利用されています。UI（ユーザーインターフェース）も整っており、初心者から中上級者まで幅広く使われています。
bitFlyer には「販売所」と「取引所（Lightning）」の形式があり、ユーザーは目的に応じて使い分けが可能です。
bitFlyer における LDO 取り扱いの状況
現時点で bitFlyer の公開されている取り扱い仮想通貨リストには、LDO（Lido DAO） は含まれていないようです。
bitFlyer の “当社が取扱う仮想通貨” ページを確認しても LDO の表記は見当たらず、2025年時点では上場されていない可能性が高いと考えられます。
このことから、LDO を売買・保管・出金するためには、bitFlyer 以外の取引所（海外の取引所や DEX など）を利用する必要があると見なされます。
Trust Wallet と bitFlyer の比較 — LDO をめぐる観点での利点・欠点
Trust Wallet の利点（LDO に関して）
Trust Wallet を使うことで、LDO を非カストディアル形式で自己管理できるという強みがあります。これにより、取引所のハッキングリスクや運営リスクから資産を分離できます。
また、Ethereum ネットワークをサポートしているため、LDO のような ERC-20 トークンを直接扱うことが可能です。自由な送金ができ、ウォレットを通じたガバナンス参加や他ウォレット転送も柔軟です。
プライバシー面でも有利であり、自分の資産を自分で管理したいユーザーにとっては非常に有効な手段です。
Trust Wallet の欠点・リスク（LDO に関して）
その反面、ガス代（Ethereum ネットワークの手数料）が高騰する可能性がある点は無視できません。送金や操作を行うたびにガスを支払う必要があり、頻繁な取引ではコストがかさみます。
さらに、自己管理型ウォレットであるため、復元フレーズを失うリスクや不正アクセスのリスクがあります。アドレス入力ミスによる資金の誤送金も重大な懸念です。
また、ガバナンス参加やステーキングなどを目的とした場合、プロトコルの仕様（投票条件、ロック期間など）を十分理解していないと、思わぬ不利益や機会損失を被る可能性があります。
bitFlyer の利点（一般論）
bitFlyer は国内の大手取引所であり、法令順守・セキュリティ・日本円による入出金などの面で強みがあります。取引プラットフォームとして使いやすく、多くの日本居住者にとって入りやすい環境です。
また、取引形式が複数あるため、初心者は販売所、頻繁に取引する人は Lightning 取引所を使うなど、自分のスタイルに合った方法を選べます。
bitFlyer の欠点（LDO を想定した場合）
LDO が bitFlyer 上で取り扱われていないため、LDO を売買・出金・保管する場としては事実上使えないという大きな制約があります。
もし将来的に上場されない限り、LDO を管理するには別の取引所を利用しなければならず、その際には送金コストやリスクが伴います。
また、取引所に資産を預ける形になるため、カストディアルリスク（取引所のセキュリティや運営リスクなど）があります。
LDO を扱う際の運用戦略と注意点
LDO を保有・運用する際には、まず自分の目的を明確にする必要があります。単純な価格上昇を狙った投資なのか、Lido DAO のガバナンス参加や長期保有を目的とするのかで戦略が変わってきます。
長期保有やガバナンス投資を目的とする場合は、Trust Wallet のような自己管理ウォレットに LDO を保管し、ガス代やセキュリティを考慮した上で送金・操作を行うのが適切です。ガバナンス参加を行う際には、Lido の提案や投票条件（必要保有量、ロック条件など）を事前に確認しておくことが重要です。
もし売買を目的とする場合は、LDO を取り扱っている海外取引所（Bybit、Binance、KuCoin など）を利用することになるでしょう。購入時にアドレスを正しく入力し、送金手数料・受け取り手数料なども含めてコストを見積もっておくべきです。
送金タイミングを工夫することも重要です。Ethereum ネットワークのガス代が低い時間帯を狙う、あるいは大きな金額を送る際にはテスト送金を行って正確性を確認するなど、安全対策を徹底する必要があります。
ウォレットのセキュリティ維持も不可欠です。復元フレーズは物理的に分散して保管し、スマートフォンやアプリのアップデートを怠らないようにするべきです。さらに、不正な dApp やフィッシング攻撃に備えて、信頼できるリンク・サイトのみを使用する習慣をつける必要があります。
最後に、Lido プロトコル自体や LDO のトークンエコノミクス（供給量、ロック／アンロックスケジュール、ガバナンス構造など）について定期的に情報を収集し、市場変化やプロトコル改修に応じて運用方針を見直すことが望ましいです。
結論
- LDO（Lido DAO）は、リキッドステーキングという重要な DeFi 機能を支えるガバナンストークンであり、非常なユーティリティ性を持つ。
- 歴史的に LDO は 7.30 USD という高値を記録したが、その後大きく下落し、現在は約 0.60〜0.70 USD 程度で推移している。
- Trust Wallet を用いれば LDO を自己管理型ウォレットに保管・送金でき、ガバナンス参加や柔軟な管理が可能。ただしガス代やセキュリティ管理には注意が必要。
- bitFlyer は国内で信頼性が高い取引所だが、現時点では LDO を取り扱っておらず、LDO 運用には適していない。
- LDO を扱う際には、自分の目的（投資・保有・ガバナンス）を明確にし、ウォレットと取引所を賢く使い分ける戦略が重要。
