はじめに：Toncoin（TON）とは
Toncoin（トンコイン、略称：TON）は、The Open Network（通称：TON）のネイティブ暗号資産です。TON はもともと Telegram が関与して開発されていたブロックチェーン・プロジェクトで、高速かつスケーラブルなトランザクション処理を目指しています。スマートコントラクトなども扱える設計となっており、dApps（分散型アプリケーション）上での利用が見込まれています。
Toncoin の価格履歴：最安値・最高値
TON（Toncoin）は、過去にかなり変動のある価格推移を記録してきました。
- 史上最高値（ATH）
Bybit のデータによると、TON の最高価格は 8.25 米ドル（USD）と報告されています。 - 過去最安値（ATL）
一部データソースでは、2021年9月ごろの最安値として約 0.39 米ドル が報告されているものがあります。
これら価格変動を見ると、TON は短期間で大きな上昇を経験した時期があり、その後の調整も激しかったことが窺えます。
Trust Wallet（トラストウォレット）とは
Trust Wallet は、スマートフォン向けのマルチ通貨ウォレットアプリです。多くの暗号資産を一元管理でき、秘密鍵（プライベートキー）をユーザー自身が管理できる非カストディアル型ウォレットとして人気があります。また、リカバリーフレーズ（シードフレーズ）の発行・管理機能も備えており、安全性を確保しながら資産を保持できます。
TON（Toncoin）を扱うために Trust Wallet を使うことは選択肢としてありますが、実際には注意点も多いため慎重な運用が求められます。
Trust Wallet での TON 管理：保管・送受信の手順と注意点
ここでは、Trust Wallet に TON を保管し、送金・受け取りを実行する際の一般的な流れと注意事項を説明します。
- ウォレット作成およびバックアップ
Trust Wallet アプリをスマートフォンにインストールし、新規ウォレットを作成します。その際に発行されるリカバリーフレーズを安全な場所（紙、オフライン媒体など）に保管します。 - TON の有効化
ウォレット内の資産一覧から TON（または Toncoin）を探し、有効化（表示）します。これにより送受信画面や残高確認が可能になります。 - 受け取り（入金）
「受け取る（Receive）」を選択 → TON を指定 → ウォレットアドレスが表示されます → そのアドレスを送金元（取引所や他ウォレット）で利用。
ただし、TON ネットワークには Memo（メモ）を要求する取引所もあります。送金時にメモが必要かどうかは相手先（取引所など）で確認してください。 > “What the hellis a MEMO … But my Tonkeeper wallet has no MEMO … Probably the same as a comment … I just transferred … and wasn’t required to enter a memo” - 送金（出金）
「送信（Send）」を選択 → TON を選ぶ → 送金先アドレスを入力または貼り付け → 送金量を指定 → 手数料（ガス代）を確認 → 送金内容を最終確認 → 実行。
ただし、Trust Wallet から TON を送る際にはトラブル報告もあります。たとえば、あるユーザーは「ウォレット内に TON があるが、送金が失敗する」経験をしています。 > “I have TON coins in my Trust Wallet but unable to send them … it simply fails”
同様に、「送金処理済みを示す画面が出るが、実際には他ウォレットに届かない」ケースもあります。 > “My trust wallet is not sending out my Toncoin even after showing tx completed.” - 着金確認
送金後は、Trust Wallet のトランザクション履歴を確認し、ブロックチェーン・エクスプローラー（例：TON スキャンなど）でトランザクション ID（TXID）を参照して実際に反映されたかを検証します。 - リスク管理とバックアップ
リカバリーフレーズを紛失したり漏洩したりすると資産を復元できなくなるため、厳重な管理が必要です。また、ウォレットを別のアプリやデバイスに移す際には互換性を確認すべきです。たとえば、Trust Wallet のシードフレーズを Tonkeeper や他の TON 対応ウォレットへインポートしようとしたユーザーで、フレーズ形式の違いによって同期できないという報告があります。 > “Tonkeeper and other TON wallets requires 24-phrase … Importing 24-phrase from Tonkeeper … Trust doesn’t recognise it.”
