はじめに：JST（JUST）とは
JST（JUST トークン）は、Just（ジャスト）ネットワーク のネイティブトークンであり、このプロトコルは主に TRON ブロックチェーン上で構築された分散型金融（DeFi）エコシステムを形成しています。Just はステーブルコイン「USDJ」の貸出・借入、担保管理などを提供するプラットフォームを展開しており、JST はこれらの機能を支えるガバナンストークンおよびユーティリティトークンとして機能します。JST 保有者は貸借プラットフォームの利用、ガバナンス参加、およびステーブルコインのプロトコルの安定性サポートに関与できる設計となっています。
JST の価格変動履歴：過去最安値と最高値
JST の価格履歴は非常に変動が大きく、長期保有やトレード戦略を練る際に重要な指標となります。
- 過去最高値（ATH）
CoinGecko や Bybit のデータによれば、JST の史上最高値は 約 $0.193254 です。
この水準は過去の強気相場で達成されたもので、JST の需要が非常に高かった時期を反映しています。 - 過去最安値（ATL）
CoinCheckUp や CoinGecko の記録によれば、最低価格は $0.004820（約 2020年5月9日）でした。
TRON 上でのローンチ初期段階からの価格を示すこの数字は、JST の価値がその後大きく成長したことを物語っています。 - 現在価格および供給量
Phemex や CoinMarketCap の最新データによれば、JST の現在価格は約 $0.034〜$0.036 のレンジで推移しています。
また、JST の総供給量は 9.90 B（9億9,000万）JST とされており、循環供給も同程度であるとの報告があります。
加えて、Upbit などの資料によれば、JST の流通数は時間とともに段階的に増加しており、将来的な供給管理が注目点となっています。
この価格履歴から、JST はローンチ以降の激しい変動を経て、比較的安定したステージにあることがうかがえます。
Trust Wallet による JST の保管および送金方法
Trust Wallet を使って JST を安全に管理するには、以下のような手順と注意点があります。
まず、スマートフォンに Trust Wallet アプリ をインストールし、新しいウォレットを作成します。ウォレット作成時には シードフレーズ（復元フレーズ） が表示されますが、これを紙などオフライン媒体にしっかり記録・保管することが不可欠です。これがなければ、スマホの故障や紛失によって資産を取り戻せなくなるリスクがあります。
次に、Trust Wallet 内で JST トークンを追加します。アプリの「トークンを追加（Add Token）」機能から “JST” を検索し、表示されたら選択します。もしデフォルトでリストにない場合には、「カスタムトークンの追加（Custom Token）」機能を使い、JST のコントラクトアドレスを正確に入力してください。コントラクトアドレスは、CoinMarketCap や TRON スキャンなど信頼できる情報源から取得するのが安全です。
JST を受け取る（入金）には、Trust Wallet で JST を選択後、「受け取る（Receive）」をタップします。ウォレットアドレスが表示されるので、これをコピーして取引所や別のウォレットからの送金元に指定します。このとき、送金チェーン（TRON など）が正しいかどうかを必ず確認してください。
JST を送金（出金）する場合は、「送る（Send）」をタップし、宛先アドレス、送金量、および送金手数料（ガス代）を入力します。TRON ネットワークを使う場合には、TRX が手数料として必要になることがありますので、事前にウォレットに十分な TRX を確保しておくことが重要です。初めての送金では、少額を使って テスト送金 を行い、アドレスや手数料が正しいかを確認する習慣をつけると安全性が高まります。
さらに、Trust Wallet のセキュリティを強化するためには、PIN コードや生体認証（指紋・顔認証など）を有効にすることを推奨します。不正アクセスのリスクを低減するには必須の設定です。また、定期的にウォレットのバックアップ（復元テストを含む）を行い、シードフレーズが正しく機能しているかを確認してください。
長期保有を想定する場合には、ハードウェアウォレット（例：Ledger） などを併用する方法も非常に有効です。オフラインで秘密鍵を管理することで、セキュリティをさらに強固にできます。
bitFlyer（ビットフライヤー）取引所の紹介と JST の取扱状況
bitFlyer（ビットフライヤー）は、日本国内を代表する暗号資産取引所のひとつです。2014 年に設立され、本社を東京に置き、金融庁登録済みの運営体制を持っています。信頼性が高く、日本円での入出金が可能で、多くの国内ユーザーに利用されています。
しかしながら、公開されている bitFlyer の新規通貨・上場通貨リストや取扱通貨 FAQ を確認したところ、JST（JUST トークン）を取り扱っているという信頼できる情報は確認できません。たとえば、bitFlyer が公開する最新資料や告知文には JST の記載がなく、公式プラットフォーム上でも JST の売買ペアは確認されていないようです。
