１．Ethereum（ETH）とは
Ethereum（イーサリアム）は、ヴィタリック・ブテリンらによって設計されたオープンソースの分散型プラットフォームで、スマートコントラクト（プログラム可能な契約）を動作させることができます。 bitFlyer によると、Ethereum ブロックチェーンで使われる通貨単位は「ETH（イーサ）」と呼ばれ、日本国内でも広く認知されています。
Ethereum は、かつては Proof-of-Work（PoW）方式を採用していましたが、大型のアップデート「The Merge（マージ）」により、現在は Proof-of-Stake（PoS）方式を採用しています。これにより、より環境負荷が低く、ステーキングによる報酬の仕組みも提供されています。
ETH はプラットフォームを支えるネイティブ通貨として、トランザクション手数料（ガス）支払いや、DeFi やステーキングなど多様なユースケースで用いられています。
２．ETH の価格履歴：過去最低値および最高値
ETH（イーサ／Ether）の価格は、リリース以降、非常に大きな変動を経験してきました。以下に主な歴史的な数値を示します。
- 最低価格（ATL, All-Time Low）：
CoinLore のデータによれば、2015年10月に 約 $0.4457 を記録した時期があります。 - 最高価格（ATH, All-Time High）：
同じく CoinLore の情報では、2025年8月時点で 約 $4,793 に達したことがあるとされています。 - 他データソースでも、Coincheckup は ETH の最安を $0.4209（2015年10月）としており、最高値を $4,946.50（2025年8月）と報じています。
これらの変動を見ると、Ethereum は発足初期には非常に低価格であったものの、技術の発展、採用拡大、ステーキングや DeFi の広まりにより大きく価値が成長してきたことが分かります。
３．Trust Wallet による ETH の保管と使用方法
Trust Wallet（トラストウォレット）は、ユーザー自身が秘密鍵を管理できる非カストディアル型ウォレットであり、ETH のような暗号資産を安全に保管、送受信するのに非常に適しています。
3.1 ETH の追加と残高確認
- Trust Wallet をスマートフォンにインストールし、アプリを起動します。
- 画面下部またはメイン画面で「ウォレット」タブを開きます。
- トークン一覧または資産一覧から「イーサリアム（ETH）」を見つけて有効化します（表示されていない場合は “Add Tokens（トークンを追加）” から探すことも可能です）。
- 一度有効化すれば、市場価格や保有量がウォレットに表示されるようになります。
3.2 ETH の受け取り（入金）
- Trust Wallet 内で “Receive（受取）” をタップします。
- イーサ（ETH）を選択し、ウォレットアドレス（または QR コード）を表示します。
- そのアドレスを送金元（取引所、別ウォレットなど）に伝えて、ETH の送金を依頼します。
- トランザクションがブロックチェーンで承認されると、数分程度でウォレット残高に反映されます（ネットワークの混雑状況により時間が変動する場合があります）。
3.3 ETH の送信（出金）
- Trust Wallet で “Send（送信）” をタップします。
- 送信対象を ETH に設定。
- 送金先アドレスを入力または QR コードをスキャンして指定します。
- 送金額を入力します。
- ガス代（手数料）を確認します。Ethereum の場合、ガス料金が変動しやすいため、ウォレットに十分な ETH をガス用に保持しておくことが重要です。
- 最終確認後、「Send（送信）」を承認してトランザクションを実行します。
3.4 セキュリティと注意点
- リカバリーフレーズ（シードフレーズ）：Trust Wallet の初期設定時に発行されるリカバリーフレーズは非常に重要です。これを紛失したり他人に知られると、ウォレットを復元できなくなったり資産を盗まれる可能性があります。安全な場所にオフラインで保管してください。
- アドレス・ネットワーク確認：送金時には、送金先アドレスが正しいか、誤ったネットワークを選んでいないかを慎重に確認してください。間違ったアドレスやネットワークへの送金は資産を失うリスクがあります。