bitFlyer における TON（Toncoin）の取扱いについて
現時点（調査時点）では、bitFlyer において TON（Toncoin）の取り扱いは明確な情報が確認できていません。bitFlyer の公式ウェブサイトや公開資料に TON の入出金・取引ペアに関する言及は見当たらないため、TON を Trust Wallet から bitFlyer に送金（入金）する運用は一般には想定しにくい状況です。
なお、bitFlyer 自体は日本国内で大手取引所の一つです。企業概要によれば、東京に本社を有し、日本国内およびグローバルに暗号資産サービスを展開しています。
しかし、TON に関しては bitFlyer の取り扱い通貨リスト（日本語・英語ページ）に TON が載っていないため、利用前に bitFlyer の最新情報やサポートに問い合わせることが強く推奨されます。
Trust Wallet → bitFlyer 送金が想定できる場合の注意点
仮に将来的に bitFlyer が TON（Toncoin）を取り扱うようになったとき、Trust Wallet から bitFlyer への送金を行う場合は、以下のような注意点があります。
- アドレス・Memo（メモ）の確認
取引所入金アドレスとメモが必要かどうかを bitFlyer 側で確認。メモの欠如や誤りにより、入金できないリスクがあります。 - ネットワークの適切な選択
TON は専用のブロックチェーンを持っており、誤った送金（たとえば他チェーンに送る）をすると資産を失う可能性が高い。 - 少額でのテスト送金
初めて送金する際は、小額を使ってテスト送金を行い、実際に bitFlyer に反映されるかを確認。 - ガス代（手数料）の確認
TON ネットワークでの送金はガス代が発生するため、送金金額に加えて手数料を把握しておく。 - トラブル発生時の対応
送金失敗や着金しない場合に備えて、トランザクション ID（TXID）を控えておき、bitFlyer のサポートに問い合わせる準備をする。
Trust Wallet を使った TON 管理のメリットとリスク
メリット
- 自己管理
自分の秘密鍵を保有できるため、資産のコントロールを完全に持つことができる。 - 利便性
スマートフォンから簡単にトランザクションを実行でき、送金・受け取り・残高確認が容易。 - 非カストディアル型
取引所による制限やリスク（ハッキング、破綻など）から資産を分離して保管できる。
リスク
- 送金エラー
TON 送金時に失敗する、またはウォレットから正しく引き出せないという報告がある。 > “unable to send … it simply fails” - 互換性の問題
他の TON ウォレットとのシードフレーズ互換性がなく、移行が困難なケースがある。 > “Tonkeeper … requires 24-phrase … Trust doesn’t recognise it.” - メモの扱い
取引所入金にメモが必要な場合、メモを入力しないと資金が反映されない可能性がある。 > “Memo is … required … It creates a 1:1 relationship …” - セキュリティ
リカバリーフレーズの管理ミス（紛失・漏洩）は致命的。スマホ紛失やアプリの不具合にも注意が必要。
まとめ
- TON（Toncoin）は The Open Network のネイティブ通貨であり、高速なトランザクションやスマートコントラクトの実行が可能なブロックチェーンに属しています。
- 価格については、過去の最高値が 8.25 米ドル、最安値が 0.39 米ドル 程度と、長期間で大きな変動を経験してきました。
- Trust Wallet を使用することで、TON をスマホ上で管理・送受信できますが、互換性の問題や送金エラー、メモ入力の必要性など、注意が必要なポイントが複数あります。
- 現時点では bitFlyer による TON の取り扱いが確認されておらず、Trust Wallet から bitFlyer への TON 送金は一般向けには現実的な運用ではないようです。
- 将来的に bitFlyer が TON をサポートした場合でも、アドレス・メモ・ネットワークの確認、テスト送金、ガス代の把握などを徹底して安全に運用することが重要です。