この状況を踏まえると、JST を購入・保有するには、bitFlyer 単独での運用では限定的な選択肢しかなく、他の取引所（海外 CEX や DEX）を併用する戦略が現実的となります。取引所で取得した JST は、取引後に Trust Wallet など自己管理型ウォレットに移して保管する方法が望ましいです。
Trust Wallet と bitFlyer の長所・短所（JST の観点を含めて）
JST を扱う際には、Trust Wallet と bitFlyer の両方にそれぞれ利点と課題があります。
まず Trust Wallet の強みは、非カストディアル型ウォレットとしてユーザー自身が秘密鍵を管理できる点です。そのため、取引所に資産を預けることによるリスク（ハッキングや運営トラブルなど）を抑えることができます。ERC‑20 トークン（あるいは TRC-20 トークン）など幅広いトークンに対応しており、JST のようなトークンを安全に保管・送受金できます。アプリはスマートフォンで直感的に操作でき、PIN コードおよび生体認証を用いたセキュリティ強化が可能です。
一方で Trust Wallet にはいくつかの注意点もあります。トークン送金時にはネットワーク手数料（ガス代など）が発生する可能性があり、特に送金頻度が高い場合や少額送金ではコストがバカになりません。さらに、シードフレーズを紛失した場合にはウォレットを復元できず、資産を取り戻す手段がなくなります。加えて、Trust Wallet 単体では取引所のような売買機能が限定的であるため、JST の売買には別のサービスを併用する必要があります。
一方 bitFlyer の強みは、日本国内での信頼性と使いやすさです。金融庁登録済みであり、顧客資金保護や法令順守が徹底されており、日本円での入出金もスムーズです。初心者にも安心感があるプラットフォームであり、日本人利用者にとってアクセスしやすい点が大きな魅力です。
しかし、JST の観点では bitFlyer に重大な制約があります。現時点で JST の取り扱いが確認されておらず、bitFlyer 単体で JST を売買・保管することは難しい可能性が高いです。これにより、他取引所の併用が前提となるため運用が煩雑になることがあります。また、取引所に資産を預ける際には常にカストディリスク（取引所のハッキング、運営問題など）が存在します。さらに、販売所形式を使った取引ではスプレッドが発生することもあるため、コスト面で不利になる可能性があります。
実践的な運用戦略とアドバイス：JST をどう扱うか
JST を運用するにあたっては、まず自分の目的を明確にすることが重要です。長期保有（ホールド） を目的とするのであれば、Trust Wallet に JST を移して自己管理し、DeFi プロトコルとしての Just ネットワークの成長を見据える戦略が合理的です。これにより取引所リスクを低減し、プロトコルのガバナンスや将来的なステーブルコイン運用への関与も可能となります。
一方、トレード目的（売買） で運用する場合には、JST を取り扱っている海外取引所（中央集権型 CEX や分散型 DEX）を使って取得し、その後 Trust Wallet に送金して管理するフローが現実的です。取引所を選ぶ際には、流動性、手数料、出金オプション、ネットワーク（TRON など）対応状況を慎重に検討してください。
送金時には、まず テスト送金 を行いましょう。初めて送金する際に少額を送って、アドレスや手数料、ネットワークが正しいかどうか確認する習慣をつけることで、大きな損失リスクを防げます。
セキュリティ面では、Trust Wallet に PIN コードや生体認証を設定し、シードフレーズを紙などのオフライン媒体に厳重に保管することが基本です。定期的にウォレットの復元テストを行ってバックアップが有効であることを確認することも重要です。大きな資産を扱う場合や長期的に保有を検討している場合には、ハードウェアウォレット（Ledger など）との併用も強く検討すべきです。
また、Just プロトコルおよび JST の将来価値を見極めるためには、ガバナンス提案状況、USDJ ステーブルコインの利用量、借入・貸出総額、トークンのロックアップスケジュール、プロトコルのアップグレード計画などを定期的にモニタリングすることが有効です。
リスク管理の観点からは、JST のみへの資産集中を避け、ポートフォリオを他の暗号資産（例：ステーブルコイン、インフラ系トークン、DeFi トークンなど）と分散させるアプローチが望ましいです。これにより、価格変動リスクに対する耐性を向上させることができます。
結論
JST（JUST トークン）は、Just ネットワークを支える重要なガバナンスおよびユーティリティトークンであり、ステーブルコインの貸借や安定性維持に関わる役割を果たしています。価格履歴を見ると大きな変動を経験してきたものの、現在は比較的成熟した段階にあり、長期保有やプロトコルへの関与が有効な投資対象です。
Trust Wallet を利用すれば、JST を自己管理型ウォレットで安全に保管・送金でき、秘密鍵を自分で管理する自由があります。一方、bitFlyer では現時点で JST の取り扱いが確認されておらず、取引には他の取引所との併用が不可欠です。
JST を運用する際には、自分の目的を定め、セキュリティや取引戦略、将来性分析を総合的に考えたアプローチを設計することが重要です。適切なウォレット管理と取引所選定を通じて、JST の潜在力を上手に活かすことができるでしょう。