- ガス代の管理：ガス料金はネットワークの混雑状況により上下します。トランザクションを送る前に現在のガス代をチェックし、必要な分の ETH を確保しておくのが望ましいです。
- アプリ更新：Trust Wallet アプリはセキュリティ改善や機能強化のために定期的にアップデートされます。常に最新版を使用するようにしてください。
４．ETH と bitFlyer での取引
4.1 bitFlyer における ETH の扱い
bitFlyer は日本国内の主要な暗号資産交換所であり、ETH（イーサ）を取扱っています。公式の “イーサリアムとは” ページでも、ETH を「イーサ」と呼び、Ethereum プラットフォームとの関係性を紹介しています。
また、bitFlyer はイーサリアムのステーキングサービス提供を発表しており、ETH を預けて報酬を得る仕組みを整えつつあります。
さらに、bitFlyer Crypto CFD（差金決済取引）においても ETH のレバレッジ取引を予定しているというアナウンスがあります。
4.2 Trust Wallet から bitFlyer への ETH 送金手順
Trust Wallet に保管している ETH を bitFlyer に送金して取引を行いたい場合、次のような流れが一般的です。
- bitFlyer で入金アドレスを取得
- bitFlyer にログイン →「入出金」→「暗号資産」→ “ETH（イーサ）” を選択。
- “預け入れ（入金）” 用のアドレスが表示されるので、それをコピーあるいは QR コード化します。 - Trust Wallet で送信処理をする
- Trust Wallet で “Send（送信）” → ETH を選択。
- bitFlyer から取得した入金アドレスを宛先に入力。
- 送金額を指定し、ガス代を確認。
- 内容を確認して「送信」を実行。 - 着金確認
- bitFlyer の入金履歴などで、ETH の着金を確認します。
- ネットワークの混雑やガス代によっては、着金まで時間がかかることがありますので注意が必要です。
５．ETH を Trust Wallet で保有するメリットおよびリスク
5.1 メリット
- 自己管理の自由
Trust Wallet を使えば、ETH の秘密鍵を自分で管理でき、取引所に資産を預けっぱなしにするリスクを抑えられます。 - ステーキング参加
将来的にステーキングを行う際、自分のウォレットから直接 ETH を送信・管理できるため、柔軟に運用が可能です。 - DeFi 活用
Trust Wallet から DeFi プロトコル（分散型金融）へ ETH を直接送って預け入れたり、流動性提供などを行うことができます。 - 送金の柔軟性
自分のウォレットから他の取引所や友人・家族のウォレットに ETH を送金できるため、資産の運用や移動がしやすいです。
5.2 リスク
- 価格変動リスク
ETH は過去に非常に大きな価格変動を経験しています。高値で購入した場合、短期的な下落リスクは常にあります。 - ガス費の負担
ネットワークが混雑している時にはガス代が高騰するため、送金コストが増加する可能性があります。 - 送金ミスのリスク
アドレス入力ミスやネットワーク選択ミスがあると、資産を失う危険があります。 - ウォレットの紛失リスク
リカバリーフレーズを失ったり盗まれたりすると、ウォレットへのアクセスを回復できなくなる可能性があります。 - ステーキング・セキュリティリスク
ステーキングを行う場合、プロトコルのバグや運営リスク、ノード・スラッシング（削除リスク）などに注意が必要です。
６．まとめおよび今後の展望
- ETH（イーサリアム）はスマートコントラクトを実行できる強力なプラットフォーム通貨であり、DeFi や Web3 の中心的存在です。
- 歴史価格を見ると、最低で約 $0.44 程度、最高では数千ドルと非常に大きな変動を経験してきました。
- Trust Wallet を使えば、ETH を安全かつ柔軟に管理でき、送受金や DeFi 活用、ステーキングなど多様な使い方が可能です。
- bitFlyer では ETH の取引およびステーキングサービスが提供されており、Trust Wallet からの送金によって資産を取引所に移すことも可能です。
- 投資・運用を考える際には、価格変動リスク、ガス代、ウォレット管理、セキュリティなど多面的にリスクを評価し、慎重に行動することが重要です。
