ADX（AdEx）とは・価格の歴史
ADX は AdEx（AdEx Network、現在は Ambire AdEx を含む） のネイティブトークンです。AdEx は分散型広告 (Decentralized Advertising) を実現するためのプロトコルとして発足し、広告主、パブリッシャー、消費者の間に信頼性の高い報酬モデルを提供することを目指していました。さらに、Ambire との統合により DeFi ウォレットやステーキング機能を持つプラットフォームへと進化しています。
ADX はガバナンストークンとして機能し、ネットワークの意思決定や報酬の分配に関与する主要なユーティリティを持っています。AdEx の設計は、広告モデルのみならず、ウォレットおよび DeFi インフラストラクチャとしても重要な役割を果たすようになっています。
価格の歴史を確認すると、CoinGecko によれば ADX の 過去最高値 (ATH) は 3.49 米ドル で、2018年1月9日付近に記録されました。
一方、過去最安値 (ATL) は 0.03511504 米ドル (2020年3月13日) という記録があります。
流通量 (Circulating Supply) は CoinGecko で約 147.9 百万 ADX、最大供給量は 150 百万 と報告されています。
また、価格が最高値から大幅に調整していることから、ADX は非常なボラティリティを示してきたトークンであり、プロトコルとしての成長と市場リスクの両面を併せ持つ資産です。
Trust Wallet による ADX の保管・送信
Trust Wallet（トラストウォレット） は iOS／Android 向けのノンカストディ型ウォレットであり、ユーザーが秘密鍵 (シードフレーズ) を自ら管理できます。これによって、中央取引所に資産を預けるリスク (破綻・ハッキングなど) を軽減し、自分の資産を安全に管理できます。
まず、Trust Wallet アプリをインストールし、「新しいウォレットを作成」または既存ウォレットの復元を行います。新規作成時にシードフレーズ (12または24単語) が表示されるため、それをオフライン (紙やハードウェア) に記録し、厳重に保管してください。
ウォレット作成後、「資産 (Tokens)」画面に移動して「トークンを追加 (Add Token)」を選びます。ADX は Ethereum ベース (ERC‑20) トークンであるため、カスタムトークンとして追加する場合は ADX のコントラクトアドレス (例：0xade00c28244d5ce17d72e40330b1c318cd12b7c3 と CoinGecko に記載) を正しく入力します。
トークンを追加したら、資産一覧から ADX を選び、「受け取る (Receive)」をタップします。自身の ADX アドレス と QR コードが表示されるため、他のウォレットや取引所からそこへ送金すれば、Trust Wallet に ADX を保管できます。
ADX を送る (出金) 場合は、ウォレット内で ADX を選択し「送信 (Send)」を押します。送信先アドレスを入力または QR コードで読み取り、送金量を指定します。ERC‑20 トークンであるため、ガス代 (手数料) を支払うには ETH が必要ですので、ウォレットには十分な量の ETH を保持しておく必要があります。
送金内容 (アドレス、数量、手数料) を慎重に確認し、確定します。セキュリティ強化のため、パスコードや生体認証 (指紋／顔認証) による承認を有効にしておくと安心です。トランザクションはネットワークへブロードキャストされ、承認 (コンファメーション) を得て最終的に送金が完了します。
注意点として、送金先アドレスを誤ると資産を失うリスクがあります。また、ネットワークが混雑しているとガス代が高騰する可能性があること、そしてシードフレーズ (秘密鍵) の漏洩や紛失が発生した場合、資産を取り戻せなくなる重大なリスクがある点を理解しておく必要があります。
bitFlyer（ビットフライヤー）取引所の紹介と ADX の関係
bitFlyer（ビットフライヤー） は日本を拠点とする大手暗号資産取引所で、金融庁に登録された正規業者です。販売所 (簡単売買) と取引所 (Lightning 取引所) の両方を提供し、初心者から上級者まで対応可能なプラットフォームです。
また、顧客資産を分別管理する仕組みやセキュリティ対策を整えており、安全性の高い環境を提供しています。
