Internet Computer（ICP）とは — 基本概要
Internet Computer（インターネット・コンピュータ、ティッカー：ICP）は、Dfinity（DFINITY）財団が開発したブロックチェーン・プロトコルで、“世界コンピュータ（World Computer）” を目指す設計が特徴です。ICP は、従来のクラウドサービスに代替する、高性能な分散型 Web サービスの構築を可能にし、スマートコントラクトだけでなく Web アプリケーションを直接ブロックチェーン上に構築できるという意図があります。
このトークンは、ネットワークのガバナンス、トランザクション手数料、ノード報酬などに用いられます。
ICP の価格履歴 — 過去最低価格と最高価格
ICP の価格履歴を確認すると、非常に激しい値動きを経験してきたことがわかります。
- 最高価格（All‑Time High, ATH）
CoinGecko のデータによれば、ICP の史上最高値は 700.65 USD です。
Bybit などでも同じ ATH が報告されています。
これは 2021年5月ごろの非常に高い注目を集めた時期に記録されたものです。 - 最低価格（All‑Time Low, ATL）
CoinGecko によると、最安値は 2.23 USD（2025年10月）です。
また、CoinMarketCap のデータでも 1.98 USD 前後を示す時期があることが報告されています。
CoinCodex など別の情報源では 2.73 USD を ATL とする記録もあり、価格レンジの幅には複数の見方があります。 - 変動の背景
ICP はローンチ時の高い期待とその後の調整によって大きく価格が上下しました。Reddit などのコミュニティでは、「ローンチ直後に高額で上場したが、その後大口売却が続いた」といった意見も見られます。 > “It had the most explosive start … it entered the top 10 … but … now trading below $10”
また、一部のユーザーからは価格操作の懸念も指摘されています。 > “Something about the price at launch didn’t click … FTX launched an ICP perp … which raised the price … without even offering a spot for the token.”
Trust Wallet による ICP の管理
Trust Wallet とは
Trust Wallet（トラストウォレット）は、スマートフォン向けの非カストディアル（自己管理型）ウォレットです。ユーザー自身が秘密鍵を管理し、多くのトークンおよびチェーンに対応できます。ICP もこのウォレットで扱うことが可能です。
ICP を Trust Wallet に追加・保管する方法
- ウォレット起動
スマートフォンで Trust Wallet アプリをインストールして起動し、新規ウォレットを作成するか既存ウォレットにアクセスします。 - トークンを追加
資産一覧画面で「＋（トークン追加）」をタップし、「ICP」「Internet Computer」などを検索します。該当するトークンを見つけたら、リスト上で有効化します。 - 受け取りアドレスの取得
ICP を選択後、「受け取る（Receive）」をタップします。ウォレットに表示されたアドレスをコピーし、取引所や他ウォレットからそのアドレスへ ICP を送金することで保管できます。 - リカバリーフレーズのバックアップ
ウォレット作成時に表示されるリカバリーフレーズ（ニーモニック）または秘密鍵を、安全なオフライン環境で保管してください。これらを紛失すると資産を復元できないリスクがあります。
保管・運用時のポイント
- トランザクション手数料
ICP の送金時にはネットワーク手数料が発生する可能性があります。送金前にはガス代の見積もりを確認し、十分な残高を確保しておく必要があります。 - ステーキング／ガバナンス
ICP ホルダーは将来的にネットワークのガバナンスに参加することが想定されています。ただし、Trust Wallet 上でステーキング機能を完全サポートしているかどうか、および参加できるバリデーターの選定などを慎重に行うべきです。 - セキュリティ管理
送金時のアドレス誤入力、チェーンのミスマッチ、不正ウォレットとのやり取りなどのリスクがあります。操作時には慎重に確認し、秘密鍵やバックアップは厳重に管理しましょう。
Trust Wallet から取引所への送金（例：出金）
Trust Wallet に保有している ICP を取引所または別ウォレットに送金する手順は、以下のとおりです：
- 送金先アドレスの取得
出金先の取引所またはウォレットで、ICP（対応ネットワーク）用の入金アドレスを取得します。 - 送金準備
Trust Wallet を開き、ICP を選択 → 「送金（Send）」 → 送金先アドレスを貼り付け → 送金数量を決定します。 - 手数料確認
ネットワーク手数料を見積もり、送金後に残すべき ICP の量を考慮します。 - 送金実行
アドレス、数量、手数料を慎重に確認し、問題がなければトランザクションを確定させます。 - 送金確認
送金後にトランザクション ID（TXID）を取得し、ICP ブロックチェーン対応のエクスプローラーでトランザクションのステータスを確認します。
bitFlyer における ICP の取扱状況
調査した範囲では、bitFlyer（ビットフライヤー）による Internet Computer（ICP）の取り扱いは確認されていません。bitFlyer の通貨リストおよび公式情報を参照しても、ICP の記載は確認できず、入金・出金・売買対象としての対応が公式に表明されていない可能性があります。
そのため、ICP を取引または出金するには、ICP を扱っている別の取引所（例：Coinbase、Kraken、Bybit など）を活用し、そこから Trust Wallet に送金して運用する方法が現実的です。さらに、送金先の取引所が ICP の対応ネットワークやアドレス形式をサポートしているかを事前に確認することが重要です。
リスクおよび注意点
ICP を Trust Wallet で保有・運用する際には、以下のリスクや注意点を十分に理解しておくべきです。
- 価格変動リスク
ICP は発行以来、ATH から極端に下落した歴史があり、高い価格変動リスクがあります。保有は中長期戦略を視野に入れる必要があります。 - 取引所非対応リスク
bitFlyer のような主要国内取引所で対応していない可能性があるため、売買や出金に使う取引所を慎重に選ぶ必要があります。 - 送金コスト
Ethereum などのネットワークを利用する場合、高額のガス代が発生することがあるため、送金前に手数料を見積もっておく必要があります。 - ステーキング／ガバナンスの不確実性
ステーキングやガバナンス参加による潜在的な報酬は魅力的ですが、バリデーター選び、ロック期間、報酬率変動などのリスクがあります。 - セキュリティリスク
秘密鍵やリカバリーフレーズの管理を不適切に行うと、資産を失うリスクが高まります。不正アクセスやフィッシングにも十分に警戒すべきです。
将来性とまとめ
- 技術的ビジョン：Internet Computer は、「Web3 の未来」を見据えた分散型インターネット基盤を構築するという野心的なプロジェクトです。スマートコントラクトだけでなく、ウェブアプリもブロックチェーン上で動作させることを目指しています。
- トークンユーティリティ：ICP はトランザクション手数料、ガバナンス、ステーキング報酬など、ネットワーク運営に深く関与するユースケースを持っています。
- 価格履歴：過去最高値は非常に高額（700 USD 台）であった一方、現在の価格はその大部分を下回っており、投資には大きなリスクとチャンスが共存しています。
- ウォレット戦略：Trust Wallet を使用することで ICP を安全に管理できますが、送金時やガス代、ネットワーク選定には注意が必要です。
- 取引戦略：bitFlyer など国内取引所での取り扱いがない可能性があるため、国外取引所を活用する戦略が現実的です。
- リスク管理：価格変動、ステーキング運用、セキュリティなどのリスクを十分に理解し、保有・運用戦略を慎重に設計することが望まれます。
