VeChain（VET）とは — 基本概要
VeChain（ヴィー・チェーン）は、企業向けブロックチェーン・プラットフォームとして設計されたプロジェクトで、サプライチェーン管理、IoT（モノのインターネット）、物流、品質管理など実ビジネス用途での活用を強く意識しています。VeChain のネイティブトークンが VET です。
VET は VeChain ネットワークにおける価値の転送手段として使われるだけでなく、エコシステム内でのガバナンスやネットワーク参加にも関与できます。また、VeChain には別トークン「VTHO（VeThor）」があり、VET を保有・ステーク（ある種の保有）することで VTHO が生成され、それをネットワーク使用料（ガス代）として使う構造があります。
VET の価格履歴 — 過去最安値と最高値
VeChain (VET) の価格推移を振り返ると、大きな変動を経験してきたことがわかります。
- 過去最高価格（ATH）
CoinGecko によれば、VET の史上最高値は 0.2810 USD 付近です。
TokenAlphabet の履歴データでも、最高値が $0.2809（2021年4月19日） と報告されています。 - 過去最安価格（ATL）
CoinGecko では、最安値が 0.001917 USD（2020年3月13日）と記録されています。
TokenAlphabet でも同様に、最安値は $0.001917 と示されており、過去には非常に低水準を経験していたことが確認できます。 - 価格変動の背景
VeChain は企業用途を強く持つプロジェクトであるため、実際の採用や企業との提携実績が価格に影響を与えてきました。一方で、暗号資産全体の相場の上げ下げやマクロなリスク、トークン供給量、投資マインドによっても大きく変動してきた歴史があります。
Trust Wallet による VET の管理
Trust Wallet とは
Trust Wallet（トラストウォレット）はスマートフォン向けの非カストディアルウォレットで、ユーザー自身が秘密鍵を管理できます。多数のブロックチェーンやトークン規格に対応しており、VeChain の VET も対応資産のひとつです。
VET を Trust Wallet に追加・保管する方法
- ウォレットの設定
スマートフォンで Trust Wallet アプリを起動し、新しくウォレットを作成するか既存ウォレットにアクセスします。 - トークンを追加
ウォレット画面で「＋（トークン追加）」をタップし、「VET」または「VeChain」と入力して検索。VeChain (VET) がリストに表示されたら、有効化してウォレットに追加します。 - 受け取りアドレスの取得
VET を選択し、「受け取る（Receive）」をタップ。ウォレットに表示される VET 用アドレスをコピーします。このアドレス宛に取引所や別ウォレットから VET を送金できます。 - バックアップ
ウォレット復元のためのリカバリーフレーズ（ニーモニック）および秘密鍵は、信頼できるオフライン環境に慎重に保管してください。漏洩や紛失は資産喪失のリスクとなります。
保管・運用時のポイント
- ステーキング／ステーク相当の運用
VeChain ネットワークでは、VET を保有することで VTHO の生成（報酬相当）が可能な仕組みがあります。Trust Wallet からステーキング相当の操作が可能かどうか、ウォレットのバージョンや機能を確認する必要があります。 - 送金手数料
VET を他ウォレットや取引所に送金する際には手数料が発生する場合があります。送金前に必要な手数料を見積もり、十分な残高を確保しておくことが重要です。 - セキュリティ管理
送金アドレスの間違いや不正なウォレットとの連携を防ぐため、送金操作前には常にアドレスを慎重に確認する必要があります。また、秘密鍵やリカバリーフレーズの管理も徹底すべきです。
Trust Wallet から送金（例：取引所への出金）
Trust Wallet に保有している VET を取引所または別ウォレットに送金する流れは以下の通りです。
- 送金先アドレスの準備
出金先の取引所やウォレットで VET（VeChain ネットワーク）対応の入金アドレスを取得します。 - 送金準備
Trust Wallet を開き、VET を選択 → 「送金（Send）」をタップ → 送金先アドレスを貼り付け → 送金数量を入力。 - 手数料の確認
送金時に見積もられる手数料を確認し、送金後にウォレットに残すべき VET の量や手数料分を見積もります。 - 送金実行
アドレス、数量、手数料を慎重に確認し、問題がなければトランザクションを実行します。 - 送金の確認
送金後にトランザクション ID（TXID）を取得し、VeChain ブロックチェーンエクスプローラー（VeChain Explorer など）でステータスを確認します。
bitFlyer における VET の取扱状況
調査した範囲では、bitFlyer（ビットフライヤー）において VET（VeChain）が取り扱われているとの明確な情報は確認できません。bitFlyer の公開資料や仮想通貨ラインナップに VET が掲載されている記録が見つからず、現在のところ bitFlyer では VET の売買や出入金に対応していない可能性があります。
bitFlyer は日本国内で非常に知名度のある取引所ですが、全てのアルトコインを取り扱っているわけではなく、VET のような特定のトークンは非対応のまま運用されている場合があります。
そのため、VET を取引または出金したい場合、VET に対応している他取引所（国内または海外）を利用し、そこから Trust Wallet に送金して保管・運用する方法が現実的です。
リスクおよび注意点
VET を Trust Wallet で保有・運用する際には、以下のようなリスクと注意点があります。
- 価格変動リスク
過去の最高値と最安値を見ても価格の振れ幅が大きいため、投資・長期保有には価格リスクがあります。 - 取引所流動性／対応リスク
bitFlyer など特定の取引所で VET に対応していない可能性があるため、売買や出金時には対応取引所を慎重に選ぶ必要があります。 - ステーキング報酬リスク
VET の保有によって VTHO を得ることができる仕組みがありますが、報酬率や経済モデルの変化、ノードの信頼性によって将来の報酬が変動するリスクがあります。 - 送金リスク
誤ったアドレスやネットワークを指定して送金すると資産を失う可能性があります。特にチェーンをまたぐような操作には注意が必要です。 - セキュリティ／秘密鍵管理
秘密鍵やリカバリーフレーズの漏洩、および不正アクセスを防ぐために安全なバックアップと運用が不可欠です。
将来性とまとめ
- 実世界ユースケース：VeChain はサプライチェーン、物流、品質管理といった企業ニーズを重視しており、実ビジネスと暗号技術を橋渡しする存在。
- トークン機能：VET は単なる投機通貨ではなく、VTHO 生成、ガバナンス、ネットワーク参加など多用途で活用できる。
- 価格履歴の意味：過去最高値は約 $0.28、最安値は約 $0.0019 と幅が大きいため、長期保有者とトレーダーではリスク・戦略が変わってくる。
- ウォレット運用：Trust Wallet を使えば VET を安全に管理・送金できるが、操作やセキュリティには慎重を期す必要がある。
- 取引所戦略：bitFlyer では VET の取り扱いが確認されておらず、他取引所を通じた入出金を検討するのが現実的。
- リスク管理：価格変動・ステーキング・セキュリティなど多面的なリスクを理解し、分散保有や中長期戦略を持つことが望ましい。
