Trust Walletとは？その使い方を徹底解説
急速に拡大する仮想通貨市場において、安全な暗号資産ウォレットは投資家にとって欠かせない存在です。
仮想通貨ウォレットとは、ビットコイン（Bitcoin）、イーサリアム（Ether）、ライトコイン（Litecoin）などのデジタル資産を送受信するためのソフトウェアです。
一般的に、ウォレットは複数のコインやトークンを同時に保管できますが、対応している暗号資産の数には制限があります。ウォレットには、インターネットに接続して使用する「ソフトウェアウォレット」と、USBメモリのような形状でオフライン管理が可能な「ハードウェアウォレット」があります。
暗号資産の安全性を確保するために、ウォレットは「秘密鍵」と呼ばれるコードを保管しており、これが「公開鍵」と一致することで資産の送金や取引が可能になります。
Trust Wallet（トラストウォレット）は、このような仕組みを持つ代表的なウォレットの一つです。
Trust Walletは、ユーザーが自らのデジタル資産を完全に管理できる非カストディアル型ウォレットであり、他の多くのウォレットよりも幅広い仮想通貨をサポートしています。
Trust Walletの概要
Trust Walletは、分散型かつ非カストディアルのマルチ暗号資産ウォレットアプリであり、仮想通貨やNFT（非代替性トークン）などのデジタル資産を完全に自己管理することができます。
また、Binance（バイナンス）の公式ウォレットとして、65以上のブロックチェーンと450万種類以上の暗号資産に対応しています。
多くの中央集権型ウォレットとは異なり、Trust Walletは分散型アプリケーション（DApp）へのアクセス機能を備えており、対応ブロックチェーン上のDAppと安全に連携することが可能です。
ユーザーは、暗号資産の購入・送金・受取・ステーキング・取引・保管を一つのアプリで行うことができます。
さらに、Trust Walletは「ホットウォレット」に分類され、インターネット接続があればいつでもオンラインで利用できます。これに対し、「コールドウォレット」は基本的にオフラインで保管され、必要時のみ接続されます。
Trust Walletの主な特徴
- マルチ通貨対応：ERC-20トークンに限定されるウォレットが多い中、Trust Walletは複数の暗号資産に対応しています。
- 柔軟な購入手段：Wyre、MoonPay、Simplexなどの外部サービスを通じて法定通貨で仮想通貨を購入可能です。
- NFT管理機能：NFTの購入・販売・保管に対応しており、スマートフォンから直接取引が可能です。
- ステーキング報酬：対応通貨をステーキングすることで報酬を獲得できます。
- ウォレット間送金の容易さ：秘密のリカバリーフレーズ、秘密鍵、またはKeystoreファイルを使って他のウォレットから資産を移行できます。
- 手数料の柔軟性：アプリ自体は無料で利用でき、スワップや取引手数料も不要です。ただし、ネットワークの混雑状況に応じてブロックチェーン手数料が発生します。
Trust Walletの仕組み
Trust Walletは、各ブロックチェーンとそのノードを繋ぐブリッジとして機能します。
それぞれのブロックチェーンには固有の公開アドレスがあり、暗号資産はそこで暗号化・保護されています。
非カストディアル型のため、Trust Wallet自体がユーザー資産を保管することはなく、アクセス手段を提供するだけです。
アプリはモバイル専用であり、AndroidやiOSにインストールすることで利用可能になります。
ユーザーデータはサーバー上に保存されず、取引情報は当事者間のみで管理され、第三者に開示されることはありません。
さらに、内蔵のDAppブラウザを通じてEthereumやBNB Chain上のDApp（例：Uniswap、PancakeSwap、OpenSeaなど）に直接アクセスできます。
Trust Walletでは、ユーザーの安全を確保するため、信頼性の高いDAppのみを厳選して公開しています。
Trust Walletでできること
1. 仮想通貨の購入
Trust Walletでは、クレジットカードやデビットカードを使って60種類以上の仮想通貨を法定通貨で購入できます。
また、中央集権型取引所で購入してウォレットへ送金することも可能です。
2. ステーキング
BNBやKAVAなどの対象通貨をTrust Wallet内でステーキングすることで、報酬（利息）を獲得できます。
3. 仮想通貨の交換
内蔵の分散型取引所（DEX）を利用して、BEP-2トークンとBEP-20トークン間のクロスチェーンスワップが可能です。
取引時にはネットワーク状況に応じた手数料が発生します。
4. ステーブルコイン・NFTの管理
Trust Walletでは、ステーブルコインの保管や支払いに加え、EthereumおよびBNB Chain上のNFTを管理・取引することもできます。
Trust Walletの使い方
1. アプリのダウンロード
まず、AndroidまたはiOS端末にTrust Walletをインストールします。アプリは無料で提供されています。
2. アカウントの作成
アプリを開き、「新しいウォレットを作成」を選択します。プライバシーポリシーと利用規約を確認し、同意したら続行します。
6桁のパスコードを設定し、ウォレットのセキュリティコードとして保管してください。
このコードは他人と共有してはいけません。
次に、ウォレットをバックアップします。これは非カストディアル型ウォレットのため、デバイス紛失時の復旧に不可欠なステップです。
Trust Walletはユーザーデータにアクセスできないため、ユーザー自身がバックアップを取る必要があります。
確認項目をチェックし、「続行」を選択すると、12単語のリカバリーフレーズが表示されます。
これを安全な場所に記録し、正しい順序で再入力して完了します。
3. 資金の追加
ウォレット画面の「購入」メニューから希望するコインやトークンを選択します。
外部サービスを通じて取引が行われ、手数料や支払い方法を確認して購入を確定します。
Trust Walletのメリットとデメリット
メリット
- 初心者にも使いやすい直感的なインターフェース
- 非カストディアル型による高いセキュリティ
- 一つのアプリで購入、送金、取引、NFT管理が可能
- 幅広い暗号資産とDAppへのアクセス
デメリット
- カスタマーサポートがメール対応のみ
- ハードウェアウォレット（オフライン保管）との連携は現時点で未対応（今後のアップデートで対応予定）
Trust Walletは、安全性と利便性を両立した総合的な暗号資産管理ツールです。
仮想通貨初心者から上級者まで、デジタル資産を安全に保有・運用したいすべてのユーザーに最適なウォレットといえるでしょう。
