はじめに：EGLD（Elrond／MultiversX）とは
EGLD（以前は Elrond eGoldとして知られていた）は、MultiversX（旧 Elrond） ネットワークのネイティブトークンです。MultiversX は、高性能でスケーラブルなブロックチェーンを目指しており、Adaptive State Sharding やセキュリティ・ガバナンスを兼ね備えたプラットフォームとして設計されています。EGLD はネットワーク手数料、ステーキング報酬、ガバナンス投票、ノード参加などに利用され、ネットワークの安定性とユーザー参加を促進する重要な役割を果たしています。
また、EGLD 保有者はステーキングによって報酬を得ることができ、多くのトークンがステークされて供給流通量が制限されている点も特徴です。これにより、供給の希少性や長期保有インセンティブが強化されており、将来的なネットワーク成長とともに価値が維持される設計がなされています。
EGLD の価格変動履歴：過去最安値と最高値
EGLD の価格歴史は非常にドラマチックで、長期保有や投資を考える際の重要な要素となります。
- 過去最高値（ATH）
CoinCodex や CoinCheckUp によると、EGLD の史上最高値は $541.18（米ドル） で、2021年11月23日に記録されました。
- 過去最安値（ATL）
同じ CoinCheckUp のデータでは、最安値は $4.75 で、最近の記録として報じられています。
また CoinLore では、初期のかなり低い値（例：$4.46付近）も報告されており、非常に低価格からの歴史が確認できます。
- 現在価格および供給量
CoinCodex の最新情報によると、EGLD の現時点価格は 約 $7.79。
供給構造については、最大供給量が 31.42 M EGLD と定められており、循環供給量はおおよそ 28 〜 29 M EGLD 程度であると報じられています。
これらの価格レンジを通じて、EGLD は一時期非常な高騰を経験したものの、その後大幅に調整しており、現在は供給量・ステーキング率・ネットワーク成長を見据えた長期的な価値を考える局面にあると言えます。
Trust Wallet による EGLD の保管・送金方法
Trust Wallet を使って EGLD を安全に管理するには、いくつか重要なステップとポイントがあります。
まずスマートフォンに Trust Wallet をインストールして、新規ウォレットを作成します。ウォレット作成時に表示される シードフレーズ（復元フレーズ） は、必ず紙などのオフライン媒体に記録し、安全な場所に保管してください。これを失うとウォレットを復元できず、資産を失うリスクがあります。
次に、Trust Wallet 内で EGLD を追加します。アプリの「コインを追加（Add Coin）」機能を使用し “EGLD” または “MultiversX” を検索して選びます。EGLD は独自チェーン（MultiversX / Elrond ネイティブチェーン）を持つコインであるため、ERC‑20 などのトークンとは異なります。正しいチェーンを選ぶことが非常に重要です。
EGLD を受け取るには、ウォレットで EGLD を選択し「受け取る（Receive）」をタップします。アドレスが表示されるので、それをコピーして取引所や他のウォレットから送金元として使います。送金時にはチェーン設定を間違えないよう、充分に確認する必要があります。
出金（送金）を行うには「送る（Send）」を選び、宛先アドレス、送金量、手数料を入力します。EGLD ネイティブチェーンでのトランザクションでは手数料がかかるため、ウォレットに十分な EGLD や必要なネイティブ資産があるかを事前に確認してください。初めて送金する場合は、少額で テスト送金 を実施し、アドレスや手数料が正しいかを確かめる習慣をつけると安全性が高まります。
セキュリティ強化のためには、Trust Wallet に PIN コード や 生体認証（指紋、顔認証） を設定し、不正アクセスを防ぐ対策を講じることが望ましいです。さらに、定期的にウォレットのバックアップ（復元テストを含む）を行い、正しく復元できるかを確認しておきましょう。
長期保有またはステーキングを考えている場合には、ハードウェアウォレット（例：Ledger） を併用することも有効です。これにより秘密鍵をオフラインで管理し、より強固なセキュリティを確保できます。
bitFlyer（ビットフライヤー）取引所の紹介と EGLD の取り扱い状況
bitFlyer（ビットフライヤー）は日本国内の主要な暗号資産取引所で、金融庁登録済み、強固な資金管理と顧客サポート体制を持つ信頼性の高いプラットフォームです。ユーザーは日本円で入出金が可能で、国内での取引環境として広く利用されています。
しかしながら、bitFlyer の公開情報や通貨取扱一覧を調査したところ、EGLD（MultiversX / Elrond）は現時点で bitFlyer で取り扱われているという確かな情報は確認されていません。ビットフライヤーの通貨上場告知や FAQ、取扱銘柄リストには EGLD の名前は見当たらず、取引ペアや入出金に関する案内もありません。