しかしながら、公開されている bitFlyer の取り扱い仮想通貨 (公式サイトの通貨リスト) を確認した限り、ADX (AdEx) の取り扱いは確認されていません。これは、ADX の売買・入出金に bitFlyer を使う選択肢が現実的ではないことを意味します。
この状況から、ADX を保有または取引したいユーザーは、ADX を取り扱っている海外取引所 (例：Bybit、Kraken など) を選ぶ必要がある可能性が高いです。
Trust Wallet と bitFlyer の比較：長所・短所
Trust Wallet は、自己管理型ウォレットとして非常に自由度とセキュリティを兼ね備えています。秘密鍵 (シードフレーズ) をユーザーが保持できるため、取引所に資産を預けるリスク (破綻や凍結) を避けられます。さらに、多くの ERC‑20 トークン (ADX など) に対応しており、送受金、スワップ、DeFi やガバナンス参加などをモバイルから直感的に行える利点があります。
一方で、Trust Wallet にはガス代 (手数料) が必要であり、ネットワークの混雑状況によって送金コストが変動するリスクがあります。送金時にアドレスを誤ると資産を失う可能性もありますし、シードフレーズの管理を誤ると資産を取り戻せなくなるという重大な責任があります。
bitFlyer の強みは、日本国内ユーザーにとっての信頼性と利便性です。日本円での入出金が容易で、銀行との連携が整っており、金融庁登録事業者としての信頼性があります。また、販売所と取引所 (Lightning) の両方を提供しているため、初心者からトレーダーまで幅広い使い方に対応可能です。
しかし、ADX のような特定トークンを取り扱っていない点は大きな制約です。つまり、ADX を取引・保管する目的には bitFlyer は適さない可能性があります。さらに、資産を取引所に預ける形式であるため、中央集権型取引所固有のリスク (ハッキング、経営リスクなど) も存在します。
ADX の活用戦略とシナリオ
ADX を保有・運用する際には、まず自分の目的を明確にする必要があります。もし長期保有 (ホールド) を考えているなら、Trust Wallet に ADX を保管しながら、AdEx / Ambire のプロトコル成長 (広告、ガバナンス、ウォレット機能) を見守る戦略が適しています。
ガバナンス参加やステーキング (もしあれば) に関心がある場合は、ウォレットに ADX を保有しつつプロトコルへの貢献を通じて報酬を得る方向も考えられます。
トレード目的が強い場合は、ADX を取り扱う海外取引所 (例：Bybit、Kraken など) へ送金し、そこで売買を行う戦略が現実的です。その際には送金コスト (ガス代)、取引所手数料、流動性などを十分に検討することが重要です。
リスクと将来展望
ADX (AdEx) は広告と DeFi を統合するプロトコルとして独自性がありますが、価格は過去の高値から大きく下落しており、投資リスクは無視できません。特に、トークン流通量やプロトコルの採用が今後どう進むかは不確実性があります。
自己管理ウォレット (Trust Wallet) を使う場合、ユーザーには技術的な知識やウォレット運用能力が求められます。特にシードフレーズの保管は最も重要な部分であり、これを失うと資産を失う可能性があります。
将来的には、AdEx / Ambire がウォレット機能や DeFi 機能をさらに進化させ、広告モデルとユーザーベースを拡大できれば、ADX のユーティリティと需要は再び高まる可能性があります。特にウォレットユーザーの増加やステーキング、ガバナンス参加が拡充すれば、トークンの価値が中長期で底上げされるシナリオも考えられます。
結論
ADX（AdEx / Ambire AdEx トークン）は、分散型広告と DeFi を統合する志の高いプロトコルの中核をなす資産です。価格履歴には大きな変動があり、将来的な成長性とリスクの両方を併せ持っています。
Trust Wallet を活用すれば、ADX を自己管理型ウォレットで安全に保管・送受信でき、長期保有やプロトコル参加 (ガバナンス) に最適な運用が可能です。一方、bitFlyer では現時点で ADX の取り扱いが確認されておらず、ADX の取引や保管には適した選択肢ではない可能性があります。
ADX に関与を検討する際には、自分の目的 (投資・運用・参加) を明確にし、Trust Wallet と信頼優良な取引所を組み合わせた戦略を立てることが非常に重要です。
