はじめに：Bitcoin Cash（BCH）とは
Bitcoin Cash（ビットコインキャッシュ、以下「BCH」）は、ビットコイン（BTC）から分岐（ハードフォーク）して誕生した暗号資産です。スケーラビリティ（取引処理能力）の向上を目的として、ブロックサイズを拡張する設計を採用しており、より迅速で安価なトランザクション処理を目指しています。BCH は「電子現金」としての利用を重視されてきた通貨で、日常的な送金や決済用途でも活用されることが想定されています。
BCH の価格履歴：最安値・最高値
BCH の価格は、過去の取引市場で大きく変動してきました。
- 史上最高値（ATH）：CoinGecko などのデータによると、BCH は 2017年12月20日に 約 3,785.82 USD を記録しています。
- 史上最安値（ATL）：CoinGecko によれば、BCH は 2018年12月16日に 約 76.93 USD まで下落しました。
- また、CoinLore の履歴データによれば、最低値はおおよそ 77.24 USD、最高値は 4,358.92 USD とする記録もあります。
これらの数字を見ると、BCH はその発展期に非常に激しい価格変動を経験しており、投資や長期保有を考える際には過去の高値・安値を把握することが重要です。
Trust Wallet（トラストウォレット）とは
Trust Wallet はスマートフォン向けのマルチ資産ウォレットで、さまざまな暗号資産を管理できる利便性とセキュリティを兼ね備えています。Trust Wallet の公式サイトでも、BCH 用ウォレットとしてサポートされていることが明記されています。
主な特徴は以下の通りです：
- シークレットフレーズ（リカバリーフレーズ）
ウォレットを作成する際にバックアップ用のフレーズが発行され、これを安全に保管することで、万が一端末を失っても資産を復元できます。 - 秘密鍵のユーザー管理
Trust Wallet 上では、ユーザー自身が秘密鍵を管理します。これはウォレットの所有権を完全に保つ重要な要素です。 - 暗号資産の送受信
ウォレット内で BCH を「受け取り（Deposit/Receive）」または「送信（Send）」できます。送信時にはアドレスと金額、小数点などを慎重に確認する必要があります。 - セキュリティ対策
Trust Wallet はフィッシング詐欺への注意喚起を公式で行っており、シードフレーズを他人に知らせない、怪しいリンクをクリックしないなどの基本的な安全対策が説明されています。
Trust Wallet で BCH を管理する手順
以下は、Trust Wallet を使って BCH を保管・送金する際の一般的な流れです。
- ウォレットのインストール
スマートフォンに Trust Wallet の公式アプリをインストールし、新規ウォレットを作成。 - BCH を追加
ウォレット内で BCH を有効化します。Trust Wallet の「ウォレットを追加（Add Asset）」で BCH を探し、オンに切り替えます。 - 受け取りアドレスの取得
「受け取り（Receive）」を選択し、BCH を選ぶと入金用アドレスが表示されます。このアドレスをコピーまたは QR コードで取得し、取引所や他のウォレットから送金元に指定します。 - 送金
「送信（Send）」を選択し、送りたい BCH の量、送付先アドレスを入力。送金手数料やネットワークを確認し、内容に問題がなければ送信を実行。 - 着金確認
送金が完了したら、Trust Wallet 内のトランザクション履歴で確認します。また、ブロックチェーンのエクスプローラーを利用して TXID（トランザクション ID）を追跡することも可能です。 - バックアップ
ウォレット作成時のリカバリーフレーズは必ずオフラインなど安全な場所に記録・保管します。紙や専用の金属プレートなども有効です。
bitFlyer における BCH（ビットコインキャッシュ）
日本の大手暗号資産取引所 bitFlyer（ビットフライヤー） でも BCH に関する取引・送付機能があります。
- bitFlyer の入出金（送付）ページでは、BCH を含む暗号資産の「送付」機能が提供されています。外部アドレスを登録して BCH を出金することが可能です。
- 出金（送付）時の手数料は、bitFlyer の手数料ページによれば 0.0002 BCH が最低手数料として設定されています。
- また、出金（送付）の最小数量は 0.001 BCH です。
- BCH を外部ウォレットに送る際には、まず「外部アドレスを登録」する必要があります。登録後、ラベル（任意の名前）やアドレス、送金量を入力し、送付の優先度などを指定して確定します。
- bitFlyer には「トラベルルール（Travel Rule）」が適用される場合があります。外部送付を行う際に、登録手続きや確認が必要なことがあります。
なお、bitFlyer で BCH を売却（日本円などに換金）できるかどうか、またその条件については注意が必要です。一部情報によれば、BCH の売却が停止されている場合があるため、送金・換金をする際には最新の bitFlyer の案内を必ず確認しておくべきです。
Trust Wallet から bitFlyer への BCH 送金の注意点
Trust Wallet から BCH を bitFlyer に送金する運用を想定する場合、以下のポイントに注意してください。
- アドレスの正確性
bitFlyer 側で BCH の入金アドレスを取得し、それを Trust Wallet の送信先アドレスに正確にコピーします。間違えると資産を失うリスクがあります。 - ネットワーク確認
BCH の送金ネットワーク（Bitcoin Cash ネットワーク）が正しいかを確認します。異なるチェーンやトークンを間違えて送ると取り戻せない可能性があります。 - 少額でテスト送金
はじめての送金時には、最小限の BCH 量を使ってテスト送金を行い、着金を確認するのが安全です。 - 手数料の確認
送金時に Trust Wallet が提示する手数料（マイナー手数料）と、bitFlyer の最低受け入れ額や入金ルールを考慮します。 - 着金反映時間
BCH のブロック承認数、そして bitFlyer 側の入金反映条件（必要確認数など）を把握し、着金にかかる時間を見積もっておきます。 - セキュリティ
Trust Wallet のシードフレーズを安全に保管し、フィッシング対策に十分注意します。外部リンクを不用意にクリックしないことも重要です。
BCH を Trust Wallet で管理する際のリスクと利点
利点
- 自己管理：秘密鍵を自分で管理できるため、取引所のリスク（ハッキング・破綻など）から分離して資産を保管できる。
- 利便性：スマホでリアルタイムに BCH の残高やトランザクションを確認可能。
- 柔軟性：他のウォレットや取引所への送金が自在で、資産の流動性を保ちやすい。
リスク
- 紛失リスク：シードフレーズを失うと資産を復元できなくなる。
- 誤送リスク：アドレスやネットワークを間違えて送金すると資産が消失する。
- 手数料リスク：送金時のマイナー手数料が想定より高くなる可能性がある。
- 取引所の制限：bitFlyer など受け入れ側取引所の入金条件や最低入金額、トラベルルールの影響を受ける可能性。
まとめ
- Bitcoin Cash（BCH）は、高速・低コストなトランザクションを重視した、ビットコインから分岐した通貨です。
- BCH の過去の価格は、最高値が約 3,785.82 USD、最安値が約 76.93 USD と、大きな変動を経験しています。
- Trust Wallet は BCH をサポートしており、スマホ上で安全に管理・送受信が可能です。
- bitFlyer において BCH の送付（出金）は可能で、最低出金量や手数料などの条件があります。
- 送金を行う際はアドレスの正確さ、ネットワークの確認、テスト送金などの基本的な注意を徹底すべきです。