このため、EGLD を取得・保有したい場合には bitFlyer 単独では困難であり、他の取引所（海外の中央集権取引所 や分散型取引所）を併用する必要があります。取得後は Trust Wallet など自己管理型ウォレットに送金して管理するという運用が現実的です。
Trust Wallet と bitFlyer の長所・注意点（EGLD の観点を含む）
EGLD を扱うにあたって、Trust Wallet と bitFlyer にはそれぞれ明確なメリットと制約があります。
まず Trust Wallet の利点は、非カストディアル型ウォレットであり、秘密鍵をユーザー自身が管理できる点です。これにより取引所に資産を預けるリスク（ハッキングや運営リスク）を軽減できます。EGLD のようなネイティブチェーン資産も安全に保管・送金でき、PIN や生体認証によるセキュリティ強化も可能です。さらに、カスタムコイン追加機能を利用して、将来的に他のネットワーク資産もまとめて管理することができます。
一方で Trust Wallet の欠点として、トランザクション手数料（EGLD ネイティブチェーンにおける）が発生する可能性があり、送金時にはチェーン選択ミスやアドレス入力ミスのリスクがあります。ウォレット復元に必要なシードフレーズを紛失すると資産を取り戻せないという重大なリスクも伴います。また、ウォレット単体では取引機能が限定的であり、売買は別の取引所に依存する必要があります。
bitFlyer の強みは、日本国内での圧倒的な信頼性です。金融庁登録済み取引所であり、資金保護や顧客サポート、法令順守体制がしっかりしています。日本円による入出金が可能で、日本人ユーザーにとって非常に使いやすい点が魅力です。
しかし、EGLD の取り扱いが確認されていないという大きな制約があります。これにより、EGLD の売買や保管を bitFlyer のみで完結させることは難しく、他取引所との併用が前提となります。また、取引所に資産を預ける形式にはカストディリスクがあるため、特に長期保有には注意が必要です。さらに、販売所形式を利用する場合、スプレッドや手数料の問題も考慮する必要があります。
実践的な運用戦略とアドバイス：EGLD の扱い方
EGLD を運用するにあたっては、まず自分の目的を明確にすることが重要です。長期保有（ホールド） を目指す場合、Trust Wallet やハードウェアウォレットに EGLD を移して自己管理し、ステーキングやガバナンス参加を通じてネットワークに貢献する戦略が適しています。これにより、取引所リスクを抑えながら安定した価値保持が可能になります。
トレード目的で売買を繰り返したい場合には、EGLD を扱っている海外の中央集権取引所（CEX）や分散型取引所（DEX）を活用し、その後 Trust Wallet に送金して管理する流れが現実的です。取引所を選ぶ際には、流動性、手数料、出金条件（EGLD のネイティブチェーン出金対応の有無）を慎重に検討してください。
送金時には、まず 少額でのテスト送金 を行い、アドレスやチェーン、手数料設定が正しいかをチェックする習慣をつけると不測の損失リスクを軽減できます。
セキュリティ強化の観点では、Trust Wallet に PIN や生体認証を設定し、シードフレーズをオフラインで厳重に保管することが基本です。また、定期的にウォレットの復元テストを行ってバックアップの信頼性を確認することも重要です。大きな資産を保有する場合やステーキングを活用する場合には、ハードウェアウォレットとの併用 を強く検討してください。
プロトコルの将来性を見極めるためには、MultiversX（Elrond）の開発ロードマップ、ステーキング率、ネットワーク使用量、ガバナンス提案などを継続的にウォッチすることが有効です。特にステーキング率が高い場合、流通供給がデフレ傾向になる可能性があり、それが中長期の価格形成に影響を与える要素となります。
リスク管理の観点からは、EGLD のみへの資産集中は避け、他の暗号資産（ステーブルコイン、インフラ・レイヤー1 トークン、DeFi トークンなど）と分散投資を行うアプローチを検討した方が安全です。これにより市場変動への耐性を高めたバランスの良いポートフォリオを構築できます。
結論
EGLD（MultiversX / Elrond）は、高性能ブロックチェーンネットワークを支えるネイティブトークンであり、ステーキング、ガバナンス、手数料支払いなど多岐にわたるユーティリティを持つ重要な資産です。価格履歴を見ると、かつて驚異的な高値を記録した一方で大きな調整を経ており、現在は供給とステーキング状況を見ながら長期的な価値を模索する段階にあります。
Trust Wallet を利用すれば、EGLD を自己管理で安全に保管・送金できる自由がありますが、チェーン選択や手数料、復元リスクには注意が必要です。一方、bitFlyer では現時点で EGLD の取り扱いが確認されておらず、単独での運用には限界があります。
EGLD を運用する際には、自分の目的を明確にし、セキュリティ、送金・取引戦略、将来性を考慮した総合的なアプローチを構築することが成功への鍵です。適切なウォレット管理と取引所選定を通じて、EGLD の潜在力を最大限に活かす運用を目指しましょう。
